それはイジメか全体主義か。またひとり、異能の人が干され消されていく。
(『すごい言い訳!』谷崎潤一郎から有夫の女性根津松子への手紙より)
ウチのカミ様はカマキリ先生が好きである。
その溢れ出る昆虫愛が超絶愛しいのである。
中の人の、
その女癖悪かろうが、
その酒癖が悪かろうが、
興味がないのである。
どうでも良いのである。
人は誰でも、
裏の顔があり、
何なら夜の体があるのである。
天才、異才、鬼才・・・
凸が溢れ出る人は、
時に凹を制御できないだけなのである。
ほとんどの人が、
清廉潔白だけでは生きられず、
佞悪醜穢(ねいあくしゅうわい)な部分を飼っているのである。
にも関わらず、
シレッと生きていられるのは、
凡人のそれは、
いずれも目立たないからと言うに過ぎないのである。
その自覚が無いからか、
あるいは在り過ぎるからからなのかは知らないけれども、
人の顔に表と裏とがあること、
体を昼と夜とで使い分けること、
それを良しとしないのが正義だと信じる者達がいるのである。
その正義に便乗して稼ぐ人がいるのである。
彼らは味方と敵としか認識できず、
シンパとアンチとの間を極端に行き来するしかできないのである。
小さな自分を承認してもらうために、
常に生贄を求め狙いを定め、
勝手に抱いた「イメージと違う」と嘆き、
「子供たちへの裏切り」を騙るのである。
自らのちっぽけな欲求を満たすために、
彼や彼女の、
彼らや彼女らの存在を否定し居場所を奪うところまでいかないと、
気が済まないのである。
カマキリ先生の中の人が、
アナタ自身に何かしましたか?
カマキリ先生の中の人が、
「反社会的」存在として「社会的に」葬られることで、
アナタが幸せになるんですか?
まあ、良いでしょう。
でも、だったら、
アナタ個人がカマキリ先生を見なければ良い。
アナタ自身の中からカマキリ先生を排除すれば良い。
ウチのカミ様はカマキリ先生が好きである。
その溢れ出る昆虫愛が超絶愛しいのである。
アナタにそれを否定する権利はないし、
アナタにその機会を奪われるいわれもない。
そのつもりがなくても目に入るし耳に届くですって?
いやいや、
「視れども見えず聴けども聞えず」と言うではないですか。
人の心を何処かに置き忘れた、
アナタの得意とするところでしょう。
NHKが、トヨタが、その他諸々が、
一々「反応」してくれるからアナタは嬉しいんですよね。
でもアタシは哀しいんです。
バカバカしいんです。
ウチのカミ様が不機嫌で困るんです。
「こんなこと」で、
この先ずっとカマキリ先生に会えなくなるとしたら、
たとえアタシひとりでも、
アタシアナタを恨みます。
※香川照之の昆虫すごいぜ! | NHK for School
→https://www.nhk.or.jp/school/sugoize/
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この手の話、事実関係はあまり問題ではないようで。
それでも先方は、とにかく謝罪、削除、降板、中止を求め、それが実現するまでひたすら攻撃し続けるわけで。
(それでも、誰も相手にしなければ、いずれ静になる、と思いますが)
実際、此度の件にしても、とうに「取り下げられた訴え」(どういうカタチであったにしろ既に解決済みだった)に記載されていた「セクハラ被害」が発端ですしね。
したら、うっかり標的にされてしまったこと自体が不幸という他なく、もう、どんな言い訳も通じないんだろうな、と思います。
香川照之さんといい、旧統一教会といい、「反社会的」行為が取り沙汰される(された)人物、あるいは団体とは、一欠片の関わりさえ許さないというこの風潮、その行き着く先で誰か幸せになれるんですかね。
叶うものなら、中心で「愛」を叫ぶ輩を生暖かく見守りつつ聞き置く程度に留め、実のところ槍玉に挙げられた側の「言い訳」を愉しむくらいの余裕が欲しいですなあ。
冒頭引用は、こちらの本からです。
それぞれ「文くせ」が悪過ぎて、それなりに「すごい」です。
言い訳――窮地を脱するための説明で、自分をよく見せようとする心理が働くので、大方軽蔑の対象になる。しかし文豪たちにかかれば浅ましい言い訳も味わい深いものとなる。二股疑惑をかけられ必死に否定した芥川龍之介。手紙の失礼を体調のせいにしてお茶を濁した太宰治。納税額を誤魔化そうとした夏目漱石。浮気をなかった事にする林芙美子等、苦しく図々しい、その言い訳の奥義を学ぶ。
ちなみに、ウチの奥様、昆虫それ自体好きというわけではありません。
何であれ、好きが暴走してる様を見るのが好き、ということらしいです。
なので「マツコの知らない世界」も大層好きらしく、欠かさず視ている気配あり。
こちら、2年ほど前に書いたもの。
世の中、悲しくなるほどに変わりませんなあ。
思えば、ここのところの世の清廉潔白願望は凄まじく、薬物所持・使用等はもちろんのこと、不倫騒動とか、何なら(一定方向の)政治的発言ですら問題視され、居場所を奪われてしまうなんてことが、しょっちゅうありました。
しかも本人のみならず、番組や作品にまでその累が及ぶこともしばしばで、ホント、うんざりしてました。
そういう気分は、ワタクシだけではないと思います。
だいたい、作家(関係者)の人となりについてアレヤコレヤ言い出したら、音楽・美術を含め、あらゆる芸術作品のほとんどが「公開に相応しくない」ものになってしまいますよ。
彼らは、大抵ちょっとオカシナ人種なんです。故にこそ、その産み出すものによって人の心を揺らすんです。
文学なんて、その最たるもの。ことに名作を残し文豪と呼ばれている方々は、お金にルーズ、女にユルユル、そりゃあもうダメンズだらけ。
彼らを今基準で断罪していたら、世の中、確かにキレイにはなりますが棲みやすくなるとは限りません。
記事中で紹介していますが『眠れないほどおもしろいやばい文豪: こうして生まれたあの名作』という本もあります。
「おもしろい」と思うには、読む側に余裕が必要ですが、かなり「やばい」です。
いくら天才作家だからって、ここまでやっていいものか――?
誰もが知る文豪の「やばすぎる素顔」に迫る本。
酒も女も、挫折も借金も……全部、「小説のネタ」だった!?
「あの名作」は、こうして生まれた!
◇ハチャメチャな生き方で女にモテまくり!──太宰治
◇滅びの美学を表明! 「憂国」の天才作家──三島由紀夫
◇「狂気」に呑まれる前に死んでしまいたい──芥川龍之介
◇「女は『神』か『玩具』のいずれかである」──谷崎潤一郎
◇「知の巨人」は「痴の巨人」でもあった?──森鴎外
◇「東大教授の椅子」を蹴った理由は年俸額──夏目漱石
◇「文春砲」をつくった男の”男気“と”男色“──菊池寛
◇金の使い道の最善は「女へやる事」──直木三十五
◇「純愛一筋」から「火宅の人」に大豹変!──檀一雄
画家でも、天才と言われるような人はへっぱり変です。
「反社会的」な彼らの描いたものは、いずれ「善良な」人目には触れられないようになるんですかね。
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