「国が遅いだけ」⎯⎯いやいや。少子化の原因、それが止まらない理由の半分以上は東京の責任だから。

 

 

新年早々「あらら」と思った人も多いのではないでしょうか。

 

 

●異次元というか、異世界の人?

 

いささか旧聞に属する話ですが、岸田さんの年頭記者会見から(例によって太字、赤字は引用者)。

 

 

 しかし、こども家庭庁の発足まで議論の開始を待つことはできません。この後、小倉こども政策担当大臣に対し、こども政策の強化について取りまとめるよう指示いたします。対策の基本的な方向性は3つです。第1に、児童手当を中心に経済的支援を強化することです。第2に、学童保育や病児保育を含め、幼児教育や保育サービスの量・質両面からの強化を進めるとともに、伴走型支援、産後ケア、一時預かりなど、全ての子育て家庭を対象としたサービスの拡充を進めます。そして第3に、働き方改革の推進とそれを支える制度の充実です。女性の就労は確実に増加しました。しかし、女性の正規雇用におけるL字カーブは是正されておらず、その修正が不可欠です。その際、育児休業制度の強化も検討しなければなりません。小倉大臣の下、異次元の少子化対策に挑戦し、若い世代からようやく政府が本気になったと思っていただける構造を実現するべく、大胆に検討を進めてもらいます。

 

 

 

首相曰く「(少子化)対策の基本的な方向性は3つ」だそうで。

 

1.児童手当を中心に経済的支援を強化

 

2.幼児教育や保育サービスの量・質両面からの強化

  全ての子育て家庭を対象としたサービスの拡充

 

3.働き方改革の推進とそれを支える制度の拡充

  育児休業制度の強化

 

 

「はあ、まあ、そうですね」くらいにしか・・・

 

 

なるほど「異次元」とか「本気」とか「大胆」とか、威勢のいい言葉が織り込まれてはいます。

 

けれども、つまりは「検討」するってことで、しかも自ら「する」のではなく「進めてもらいます」で終わるという、何とも締まりのない話です。

 

 

●異次元というか、低次元の人!

 

そしてこちら、例によって「国よりやってる」アピールに余念のないお方です。

 

 

「(Q.結果的に国に先駆けた形になっていますが、国より早くというような狙いはあったのでしょうか?)そうではなくて、国が遅いだけの話です。国に先駆けてというか国を牽引するような形で今回1.6兆円を投じる」

 

 

 

マスメディアが、いわゆる「世論」を反映しなくなって久しいので、実際のところ、彼女の評判は良いのか悪いのか分からないのだけれども。

 

正直言って「五十歩百歩」もしくは「目糞鼻糞を笑う」みたいな感じですかね。

 

 

一応、原典に当たってみます(太字は引用者)。

 

 

【記者】すいません、TBSの佐藤です。よろしくお願いします。今、お話にもあった少子化対策や子育て支援の件なんですけれども、結果的に国に先駆けた形になっていますが、国より早くというような狙いはあったのでしょうか。

 

【知事】そうではなくて、国が遅いだけの話です。さっき申し上げましたように、ポイント・オブ・ノーリターン。こうなってからでは、女性の数が少なくなるとその分、子供さんもなかなか生まれないわけですよね。そういう中でずっと議論ばっかりしているということでは、間に合わないということもあって私、知事になり、かつこれらのこと、待機児童という言葉を死語にすると言って、今、間もなくそれが達成されつつあります。よって、国より、というのではなくて国が遅いと。その一言です。

 

【記者】ありがとうございます。

 

【記者】TOKYO MXの白井です。よろしくお願いします。また少子化対策で恐縮なんですけれども、新年度、5,000円の給付でしたり、第二子の無償化でしたり、新たな独自の政策を打たれることですが、政府は異次元の少子化対策と銘打って新たな対策案を出していますが、今回の東京都独自のこの政策について、ずばり名前を付けるとしたら、どのような少子化対策となるんでしょうか。

 

【知事】少子化は一つの政策だけでは対応できないと思います。既に東京都でこれだけ様々打ち出しておりますけれども、ニーズはその人によって違ってくるわけであります。最近私、直接聞くのは、子育てやこれから結婚するとかそういう世代の方の話もそうなんですけれども、おじいちゃん、おばあちゃんが、次の世代のこと結構考えてくださっているわけで。これでずいぶん助かるよとか、出会いがあればいいねとか、非常にそういう多くの世代の方々に、今回、既に響いているのではないかと思います。この少子化対策の話して、色々と予算案やキャンペーンなどに申し上げると、そこじゃないとか、それだけではなくて実はこっちだって、ずっとその話をぐるぐるぐるぐるやって何十年経ってるんですか、という話ですね。例えば、住宅。今回、都営住宅やJKK含めて、そういうヤングカップルに対しての戸数を一定数確保すると、約300戸、毎年。だからできますと10年経つと2,500(戸)から3,000(戸)ぐらいは若いカップルが入れるようにすると。ですから、結婚してじゃあどうするんですかって言ったら、住む場所がないからと。よって色々な現象がありますので、ただ一言で言うならば東京都の少子化対策だと思いますけれども。ただその意思がしっかりと伝わるようにするっていうのは、今回の予算という数字に表れる我々の意思ということで、それを皆さんと共有していきたいというふうに思っています。

 

 

 

う〜ん・・・「そういうことじゃないんだよなあ」と言うか、「そういうとこだよ」と言うか・・・

 

 

●お金は必要。けれどお金だけでは・・・

 

政府にしろ東京にしろ、対策・政策としては、どうしたって経済的、物的・人的支援という方向になるのは仕方ないことで。

 

実際、それはそれで必要なんだから良いんですけれども。

 

 

ただ、今、現に、子育てしている人にとって、まあまあ有り難いことでも、じゃあ、ソレがあるなら結婚しよう、子供たくさんつくろう、という気になるかと言えば、それとこれとは別次元の話だという気がします。

 

つまり、アナタご自身、月々5,000円で子供産みますかって話です。

 

 

端的に言えば・・・

 

月々の5,000円より、5分で良いから1人でトイレ行かせて。30分で良いから1人でゆっくり食事させて。1時間、2時間で良いから1人で買い物行かせてください。

 

・・・みたいなところに、子育ての本当の大変さがあって。

 

 

ぶっちゃけ・・・

 

ずっとワンオペなんてキツ過ぎる。仕事と子育ての両立とか相当にスーパーなことで、誰もができることじゃない。

 

・・・というところを、ちゃんと踏まえて議論しないと変化は起きないでしょう。

 

正社員のまま出産育児休暇を気兼ねなく取れるようにするのは必要だし良いのだけれども、それとは別に、結婚、出産育児後、30代後半・40歳代からの正社員就労がもっと一般化されることの方が重要。自分の思い通りにいかないマルチタスク経験者は、そこら辺に転がってる呑気なオッサン達より、はるかに貴重で使える「戦力」になると思う。

 

 

結婚はともかく・・・

 

2人、3人と子供を持つためには、祖父母や近隣住民の理解と協力は不可欠。でもそれは、純然たる「都会の核家族」にとって、かなり難しいことです。

 

したら、現今の少子化は、若者達を「田舎」から吸い上げてきた東京の責任であって(もちろん、小池さん1人のせいではないけれども)、そこをスルーしておいて、ちょっとばかり予算を付けたくらいで胸を張られてもな、と思わずにいられません。

 

 

●ネガティブキャンペーンは止めて

 

にしても、産休・育休ハラスメントとか、子育て鬱からの虐待とか、保育園・幼稚園や公園の騒音問題とか、そういう「不幸」を大々的に報道するのは、何とかならんものでしょうか。

 

ついでに、赤ん坊泣かすなとか、ベビーカー邪魔とか、妊娠くらい(!?)で優先席使うなとか。

 

 

こういうのは「因果関係を証明できない」のだけれども、日々、結婚や育児に関するマイナス面ばかり見聞きしてたら、若者達が色々と消極的になるのも、そりゃやっぱり無理はなかろうってもんです。

 

 

統計的なことはさておき、結婚して上手くいってる夫婦とか、2人、3人と子宝に恵まれた家庭とか、ちゃんとあるんですから、そういう人達の「幸せ」を、もっと言葉にしていきましょうよ。

 

こういうことを言うと、すぐ「結婚・出産しない人を責めることになる」とか「それで傷つく人がいる」とか突っかかってくる人がいて困ってしまうのですが・・・

 

 

普通とか当たり前とかは言いません。

 

が、それでも、結婚とか出産とか、したらした分、「おめでとう」と「ありがとう」があります。良いこと楽しいこと、沢山あります。

 

「ああ、生きてるなあ」とか、「生きる意味ってこういうことかもね」なんて思ったりすると時もあります。

 

 

しばしば引かれるので、ご存知の方も多いことでしょう。

 

旧約聖書の申命記・八、新約聖書のマタイ伝・四にあるものです。

 

 

「人はパンだけでは生きず、人は主の口から出るすべてのことばによって生きることをあなたに知らせるためであった」

 

 

ちなみに、ちなみにですが、

 

ワタクシ(豊橋市民)の長女さん、一昨年結婚して昨年1人目産みました。

 

 

で、これはたまたま。

 

「調査項目とランキング基準」しだいで変わったりするものなんで、あまり当てにはなりません。でも、まあ、気分は良いです。

 

 

 2015年から毎年実施し、今回で8回目となる本調査。調査項目とランキング基準では、認可保育所や学童保育といった「子育て関連施設(インフラ)」の充実度に加えて、自治体独自の不妊治療助成や2人目以降の子育て支援など「少子化対策に力を入れているか」という点を今年は重視しました。

 

 「女性のキャリア支援」「市区役所の男性正規職員の育休取得率」「移住する子育て世帯への支援策の内容」なども含め、共働き夫婦が出産・子育てしやすいかという観点から計45の評価項目を作って採点し、合計得点(100点満点)で総合ランキングを作成しました。

 

 

 

 

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少子化対策関連で、そこそこ納得した記事。

 

少子化対策としては、やはり若者の雇用、所得など生活の安定を図るのが王道で、そのためには社会保障のスリム化などによる手取り所得の増加策が不可欠。若者の社会保険料負担を1万円減らせば手取り所得が確実に1万円増えるのだから、なぜ、政治家がこの問題に真正面に取り組まず、枝葉末節の対策ばかりドヤ顔で打ち出すのかが理解できない。取って配るのは対処療法に過ぎず、それだけでは豊かにはならない。

 

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一番の少子化対策は、子育て家庭に配る金額の多寡を競うことではなく、若者から必要以上に取らないで自由に使える額を増やすこと、そして戦後日本の犠牲として切り捨てられた団塊ジュニア世代の老後の保障をいかに図るか、つまりは、団塊の世代がひたすら自己保身のために実現できなかった、スリムで効率的な社会保障制度の確立にほかならない。

 

 

 

 

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安全でおいしい鶏肉、鶏卵

鳥インフル制限解除受け 浅井豊橋市長がアピール

 

・・・って言うんだけれども。

 

(東愛知新聞1/12)

 

 

昨今、しばしば・・・

 

政治家がこういう「パフォーマンス」をして見せてくれるのだけれども、需要・消費喚起という意味で、ホントに効果があるんですかね。

 

 

そんなんするくらいなら、初めから不安や恐怖を煽るような報道しないで、静かに(!)出荷停止措置とかだけしとけば良いのにって思います。

 

さすがに放っておくのは無理だとしても。