今から5年前、あれはまだヘロヘロ隊が結成されたばかりの頃の事…。
2つ3つ山を登り、行ける気になった我々は
「そろそろ少し歩き応えがあるコースでも行ってみるか~」
という軽い気持ちで、松川→三石→大深→松川という三角縦走にチャレンジしたのでした。
2つ3つ山を登り、行ける気になった我々は
「そろそろ少し歩き応えがあるコースでも行ってみるか~」
という軽い気持ちで、松川→三石→大深→松川という三角縦走にチャレンジしたのでした。
しかし、根本的な体力不足と、次々に現れる残雪、ルートロストで遭難寸前の状態に陥り
なんとか無事に下山できたものの、松川に着いたのは夕暮れ間近の午後六時過ぎ。
危うく山中で夜を迎えるという危機的な状況からの生還…。
この経験は我々に多くの教訓と、深いトラウマを残したのであります。
なんとか無事に下山できたものの、松川に着いたのは夕暮れ間近の午後六時過ぎ。
危うく山中で夜を迎えるという危機的な状況からの生還…。
この経験は我々に多くの教訓と、深いトラウマを残したのであります。
あれから5年…。
体力はもとより、装備、経験ともに比べモノにならないくらい充実した?今、
同じコースを、同じ季節に辿ってトラウマを克服しようじゃないか!
というのが、今回の登山の大きな目的です。
同じコースを、同じ季節に辿ってトラウマを克服しようじゃないか!
というのが、今回の登山の大きな目的です。
2010年6月13日、ヘロヘロ隊は因縁の三角縦走路へと踏み込んだのであります。
松川温泉松川荘の横手にある登山口を7時45分に出発しました。
ついさっきまで、周辺は濃いガスに包まれていたのですが
日の出と共にガスは霧散。強烈な日差しが照りつけてきました。
ついさっきまで、周辺は濃いガスに包まれていたのですが
日の出と共にガスは霧散。強烈な日差しが照りつけてきました。
最初の15分は急登の連続です。
まだまだ元気ではありますが、体が温まるまではあえてスローペースを守ります。
ペース配分に気を使ったおかげか、息一つ切れることもなく急坂を登り切りました。
5年前は、このあたりですでにヘロヘロしていた気がするので上々の出だしです。
まだまだ元気ではありますが、体が温まるまではあえてスローペースを守ります。
ペース配分に気を使ったおかげか、息一つ切れることもなく急坂を登り切りました。
5年前は、このあたりですでにヘロヘロしていた気がするので上々の出だしです。
1時間ほどかけて、奥産道から来る道と合流します。
さすがに5年前のことはあまりハッキリとは覚えていないため、
どうしても直近の思い出である初冬の三石山行との比較になってしまいます。
あのときは、ここまで2時間以上かかったなぁ…と。
さすがに5年前のことはあまりハッキリとは覚えていないため、
どうしても直近の思い出である初冬の三石山行との比較になってしまいます。
あのときは、ここまで2時間以上かかったなぁ…と。
分岐点を過ぎると、少しずつ残雪が姿を現し始めました。
「ほ~れ、踏み抜けぇ」と言わんばかりに下部が空洞になった残雪。
当然、先に無事通過したちゃってぃは、後続のツートンに期待しております(笑
当然、先に無事通過したちゃってぃは、後続のツートンに期待しております(笑
登山口~三石山荘間の最大の難所は、この沢を渡るための雪壁です。
ステップが刻まれているのを期待していたのですが、まだ入山者が少ないのか
それとも溶けて消えてしまったのか分かりませんが、自分でステップを刻まなければ登れませんでした。
ステップが刻まれているのを期待していたのですが、まだ入山者が少ないのか
それとも溶けて消えてしまったのか分かりませんが、自分でステップを刻まなければ登れませんでした。
このあたりで手強かったのは、こうした残雪よりもむしろ「笹」でした。
雪の重みで倒されていた笹が、雪解けと共に起きあがってきているのですが
これが泥をたくさん身につけているので、笹に触ると頭の上から泥が降ってくるのです…。
転んでもいないのに頭のてっぺんから泥だらけになってしまいました。
正直、これには参りました。
雪の重みで倒されていた笹が、雪解けと共に起きあがってきているのですが
これが泥をたくさん身につけているので、笹に触ると頭の上から泥が降ってくるのです…。
転んでもいないのに頭のてっぺんから泥だらけになってしまいました。
正直、これには参りました。
あ、あとニョロニョロも一本いたっけな…。
やがて林間から三石山本体が見えてきます。
二週間前に来たときよりも雪渓は確実に小さくなっています。
二週間前に来たときよりも雪渓は確実に小さくなっています。
9時30分、三石山荘に到着です。
標準コースタイムより、若干多めにかかっていますが、残雪を乗り越え
花が咲いているたびにツートンが立ち止まり…という感じで歩いたにしては上出来かな…と。
標準コースタイムより、若干多めにかかっていますが、残雪を乗り越え
花が咲いているたびにツートンが立ち止まり…という感じで歩いたにしては上出来かな…と。
山荘で10分ほど休憩をとり、いよいよ三石山本体へとアタック開始。
登り初めてふと振り返ると、岩手山が綺麗に全身を見せてくれていました。
あれ? 今日はやまめさんが小屋泊明けのはずなのに???(笑
登り初めてふと振り返ると、岩手山が綺麗に全身を見せてくれていました。
あれ? 今日はやまめさんが小屋泊明けのはずなのに???(笑
登山道が川になっています。
上部にある雪渓からの雪解け水が登山道に集まって流れているようです。
5年前のあの日も、こんな風に登山道が川になっていましたっけ。
印象深かったのでよく覚えています。
上部にある雪渓からの雪解け水が登山道に集まって流れているようです。
5年前のあの日も、こんな風に登山道が川になっていましたっけ。
印象深かったのでよく覚えています。
残雪期の三石のハイライト、大雪渓上に出ます。
ツボ足、キックステップで問題なく登れましたが、アイゼンを装着した方が楽かもしれません。
ツボ足、キックステップで問題なく登れましたが、アイゼンを装着した方が楽かもしれません。
雪渓を登り切ると再び夏道に戻り、山頂付近は岩場の道となります。
この岩場付近が一面お花畑になっていました。
ツートンのテンションが一気に上がります!
花に駆け寄っては撮影し、また別の花のところへ…うれしそうです。
この岩場付近が一面お花畑になっていました。
ツートンのテンションが一気に上がります!
花に駆け寄っては撮影し、また別の花のところへ…うれしそうです。
三石の山頂付近といえば、いつ行っても大勢の人が居て…というイメージがありますが
時間が早かったのか、時期が早かったのか、この日、この時間は我々の専用でした。
そんなわけで、誰に気兼ねするでもなく写真を撮ったり景色をながめたりしていると
不意に登山道脇の灌木がバッサバッサと大きく揺れだしました。
時間が早かったのか、時期が早かったのか、この日、この時間は我々の専用でした。
そんなわけで、誰に気兼ねするでもなく写真を撮ったり景色をながめたりしていると
不意に登山道脇の灌木がバッサバッサと大きく揺れだしました。
「あれ? 誰か居たのかな?」
「いや、動物? 大きいな、鹿か?」
「鹿って黒くないよな? …まさか、熊?」
「いや、動物? 大きいな、鹿か?」
「鹿って黒くないよな? …まさか、熊?」
そこまで思考が至った瞬間、その黒くて大きい動物が茂みから姿を現しました。
どこからどう見ても熊です。本当にありがとうございました。
どこからどう見ても熊です。本当にありがとうございました。
目が合いました。
距離は直線でおよそ10m。
こちらが若干高い位置にある岩の上に居るとしても
ヤツにとっては指呼の距離でしょう。
こちらが若干高い位置にある岩の上に居るとしても
ヤツにとっては指呼の距離でしょう。
頭が真っ白になりました。
「熊に出くわしたらこうしろ!」みたいなことがよく山の本などに書かれていますが…
無理!(笑
そんな知識、目があった瞬間吹っ飛びますわ!
無理!(笑
そんな知識、目があった瞬間吹っ飛びますわ!
こちらが固まって動けないでいると、熊の方から踵を返し走り去ってくれました。
おそらく目が合ってからヤツが逃げ始めるまで2秒と無かったとは思うのですが
私にとっては10秒、いやそれ以上に長い時間に感じました。
おそらく目が合ってからヤツが逃げ始めるまで2秒と無かったとは思うのですが
私にとっては10秒、いやそれ以上に長い時間に感じました。
確実に遠ざかって行くのを確認し、ほっとした瞬間に
「あ、写真撮らなきゃ」
と思いつきまして…ブロガーの鏡でしょ?(笑
撮った写真がこちら。
「あ、写真撮らなきゃ」
と思いつきまして…ブロガーの鏡でしょ?(笑
撮った写真がこちら。
後ろ姿ですが、野生の熊の撮影に成功!
いや、まあ、今無事でいるからこんな記事書いてますけどね、
遭遇した瞬間はやっぱり怖かったですよ。
何事もなくて本当によかったと、心の底から思います。
遭遇した瞬間はやっぱり怖かったですよ。
何事もなくて本当によかったと、心の底から思います。
熊騒動という大変な事もありましたが、無事に三石山山頂に到着です。
半年ぶりの三石山頂ですね。
時刻は10時20分。登山開始から2時間半強。まだまだ前半戦です。
半年ぶりの三石山頂ですね。
時刻は10時20分。登山開始から2時間半強。まだまだ前半戦です。
つづく