差別につながる。全くもって仰るとおりなんですけれども。
⚫ 「新型コロナ」こそ、噂と憶測による「人禍」
例によって「知り合いくん」の話です。
勤めている会社でも新型コロナ「感染者」がポツポツと出ているそうな。
大抵は小・中学生経由の家庭内感染らしいのだけれども、なのに会社の「安全衛生」担当者が相変わらずピリピリしてて。
先日、改めて・・・
感染は主に会話による飛沫から。なので業務中の私語禁止。食事中も会話禁止。
・・・という趣旨の「お知らせ」があったそうな。
もともと会社敷地内は屋外であってもマスク着用なのだけれども、マスクしててもとにかく喋るなということで。
ついでのように・・・
噂と憶測が不安や偏見を生み、差別につながるので、要らんことを言わないように。
・・・的なことも書いてあったそうで。
まあ、何と言いましょうか、ワタクシの中では、
だらだら続く、この「新型コロナ騒動」自体が「噂と憶測」によるものでしょうがっ!
って感じなんですが。
すなわち「カクカクという例もある」とか「シカジカの可能性はゼロではない」とかで出来上がった、実態のないもの。
感染能力の有無・多少を問わず、何なら「偽」さえ含み、とにかくウイルスの断片が見つかりさえすれば「陽性」としてしまうPCR検査と。
本当の原因を問わず、検査陽性でありさえすれば「コロナ死」とする統計・報道と。
要するに「カクカクなんだって」あるいは「シカジカかもしれないよ」という噂と憶測レベルでできあがった「人災」であり「人禍」です。
⚫ それもこれも「デマ」?
ところで、いささか古い話ですが、こんな記事がありました。
感染拡大が止まらない新型コロナウイルスに対するワクチンについて、若い世代を中心に接種をためらう動きが続いている。一因は、会員制交流サイト(SNS)などで拡散されているさまざまなデマだ。容易に噓と見破れるものがある一方で、出産や健康にかかわるものは真偽の判断が難しく、不安に陥りやすい。デマにだまされずワクチン接種を推進するには、多くの人が情報の正しい見極め方を身に付ける必要がある。
こういう記事のいやらしさは「うん、そりゃ確かにデマだ」というものと、普通に「そうだろうか」と懐疑的になって良いはずのものとを混在させていることで。
そうしておいて〈厚労省が一般向けに分かりやすく説明している「新型コロナワクチンQ&A」や有志の医師らが正確な情報提供に取り組む「こびナビ」など、信頼できる情報発信サイト〉以外は、見ちゃダメ聞いちゃダメ信じちゃダメ、に誘導してるということで。
わりと最近では、(有料記事ですが)こんなのもありました。
日本国内で開設されたツイッターなどの複数のアカウントが、親ロシアへの世論形成に利用されている疑いがあることが、分かった。情報セキュリティー会社の調査で判明した。アカウント数は少なくとも20に上るといい、ウクライナ侵攻前から長期にわたってアカウントが育成されていたとみられるという。デマや陰謀論などの情報戦が世界中で激化するなか、日本国内でも親ロシア勢力の拡大が企てられている可能性がある。
これまた「いかにもデマでしょ」という例を挙げておいて「だから私(新聞)の言うこと以外は信用できませんよ」という方向へ持っていこうというね。
⚫ 「デマ」を信じ易い人?
さらに近いところでは、こんなものまでありました。
ロシアのウクライナ侵攻をめぐり、日本のツイッター上で「ウクライナ政府はネオナチ」という親露反ウクライナの投稿をリツイートしたアカウントの約9割が、過去に反新型コロナウイルスワクチン関連のツイートをリツイートしていたことが、東京大大学院の鳥海不二夫教授の分析で分かった。両者の親和性の高さが浮き彫りとなった。
それなりにデータを取って導き出したものではあるのでしょうけれども、いや、何ともかんとも。
「親露アカウントの9割、過去に反ワクチン関連ツイート」というタイトルで、まあ、それは確かにそのようで。
けれど、グラフをよ〜く見ると「ロシアを批判するアカウント」だって5割以上の人が「過去に反ワクチン関連ツイート」してるわけで。
というか、そもそも、新聞・テレビといった既存メディアが報じることに懐疑的であるか、あるいは、端から相手にしていないからこそ色々ツイートするわけで。
いわゆる印象操作というか、それこそ偏見を生む類のタイトルであるなあと。
だいたい、ワタクシみたいな、
ワクチンそれ自体に反対というわけではないけれども、此度コロナワクチンのように「新型」で「未知」なるものを、いきなり全ての人々に勧めることには賛成しかねるなあ。
くらいの考えの人は、どっちなの?
あるいは、
日本国政府として「ロシアによるウクライナ侵攻は国際法違反だ」として「反露」側に立つのは、そりゃ、それ以外の選択肢はないでしょう、と思いつつ、でも、そこに至る「前史」を考えると、どうなんだろうなあ。
的な、個人として一定の疑問も持ってる人は、どっちなの?
人間、皆が皆「親」と「反」と色分けできるものじゃないでしょう。
分かりやすく「彼」と「我」にカテゴライズすれば、思い悩む必要もないでしょうけれどもね。
鳥海氏は「物事の裏にある真実を知った、と思ったときには注意が必要。優越感をくすぐったり不安につけ込んだりする偽情報や誤情報も世の中には多いことを意識する必要がある」と注意を促している。
と記事は締めてますけど、いやいや「物事の裏にある真実を知った」つもりになっているのは鳥海さんご自身ではないですか?
「優越感をくすぐったり不安につけ込んだりする偽情報や誤情報も世の中には多い」のは、そのとおりです。
でもね、ネットに限らず、新聞、テレビだってそれは同じ。
というか、当初は「偽情報」や「誤情報」とされたものが、後に「真実」でした、となることも多々あるわけで。
いわゆる誹謗・中傷の類を制御・抑制するのは(その基準を何処に置くかという問題があるにしても)まあ良いでしょう。
しかしながら「事実に反する」から削除対象にする、というのは、より真実に近づこうとする人の存在を否定することに繋がるのではないですか?
⚫ 何にしても諸行無常(ちょっと違う?)
敵と味方は入れ替わり、真実とデマは逆転することもある。
味方のフリをした敵がいて、デマの中に真実が潜むこともある。
事実、真実、現実・・・似ているとも言えるし、全然違うと捉えることもできる。
知識、意見、人格・・・同じ人の属性ではあっても別のものだ。
知識なら、そういうこともあるのか、と受け入れれば良い。
意見なら、そういう考えもあるのか、と受け止めればい良い。
そして人格は、互いに認めるものではあっても攻撃するものじゃない。
あー、言うは易し、だなー。
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種々諸々、まさしく「差別に繋がる」な話。
[20日 ロイター] - テニスの四大大会の一つ、ウィンブルドン選手権を主催するオールイングランド・クラブ(AELTC)は20日、今年の大会からロシアとベラルーシの選手を除外すると発表した。男子テニスツアーを統括するATPと女子テニス協会(WTA)は決定を批判した。
英国は徹底してるって証? 善くも悪くも?
月刊誌「ウェッジ」5月号がウクライナ侵攻を特集してます。
ロシアのウクライナ侵攻は長期戦の様相を呈し始め、ロシア軍による市民の虐殺も明らかになった。日本を含めた世界はロシアとの対峙を覚悟し、経済制裁をいっそう強めつつある。
もはや「戦前」には戻れない。安全保障、エネルギー、経済……不可逆の変化と向き合わねばならない。これ以上、戦火を広げないために、世界は、そして日本は何をすべきなのか。
その中に、佐藤卓己さんの「真実分からぬ報道のジレンマ『あいまいさ』に耐える力を」という記事がありました。
ウクライナ戦争に際し、SNSでは情報が溢れているが、その多くは真贋が定かではない。言論や報道の自由があるからこそ真実が分かりにくいこのジレンマに、どう向き合うべきか。
というリードが付いてます。
ここでは、締めだけ引用しておきます。
私たちは「あいまい情報」に直面した場合、ネガティブ・リテラシーを意識しない限り、早く「分かろう」とするのが普通である。戦争報道では特に、私たちの「分かりたがる脳」はまず敵味方を識別して安心することを求めるが、何事においても「あいまいさ」に耐える力をもつべきなのだ。
ワタクシとしては、そうですね「今は、あいまいさを許してください」という感じでしょうか。
無期限に、いつまでも曖昧なままで良いとは思わないですけど。