基本は善良な市民、いわゆる「いい人」達なのだろうとは思う。けれども、その中心には、大抵「プロ市民」⎯⎯「何であれ反対する」のが仕事であり、趣味であり、生きがいでもある⎯⎯が、いたりするもので。
「それって、個人の感想でしょ」と言う人もいるでしょうけれども、もう、ぶっちゃけちゃいます。
●“漁夫の利”市長
得票率36.40%、間違って市長になってしまった長坂なおと氏。
「新アリーナ計画の中止(契約解除等)」以外、これといった理念もビジョンも持ち合わせていない(どこかから引っ張ってきた、何となくそれっぽいことを並べているだけの)人でございます。
かつて「(米軍普天間基地移転先は)国外。最低でも県外」と(無理筋、無責任な)「公約」を掲げて首相になった人と、よく似ているようなそうでもないような。
彼のお陰で、いや、せいで、豊橋は、ちっとも「楽しくない街」となっております。
大人が楽しくないのに「楽しい子ども時代をすごせる豊橋」など、望むべくもないだろうという話で。
●「本当の無所属」?
「本当の無所属」をウリにしてますが、彼に投票した人の多くは共産党、れいわ新選組、等の支持者、及びそっち系の、いわゆる市民団体・市民グループに関わっている人達とそのお友達。
言ってしまえば(ここのところ退潮傾向にある)「オール沖縄」な感じでしょうか。
加えて、市長選の2週間前にあった衆院選における既成政党離れの空気にアテられ、何となく自民党・公明党を避けたという人達も相当数いたのだろうと思います。
ということで・・・
こちら、そういった「実像」が垣間見える記事ですが、例によって、茶々・・・じゃなくて、私なりの解説を加えておきます。
(中日新聞2/5-13東三河版)
豊橋市が契約解除への手続きに入った多目的屋内施設(新アリーナ)計画を巡り、推進派の市議らが4日、記者会見を開き、必要性を強調したチラシ配布や住民説明会の開催を発表した。反対派の市議らも市民グループと連携するなどして計画の問題点を指摘するチラシ配布や説明会を検討している。計画の先行きが不透明さを増す中、市民を巻き込んだ”多数派工作”が激しくなりそうだ。(小山豪、坪井千隼)
このリードからしてミスリード。
契約解除への手続きには入ってません。令和6年11月21日に「契約解除の申し入れを行い、契約解除に向けた協議を開始する旨の通知をしました」という段階から、ちっとも進んでおりません。
何故かと言えば、解除に向けた協議を開始しなければならない事象が、現在の豊橋には無いからです。「計画中止を公約に掲げて当選した」は、契約上、解除理由になりません。
それでも、市側から中止にすると言い続けるのであれば、それはもう契約不履行・契約破棄。事業者と裁判で争い、逸失利益のみならず損害賠償も覚悟しなければならないでしょう。
●市議会と市長との“ねじれ”
チラシは4ページで1月末に戸別配布を始め、2月中旬にかけて市内約8割に届く見込みという。「新アリーナ計画ってアリーナだけではありません!」との見出しを付け、多目的広場や武道場整備などを含む計画の全体像や地域活性化などの利点、契約解除に伴う懸念点などを紹介する内容だ。制作や配布などの費用は各市議の政務活動費や私費で賄うという。
説明会は3月に市内6カ所で開く。市議らが計画を説明し、質疑に応じる。事前申し込みは不要。
会見で伊藤哲朗議員(自民)は「正確な情報を広く、多くの市民に届け、疑問や誤解を解消してほしい。計画の必要性や重要性、意義について理解してもらえることを期待する」と説明。「本来は市主導でより分かりやすい説明をすることが必要。するべきだと訴えてきたが、行われていなかった」とも述べた。
そう。そうなんです。
実際「新アリーナ=230億円」と思い違いしている人がかなりいるのだけれども(わざと、そういう印象を持たせようとした人々がいるからなんだけれども)。
新アリーナ、を含む多目的屋内施設、を含む豊橋公園東側エリア全体の整備、30年後までの運用ひっくるめて230億円ですから。
〈「本来は市主導でより分かりやすい説明をすることが必要。するべきだと訴えてきたが、行われていなかった」〉は、ホント、そのとおり。前市長だった浅井さんの、あまりにも大きな落ち度です。
それもあって、前市議会議長の近藤さんが立候補、推進派分裂→反対派“漁夫の利”当選、という流れになってしまった・・・
●朱に交われば赤くなる・・・
反対派市議もチラシ配布や説明会を検討している。
長坂尚登市長が市議時代に所属した会派「新しい豊橋」代表の菅谷竜議員は「市民グループや市民有志と連携し、集会やチラシ配布などで計画の問題点を訴えていきたい」と語る。計画に懐疑的な市民らが2024年末に市民団体「豊橋公園の緑を未来につなぐ市民の会」を結成し、3、4月ごろ集会を開くほか啓発チラシの配布も予定しており、同会派も連携していく方針という。
〈長坂尚登市長が市議時代に所属した会派「新しい豊橋」代表の菅谷竜議員〉は、れいわ新選組の人。彼が「市民グループや市民有志と連携」すると言っているのです。
かつ「計画に懐疑的な市民ら」が結成した「豊橋公園の緑を未来につなぐ市民の会」(この名前からして胡散臭い、と私などは感じてしまうのだけれども)とも「連携していく方針」なのだそうな。
同じく計画に反対する共産党市議団の団長、鈴木みさ子議員は「費用面や内容など全てにおいて、市民への説明がなく進めてきた計画」と主張。会派独自の説明会や市政報告チラシで計画の問題点を伝えていくほか「市民グループや他会派と、連携できるところは連携していきたい」という。
でもって、共産党市議団も、これまた「市民グループ」と「連携できるところは連携していきたい」と。
●非はいずこに?
新アリーナは市が豊橋公園内に27年度完成を目指し、24年9月に民間事業者と約230億円の整備運営契約を締結。計画中止を公約に掲げて初当選した長坂市長が解約に向けた協議を事業者側に申し入れたのに対し、市議会は解約にも議決を要する条例改正案を再議を経て再可決し、長坂市長が議決を取り消す知事裁定を求めて19日までに審査を申し立てるかどうかが焦点になっている。
記事末尾、再度ミスリードをかましてますね。予備知識無しにこれを読めば、新アリーナだけで230億円みたいに思うでしょう。
こういうの、ホント、よろしくないです。
2つ目の文は長くて分かりづらいのですが・・・
議会の議決を必要とした契約なのだから、そりゃ、市長が議会に相談もせず、いきなり解除(は無理筋なんだけど)に動くのは、そりゃオカシイと思います。
「ふつう(≒社会通念上)は」しません。
「社会通念上しない」ことは明文化されてないのが「ふつう」。
なのに、明文化されてないからそこを突くという◯カがいる。だから、だったら明文化する(条例に書き込む)よ、という話になるのです。
ま、心配しなくても、長坂氏は期限いっぱい19日になるのを待って審査を申し立てるのでしょう。
市側からの契約解除はできない以上、可能な限り工事中断を引っ張って(その分のコストは、結局市(民)の負担になるのですが)、業者がしびれを切らすか、あるいは、Bリーグが三遠ネオフェニックスのBプレミア・ライセンスを取り消すか、いずれかにならないかなー、くらいに考えているのでしょうから。
●アリーナだけじゃない!
ところで、推進派議員が「必要性を強調したチラシ」というのが、こちらです。
市長不信任からの再選挙か、あるいは住民投票になるのか、いずれにせよ「正しい理解」は必要ですから。
●対案のない反対は・・・
この際、反対派も「多目的屋内施設及び豊橋公園東側エリア整備・運営事業計画」のダメ出しにとどまらない「代替案」を示してくれたら良いと思います。
まさか、この期に及んで「今の豊橋公園」が対案なんて言いませんよね? チラシの「Before」にあるとおり、いずれの施設も老朽化著しく、今のまま、なんてありえません。
お得意の「大幅改修」で来るかな。でもさ、それって、長期的に見て、本当に節約になるんですかね。
「緑豊かな豊橋公園を未来へ残すため、憩いの場として今ある木々には手を付けません」とか、空恐ろしいことを言わないよう願いたいです。
そういうのは公園西側エリア(下写真左側)が担っていて、此度の計画とは関係ないんですから。
https://www.city.toyohashi.lg.jp/secure/106201/keikaku2.pdf
多目的屋内施設整備基本計画(令和5年8月 豊橋市)
●今や争点は、契約履行 or 契約不履行・破棄
ところで、引用記事中で紹介(?)されていた「豊橋公園の緑を未来につなぐ市民の会」ですが、[X]においては、基本、リポストで語る、のようです。
こんなのがリポストされてました。
息子からの質問
— キリン@ボードゲーム好き (@usagi93786621) February 3, 2025
「なぜこのチラシには、契約解除したときのデメリットしか聞いてないの?」
そうだよね・・
契約解除した場合のメリットもあるはずなのに、推進派が考えるデメリットだけを掲載している。
アリーナ建設したって「にぎわいの好循環」ができるとは限らないのに🙄#豊橋新アリーナ pic.twitter.com/A971wKb8bD
「は?」ですね。
(書かれていることが事実だとして)息子さん、何歳なんでしょう。
「なぜこのチラシには、契約解除したときのデメリットしか聞いてないの?」
という質問ができるくらいだから、そういうお子さんには「これは計画推進(契約履行)派のチラシだからだよ」と答えてあげれば、それで良いんじゃないかな。
アナタだって「(反対派は)アリーナを建設した場合のメリットもあるはずなのに、反対派が考えるデメリットだけを言っている」なんて指摘されたら、そりゃ笑うしかないでしょ?
実際、新アリーナ建設反対派が、建設のメリットを挙げてるとこなんて、見たことも聞いたこともありませんし。
契約解除が本当にできるとして(私は無理筋だと考えてますが)、そのメリットを示すべきは、まず、新アリーナ反対、計画中止、契約解除(というか不履行、あるいは破棄)派のお仕事ですよ。
確かに〈アリーナ建設したって「にぎわいの好循環」ができるとは限らない〉。けれど、建設しなかったらもっとできないからね。
こんなのも。
仮に法に「抜け穴」があるとして、その穴を条例で塞ぐのでしょうか?
— S4H (@Ju5kmHntTrrFQxX) January 15, 2025
条例を改正しない市町村は、法の「抜け穴」が存続し続けるのでしょうか?
「抜け穴」を塞ぐ方法は、法の改正によるものだと思います。
良い子は「抜け穴」を抜けようとはしないものです。
元ポスト。
解釈の違い、で争う、ということは、違法性と適法性のぎりぎり(グレーゾーン)を攻めている、ということ。こういうことを議会でやってよいのだろうか? 議員にとっては出来ることをやっているのだろうか、市民はそんな議会運営を求めていないのではないか。#豊橋市議会
— 豊橋新アリーナを考える会 (@gotoyohashi) January 15, 2025
そういうのを先にかましたのが長坂氏。市民は、少なくとも私は、そんな市政運営を望んでおりません。
ちなみに「豊橋公園の緑を未来につなぐ市民の会」さん、何故か、こんなのもリポストしてました・・・
伊藤詩織さんのドキュメンタリー、米アカデミー賞の候補に https://t.co/Cm4dA3asEA
— 朝日新聞(asahi shimbun) (@asahi) January 23, 2025
第97回米アカデミー賞のノミネート作品が23日発表され、性被害を実名で告発したジャーナリスト伊藤詩織さんが監督した「Black Box Diaries」が、長編ドキュメンタリー賞にノミネートされた。
この「市民団体」の傾向を、もっと知りたいという素晴らしい方は、しばし、なぞってみましょう。
(↓)豊橋公園の緑を未来につなぐ市民の会