
西勇輝投手が8日、ソフトバンク最終戦で史上76人目、通算87度目のノーヒットノーランを達成。平成生まれでは初めての快挙を成し遂げた。許した走者は四球による1人だけ。この日が引退試合だった小久保裕紀内野手も問答無用の3打数無安打に抑え込み、主役の座を完全に奪い取った。
緊張はない。代名詞のスマイル投法を最後まで貫いた。次代のオリックスを背負う21歳右腕が、最終戦で大仕事をやってのけた。109球目、外角スライダーで松田を遊ゴロに仕留めると、マウンドに歓喜の輪が広がった。4年目の西が今季8勝目を、史上76人目のノーヒットノーランで飾った。
「小久保さんの引退試合だったんで、どう喜んでいいのかわからなかった。大引さんとか集まってくれたので、やっと喜べました」
平成生まれとしては史上初の快挙。だが、歴史的偉業にも、直後は喜びと戸惑いが錯綜した。小久保のフィナーレを見届けるため集まった3万8561人超満員のヤフードーム。だが、この日朝、新聞で読んだ「ガチでやってきてほしい」という小久保の一言に刺激され、主役を西がまんまと奪い取った。
「きょうはどんな球でもストライクが取れた。(伊藤)光さんのリードもよかったし、コントロールがよかった」
1歳上の女房役・伊藤に配球をすべて任せた。西はさまざまチェックポイントをマウンドでつぶやくが、この日は「1球、1球、集中」を念じた。五回一死で松中に投じたフルカウントからの外角スライダーがわずかに外れ唯一の走者となったが「(球審が)手を挙げてくれてもよかったと思うんですけど。駆け引きなんで」。これぞ後に引かない“新人類”だ。
球団では来季の投手コーチ就任が決定している佐藤義則氏=現楽天投手コーチ=以来、17年ぶり。その原動力は、チームを去った指揮官への思いだった。
「岡田監督に申し訳なかったです」。プロ未勝利だった昨季、先発ローテに抜てきしてくれた。初登板で白星を挙げ10勝をマークしたが、今季は途中離脱もあり、チーム最下位の一因にもなった。だからこそ来季への飛躍を見せたかった。
試合後には就任会見直前の森脇新監督から「新しいスタートだな」と声をかけられた。最後の最後でみせた熱投劇。有終の美で、新指揮官の船出に花を添えた。








