2009年9月6日、湖のざわめきとタープを通して降り注ぐ朝日で目が覚めました。
宇樽部キャンプ場で迎えた朝です。
ううう、ちょっと頭が痛い…。飲み過ぎました…。
 

…というわけで、5時には起きていたのですが、なんとなくダラダラしてしまい
キャンプ場を撤収したのは、なんと10時!
今日は、これから戸来岳に登ろうと思っていたのですが、ちょっともうそんな時間ではなくなってしまいました。
しばし悩んだ結果、宇樽部のすぐそばにある「十和田山」に登ることにしました。

 

十和田山の登山口には車を停めるスペースがないので、
国道103号と454号がぶつかる交差点にある駐車スペースに車を停めます。
ここにはトイレもあり、近くに商店や自販機もあるのでベースとしては良い場所です。

 

ただ、ここで山に登る支度をしていると
「あいつら、こんなとこで何やってるんだ?」という視線にさらされます(^^;
この日も、トイレ休憩に立ち寄った観光バスの中から好奇の視線にさらされました。
まぁね、確かに登山口でも何でもないところですからね。

 

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駐車場から103号を子の口方面に歩いていきます。
しばらく行くと103号が大きく左にカーブを切っていく場所があるのですが
そこは直進して、細い生活道路に入っていきます。
…ん~、何年か前に、ここを通りかかったときは
小さな「十和田山登山口」の看板があったような気がしたのですが、何も見あたりませんね…。

 

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小さな集落の中を歩いていくと、左側に登山口があるはず…なんですが
それらしい道も、道しるべも何にもありません。

 

おかしいな?と思っていると、一軒の民家から出てきたおばさんに声を掛けられました。
そのおばさんは、私達の熊鈴の音を聞いて、わざわざ家から出てきてくれたのですが
十和田山登山口を示す看板が昨年撤去されたという衝撃的な事実を教えてくれました。

 

ほれ、そこが登山口だよ、と指し示された場所は、どう見ても畑のあぜ道
あるいはビニルハウスに向かう作業道にしか見えません。
これは初めてきた人は絶対に分からんわ!

 

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おばさんが言うには「山に入って遭難されると困る」という理由で行政が撤去したのだとか。
なんて典型的なお役所仕事(^^;
看板が撤去されて以来、登山道をさがせずに右往左往する人が続出。
そのたびに道を尋ねられたり、こうして教えたりしているのだとのこと。

 

山に行きたい人がかわいそうだし、私もいっつもこうやって教えるのも大変だから
看板を元に戻すように役場に言うわぁ、とも。
いやぁ、ぜひ言ってやってください。道しるべを撤去するなんてどういう了見なのかと。

 

親切なおばさんのおかげで、無事に登山道を見つけることができました。
いったん道に入ってしまえば「十和田山→」という標識がいくつか立っているので
迷うことはないですが、道は本格的な山に入る前に「花鳥渓谷」という施設内を横切ります。
この花鳥渓谷という施設も数年前に閉園になっており、
このあたりの事情も管理責任などについて、問題を複雑にしているのかもしれません。

 

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道はみつけたものの、こうなると別の不安が頭をよぎります。
つまり、登山道が廃道化しているのではないか、ということです。
行政はどうやら見放したっぽい。
敷地内に登山口を持っていた「花鳥渓谷」も閉園した。
さて、登山道の維持管理は誰が?という話です。

 

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なんとなくいやな予感はあったものの、無事に登山口がみつかったので
まずは行けるところまで行ってみよう、と言うことで出発~。
どうでもいいですが、コポさん達は会うたびに装備が充実していきますね。
これは本気でハマった、という事でいいんでしょうかね?(^^)ニヤニヤ

 

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まずは薄暗く、しめった谷間を行きます。
…すでに道は両側から笹藪の浸食を受けており、細く頼りない踏み跡が延びていきます。
案の定、刈り払いなどは入っておらず、歩く人も少なそうです。
ここも一応「元」東北百名山なんですがねぇ…。
今は選から漏れていますが。

 

谷間の地形は最初だけで、すぐに尾根筋にとりつきます。
ただ、足下は乾いたかんじになるものの、藪の浸食は強さを増します。

 

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途中、何カ所も倒木が道をふさいでいました。
古い物には、チェーンソーなどで撤去した跡が残っているのですが
ある時期を境に道の手入れが行われなくなったようで
倒れてからだいぶたった木でさえ、そのまま放置されているような状況です。
ああ…いやな予感が当たりつつあるなぁ…。

 

大きな倒木をよじ登り、くぐり抜けするたびに藪の密度が濃くなっていきます。
最初膝下だった藪が、腰の高さになり、胸の高さになり
ついには背丈ほどの高さになっていきます。
次第に無言になっていくヘロヘロ隊(^^;

 

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山頂直下のえぐれた登山道。
この先の藪が一番ひどく、密度の濃い笹と、松や山桜の矮化木が入り交じり
登山道を歩くというよりは、藪の中をこぐ…というより藪の中を泳ぐといった感じ。

 

進むのも嫌だけど、立ち止まって休むのも嫌、という救われない状態になり
一時も早く頂上に立って、とっとと帰ろう、と途中からそんなことばかり考えていました。
帰ってきてびっくり、あまりにも辛すぎて写真の一枚も撮っていませんでした。

 

13時、ようやく山頂に到着。
見て下さい、このやられっぷり(^^;

 

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藪なんて大っきらいだ!!!

 

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やっとたどり着いた山頂。
景色はというと…う~ん、微妙…。
昨日の十和利山より十和田湖に近いはずなんですが、低木が邪魔をしてあまりよく見えません。
そのほかの方角も、あまり眺めが良いとは言えません。
…これは、百名山からはずされるのもうなずけるかなぁ…。
山上から十和田湖を眺めるなら、十和利山からのほうが良いですしね。

 

あ、ちなみにですね、写真手前に藪が見えますね?
そこ、登山道ですから。
ええ。まったくただの藪にしか見えませんが、登山道ですから!

 

途中で休むような場所がないため、山頂でありったけのエネルギーを補給し
下山は一気に駆け下りました。
藪をかき分けるのも、下りは重力を利用できるため、登りほど苦痛ではなかったですし。

 

登りに2時間以上かかったところを、くだりは1時間弱で下りてきました。
全員一致団結して「早く帰りたい」と頑張った成果でしょうか…。
藪から抜け出て、娑婆に帰り着いた瞬間のあの開放感…。
いつもとは別の意味で快感を味わいました(^^;

 

十和田山の感想、ですか?
…もういい…に尽きますかね(笑

 

いや、でももしかしたら別の季節に行ったら、良い山なのかもしれません。
決して貶しているわけではないので、十和田山がお好きな方がいらっしゃったら
誤解の無いようよろしくお願いいたします。
とにかく、藪が嫌いな我々。夏の十和田山はもういい! ホントごめん!
勘弁して下さ~い!!!

 

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