山形北部遠征二日目。
キャンプ地で飲みながら「明日はどこに登ろうか」と散々悩み出した答えが杢蔵山でした。
南下しても帰りが辛くなるばかりだし、北上しつつ手頃な山といえば杢蔵山ではないかと。
 

とりあえず登山口にはあっさりとたどり着くことができました。
東北百名山の山の中には登山そのものよりも登山口まで行くのが大変な山もありますから、
初めて行く場合は毎回緊張を強いられます。
 
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時刻は八時半くらいですが、登山口にはすでに多くの車が停まっていました。
見ると秋田ナンバーのマイクロバスまでいるじゃないですか。
ガイドブックには地元の人に愛されている山とありましたが、
地元以外の人からも人気が高いようです。
とりあえず人っ子一人いない…という淋しい事にはならないようです。
 
植林地の中の登山道を歩き始めます。
今日もいい天気。
よく整備された植林地には明るい木漏れ日が差込んでおり気持ちよく歩けます。
 
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なにげに分岐点が登場。
右に行くと渓谷遊歩道
まっすぐ進むと登山道

遊歩道と登山道と二つ並べると、遊歩道のほうが歩きやすそうな印象がありますが
どうやらここではその常識は通用しないようです。
事前に仕入れた情報によりますと、沢沿いの遊歩道はあまり整備が行届いておらず
プチ沢登りのような場所もあったりとそれなりに難コースの様子。
この看板、警告遊歩道の間違いでねーの?

ここは安全を期して登山道へと進みます。
 
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しばらく行くと「一の滝」という看板が現れます。
その看板は我々を沢の方へと誘導しようと手招きしていますが…
だまされるもんですかっ!
 
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形があまりに墓石スタイルなので一瞬ギョッとしましたが
よく見ると「不動明王」と書かれてあるので石碑だとわかりました。
そういえばガイドブックにもそんな事が書かれていたような気がしますが…
なんつーか、もうちょっと「石碑」然としたスタイルにできなかったものか。
道を間違えて墓参りしに来ちゃったか?と思いましたよ。
 
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登山道は沢の上の斜面をトラバースするように付けられているため
時々、このような支沢を横切るような場所が現れます。
道はしっかりしているのでそうそう危険な場所ではないですが
油断して落ちたりしたらかなりの高さを滑落することになります。
 
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ここに来て看板が本性を現しました。
「遊歩道(上級者コース)」って…。

上級者でなくても歩けるから「遊歩道」じゃないんですかー???
いろいろ突っ込みどころが多いですが、 嫌いじゃないです、こういうの。

もっとも、自分がだまされて突入しひどい目にあっていたりして
あとからこの看板見たら腹立つだろうな。
 
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三の滝まで来ました。
ここにきてようやく滝の姿を目にすることができました。
なかなか立派な滝ですね。あたりに涼気がただよっていい感じ♪
 
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ここまでゆるゆると登って来た道は、三の滝を過ぎるといきなり超急坂になります。
しかし、すぐに下りに転じ、今度は登ったのとほぼ同じだけ下ります。
どうやらこれは三の滝を高巻く為に作られた巻き道のようです。
手前に不自然な行き止まりの分岐もあったので、そちらの道は崩落でもしたのかな。
 
この辺りでマイクロバスの団体さんに追いつきました。
横手の山岳会の方々だそうで。
「遅いから先に行っていいよ~」と言われるモノの、せまい登山道では30人近くを追い抜くのは至難(^^;
しかも山岳会の方々でしょ~。追い越したとして追いつかれて煽られまくることになるんじゃ…(^^;
 
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登山道と沢の高さが同じくらいになってくると何か所か渡渉点があります。
橋もかかっていなければロープも渡されていませんし、
飛び渡る石も、あまり適当なものがない徒渉点です。
水が少なければ何と言うこともないですが、増水したら怖い場所かも。
やっぱり大雨の直後だった昨日は来なくて正解だったなぁ。
 
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沢が細くなり、これ以上沢筋を登れませんよぉという場所まで来ると
ここまでゆるゆると登って来た登山道は稜線を目指して一気に突き上がります。
豪雪地帯のため根元でひん曲がった灌木に邪魔され、
ただでさえ厳しい急傾斜の登りが一層大変に感じます。
なぜか踏み跡も薄くなり、登山道が判然としない場面も。
(倒木や張り出している木の枝のため踏み跡が散らばるから?)
 
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はっきりしない踏み跡は、そのまま残雪に飲まれて消えました。
この一筋の残雪、沢なのか道なのか…。
なーんか赤テープも微妙な位置に付いてるしなぁ…。

しかし、他に歩けそうな場所もなかったので進むしかありません。
まぁ、この上は登山道が横切っているはずなので方角さえ間違わないで上へ上へと登れば
多少道をはずしても登山道には出るはずなのであまり心配はしてませんが。
 
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山頂効果で一気に木々の背が低くなり、その分空が近づいてきました。
やっとこさ急傾斜地を抜けた…のか?
 
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本当にふいに、というか突然に視界が開けます。
薄暗い林の中を長く歩いて来た目にはまぶしすぎる程の広い空。
劇的な風景の変化に思わず息をのみました。
避難小屋まであと少し!
 
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1時間45分ほどをかけて小屋までたどり着きました。
いや?、最後の急坂に次ぐ急坂のエリアで一気に消耗したぁ?。
沢+最後の突き上げって、今まで登った山の中だと白神岳に似てるんだなぁ。
正直、このパターンの登山道は苦手じゃ(^^;
あの時もグダグダになるまで体力削られたっけ…。
ああ、そういえばあの時も登山用のパンツ忘れたっけな…、そういえば。
どうでもいいこと思い出してしまった。

杢蔵山荘の前で小休止。
ふと壁にかかった案内版を見ると
「優料トイレ」
と書かれてありました。
 
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どういう意味だっ!?