2010年3月28日、貝吹岳富士山に行ってきました。
貝吹岳…わりとマイナーな部類に入る山だと思いますが、ここにあります。

秋田と岩手の県境、当然昔は藩境でもあったわけで、南部藩と佐竹藩の境を示す石碑が残っていたりします。
また、近くを旧仙岩道路が越えていたこともあり、尾根づたいに旧道に出ると
仙岩道路開通記念碑なんかも見ることができたりと、登山というジャンルよりは
街道史、近代交通史なんかで有名な山かもしれません。
 
本日の山行をご一緒していただくのは、やまめさんとyuzzyさん。
いつもいつもお世話になっております。
そして本日もよろしくお願いいたします
 
やまめさんの車に乗せていただいて、国道46号を秋田方面に向かって走ります
天気は快晴! 誰の、という話はさておき、日頃の行いの良さが伺われます(笑
4月も近いというのに、昨日降った雪がすっぽりと山肌を覆い、一面白銀の世界キラキラキラキラ
これは素晴らしい景色を予感させます!
 
さて、貝吹岳には主に二つの登山ルートがありますが
(道の駅雫石付近から旧秋田街道に沿って登るルート・旧仙岩道路国見峠付近からの尾根づたいルート)
今回は残雪期専用の第三のルートを登ります。
登山口は仙岩トンネル手前の駐車帯。
夏だとババへらアイスのおばちゃんがいる場所です。
ここ↓ですね。
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当然の事ながら登山口の標識なんかは一切ありません。
っていうか、夏道は無いのであるわけありません。
残雪を利用して、この道路脇の斜面を登っていきます。
 
今日は最初からスノーシュー装着で登っていきます。
昨日降った雪が20センチくらい積もり、ふかふかのパウダーを楽しむことができます。
実は「この時期だと、もう残雪期で雪も締まっているだろうからアイゼンかな~。」
「でも、念のためシューも持って行くかぁ」などと、ちょっと悩んだのですが
シューを持ってきて正解でした!
こんなフカフカなところ、ツボ足ではキツすぎます!
 
入山後、いきなりの急坂となります
まだ暖まっていない体が悲鳴をあげますが、一方で久しぶりの雪の感触にウハウハしていたりします(笑
まぁ、時間はたっぷりとあるのでゆっくり行きましょうということで、じわじわと高度を稼いでいきます。
 
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私達の前に4人ほど先行する登山者がいたのですが、わりとあっさり追いついてしまいました。
見ると、その人達はワカン装備のようで、私達と比べてかなり深いトレースを刻んでいます。
やはりスノーシュー装着は正解のようでした。
 
岩手の雪山のガイドブックによると、この斜面を登り詰め尾根に取り付き…というコースがとられていますが
今日は適当な場所で右に折れ、ブナ林の中を進んでいくことにします。
まぁ、コースなんて有って無いようなものなので適当に(笑 天気もいいですし…ね。
 
まだ誰の足跡もないバージンスノーの雪面を進んでいきます。
まっさらな雪面にトレースを刻んでいくのって気持ちいいですね音譜
俄然テンションが上がってきます!
 
しばらく進むと、ぽっかりとブナ林が開けます。
上空を通る高圧線沿いにブナ林が伐採されているのです。
煩わしい高圧線ではありますが、自分の位置を確認するのには良い目印になりますね。
 
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そこからさらに進み、頂上へと続く尾根筋に向かいます。
高圧線あたりまで来ると、鞍部を視認することができますのでコレを目指します。
鞍部に登ると、紫波三山などが一望できるポイントとなります。
 
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ここまでブナ林の中という狭い空間だったので、一気に視界が広がったような感じで爽快です。
もっと景色を見ようと尾根筋ぎりぎりまで進んだところで、
ふと横を見ると雪庇が張り出しているのが目に付きました。
…ということは、今自分がいるのも雪庇の上…
あわてて後ずさりました(汗
 
あぶないあぶない。
景色に見とれてうっかり忘れていましたが、ここは雪山。
尾根筋では足下に気をつけなければいけません。
こんな基本中の基本を忘れるようでは、一人前の雪山ノボラーにはなれませんね…。
 
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一休みしたあと、尾根沿いに山頂を目指します。
さっきの「うっかり」を教訓に、今度は林の際をトレースしながら進みます(笑
 
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標高が上がるにつれ見渡せる範囲が広くなり、
「いかにも雪山」な景色になっていきます。
 
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ところどころに吹きだまりができていて、これが難物です。
柔らかい雪の下に固く凍った雪が隠れているので、踏ん張りも効かず、さりとてスノーシューの爪もたたず…。
何度か足下にプチ表層雪崩を発生させずり落ちたりしました。
三歩すすんで二歩さがるぅ~
 
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いよいよ目指す貝吹岳の姿が見えてきました。
今までいくつか冬山に登ってきましたが、その大半が林間の雪面歩きでした。
このような開けた場所を歩くのは…高下岳以来じゃないですかね~。
わくわくします
 
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稜線に近づくと巨大な雪庇が見えてきました。
その下に生えている木と比較すると、より一層巨大さがわかるというものですが
こんな大きな雪庇、生で見るのは初めてです。
そして、あの上あたりを歩くんですね!
やっべ、ドキドキしてきました!(笑