“より良いインターネット社会実現のために”と謳う「一般社団法人セーファーインターネット協会」なるものがあるのだそうで。

 

 

 一般社団法人セーファーインターネット協会(Safer Internet Association, SIA)は、インターネットの悪用を抑え自由なインターネット環境を護るために、統計を用いた科学的アプローチ、数値化した効果検証スキームを通して、悪用に対する実効的な対策を立案し実行していく団体です。

 

 もとより、インターネットは国によって管理されるものではなく、一般市民や企業一人ひとりの自制と自助によって成り立っています。しかし、時に利害が衝突することによって、対策が進まないばかりか自由を阻害する結果を招来することがあります。SIAは、それらの利害調整や連携、さらには利用者のリテラシー教育を促進することによって、一般市民や企業が、安価に、安心してインターネットを活用し、日々の生活を豊かにしていくために活動していきます。

 

 

とのこと。

 

で、先日「ワクチンデマ対策シンポジウム」というものを開催したのですね。

 

ワクチンデマ対策シンポジウム

 

新型コロナウイルス感染対策の予断を許さない状況が続く中、国内でもコロナワクチンの接種が始まりました。本年4月からは65歳以上の高齢者への接種が始まり、最近では自治体での対象者拡大や、職域接種の開始など、多くの国民の皆様がワクチン接種できる体制が整いつつあります。

 

その一方で、ワクチンの効果や副作用に関する情報が大量に飛び交い、中には真偽や根拠が不明で、接種に不安を煽るような情報も見受けられるようになりました。本年6月には河野太郎内閣府特命担当大臣がワクチンデマについて注意を呼びかけるなど、新型コロナワクチンのデマ対策は急務となっています。

 

このような状況を受け、SIAでは、インターネットを通じて正しい情報を基に適切な判断を行える環境醸成が重要と考え、ワクチンデマの現状と分析、インターネット事業者が行っているデマ防止の対策について紹介する「ワクチンデマ対策シンポジウム」を開催いたしました。

 

 

だそうで、こういった内容です。

 

 

 

 

後援とか講演内容・講師の面々とかを見た段階で「え〜?」と思われた方も多いかな、なんですが・・・なかなかどうして、大変興味深く(いろんな意味で)とても面白いと思います。

 

そんなわけで、以下、公開されている動画のスクリーンショットとともに、あくまでも「個人の感想です」的解説を。

 

ちなみに、引用文(青字)はこちらからです。

 

 

 

 

 はじめに、河野太郎内閣府特命担当大臣からビデオメッセージが寄せられ、特に若い方へのメッセージとして科学根拠のない誤った情報に騙されないために参考にしてほしいと本シンポジウムに対する期待を述べました。

 

ま、これについては「う〜ん、そうなりますよね」といったところ。大臣としての立場もあるでしょうし。

 

 

で、ここから本題。

 

不正確な情報により恐怖心が駆り立てられ(!)

 

 講演では、まず、古田大輔氏(ジャーナリスト/メディアコラボ代表)が、「ワクチンデマの具体的事例と影響」として「有害物質」や「不妊」など具体的なデマ事例の紹介と既存メディアの影響力の高さなど、比較的日本が「デマ」に強い状況と、不正確な情報により恐怖心が駆り立てられ接種率が低下することを防ぐために、命に関わる情報について、そのような事態を招かない報道の必要性など、日本での「デマ」への影響を解説しました。

 

 

とのこですが、順を追って見ていきます。

 

 

 

広がりやすい「恐怖の共感」、「ワクチン接種後の死亡者が◯◯人に」というニュース速報・・・仰るとおり。

 

「新型コロナ感染者が〇〇人、死亡者が△△人に」というニュース速報も、散々流されましたね。何なら「が✕✕人になるかも」という与太話さえ報道されました。っていうか、今もされ続けてます。

 

 

その情報自体は間違っていなくても、科学的な見地を欠いたミスリーディングな「ミスインフォメーション」に・・・仰るとおり。

 

「感染者」と呼ばれているもの、実はPCR検査陽者(新型コロナウイルスのものとされる遺伝子の断片が見つかっただけ)に過ぎず、また「死亡者」とされるもの、実は「厳密な死因を問わず」報告されたもので、その多くが、真に新型コロナウイルスに感染したことで死亡したと言えるのかかどうか「因果関係を評価できない」ものです。

 

 

 

こういうのは、素直に勉強になります。

 

ただ、新型コロナに関しては、上の3分類、全てが出揃ってる気がしますけど。

 

 

 

ここは本当に笑えた(?)ところでして、思わず文字起こししちゃいました。

 

 

例えばですね、こちら、各TV局の方々が流された情報、あと、読売オンラインさんですね。

 

「ワクチン接種後女性死亡」というツイッター上に流れた情報を見た時に、あなたは、どういう印象を受けますかと。

 

で、この「ワクチン接種後女性死亡」という言葉には何の間違いもありません。

 

ただし、これは、一番右側を見てみれば分かるように、これ全て同じニュースを扱ってるんですが、報道ステーションさんは、「現時点でワクチン接種との因果関係は評価できないものの透明性確保のために公表したとのことです」というふうな但書が付いてあります。

 

一方で「ワクチン接種後女性死亡」とだけニュースを流すとですね、多くの人は、これはワクチンのせいで死んだに違いないというふうな間違った印象を与えてしまう。ここに、非常に大きな問題があるな、というふうに感じています。

 

 

「新型コロナに感染して死亡」とだけニュースを流すとですね・・・以下同文。

 

「死亡者は新型コロナに感染していました」とだけニュースを流すとですね・・・以下同文。

 

是非とも「ここに、非常に大きな問題があるな、というふうに感じて」もらいたいものです。

 

 

 

「副反応」について報道する際は文脈を加える・・・「コロナに感染」についても同じですね。

 

 

 

見出しで情報をきちんと伝える・・・「コロナで死亡」についても同じですね。

 

 

というわけで、古田大輔さんのお話は、最初から最後まで「ワクチン」を「コロナ」に、あるいは「副反応」を「感染(実は単なる検査陽性)」に置き換えるだけで思いっきり楽しめる内容でした。

 

一元的に情報・エビデンスをまとめる重要性(?)

 

 続いて、山口真一氏(国際大学 GLOCOM 准教授)が、「ワクチンデマの分析(最新の研究成果)」として疑義言説とファクトチェック記事事例の紹介、エビデンスの伝え方と難しさなどワクチン疑義言説の種類とその対応、各ステークホルダーに求められる対応について解説しました。また、SNSでのワクチン疑義言説について、少数の人が多く拡散している現状やファクトチェック、大臣等国の責任ある人や著名人による発信の効果について解説し、一元的に情報・エビデンスをまとめる重要性について提言しました。

 

 

では、こちらも、順を追って。

 

 

 

ワクチンは、歴史的に見ても疑義言説・デマが付帯発生してきた・・・ごもっとも。

 

とは言え、ペストとか「スペイン風」とか、感染症でもやっぱりデマは付き物ですよね。

 

 

 

ワクチン疑義言説の種類と必要なファクトチェック・・・ごもっとも。

 

こういうのは勉強になるし重要なことなんですが、だったら、新型コロナウイルス、新型コロナウイルス感染症、その感染予防対策等々についても、ファクトチェックしてくださいな、と思わずにはいられません。

 

 

 

実際にワクチン接種後に死亡した事例でも、両者の因果関係を強調するような情報は、過度に人々の不安を煽る・・・ごもっとも。

 

実際にコロナ感染(PCR検査陽性)後に死亡した事例でも、両者の因果関係を強調するような情報は、過度に人々の不安を煽りますから。

 

 

 

●●人死亡、と伝えるだけでは、いたずらに不安を広げるだけの可能性がある。データを基に、統計的に妥当な情報発信をしていくことが重要・・・ごもっとも。

 

「新型コロナで〇〇人死亡」って、ずっとずっとず〜っとやってますけど?

 

 

ワクチン接種による副反応のリスクを見るには、ワクチン接種していない人たちが、例えば脳出血やくも膜下出血によってどのくらい死亡しているのかを考慮しなければなりません・・・ごもっとも。

 

「新型コロナウイルスへの感染」リスク、あるいは「新型コロナウイルス感染症による死亡」リスクを見るには、新型コロナ流行以前に、例えば、いわゆる風邪や季節性インフルエンザ、結核や誤飲性肺炎によってどのくらい・・・以下略で。

 

 


ごく稀に起こる重度の副反応や、統計的に影響がなさそうな副反応が強調されやすい・・・ごもっとも。

 

「ごく稀」かどうかは微妙(というか分母次第)だけれども、新型コロナによる重症化・死亡、あるいは後遺症その他諸々、ずっとずっとず〜っと強調され続けてますけど?

 

 

ついでに言えば、疑義言説の例に「日本の高校生全員にワクチンを投与すると、50人が死亡か半身不随などの副作用に罹患する」というのがあげられてますが、だったら「このまま何もしなければ42万人が死ぬ」なんてのは、一体どう評価したら良いんでしょう。

 

 

 

メディア:①速やかなファクトチェックとその伝達。②エビデンスベースの正確な情報伝達。③因果を強調しない報道・・・ごもっとも。

 

プラットフォーム事業者:①事実誤認・誇張表現に対するタグ付け。②政府のウェブサイトやファックチェック結果への誘導。③正確な情報を人々の目につきやすい場所に・・・いや、ごもっとも。

 

一般市民:①厚生労働省の発表資料(一次資料)の確認。②ファクトチェック結果の確認・・・いやいや、ごもっとも。

 

ごもっとも過ぎて参っちゃうんですが、文字を大にして書きます。

 

コロナについても同じことを言って!

 

 

 続いて、忽那賢志氏(大阪大学大学院医学系研究科・医学部 感染制御学講座)が、「適切な接種判断のために必要な情報や考え方」としてワクチンが感染症予防にもたらす重要性、ワクチンの安全性や仕組み、効果と副反応について解説しました。加えて、ワクチン接種の感染予防や新型コロナウイルスの後遺症や、若い人への接種の意義について解説し、正しい情報源から情報を得ることの大切さを共有しました。

 

 

いや〜、接種率アップへと、懸命ですなあ。

 

 

けど、彼の考えを聞くまでもなく・・・

 

コロナ死亡リスクの高い高齢者・基礎疾患のある人にとってはワクチン接種のベネフィットが大きい。

 

コロナ死亡リスクの少ない若年層・子供には、ワクチン接種のベネフィットは小さい。

 

・・・それに尽きます。

 

何しろ、ただいまワクチン「治験中」で、長期的影響は未知数。あとは自己判断。

 

コロナ死亡リスクが小さい人にとっては、副反応リスクもさることながら、そもそもワクチン摂取する必要性自体が薄いんですから。

 

 

なので、忽那さんについては(これまでにも、ちょくちょくツッコミ入れてきたし)特に何もないです。

 

強いて言うなら、ちょっと前、新聞にこんな全面広告が掲載されまして。

 

 

「私も打ちました」・・・だったら私は打ちません!

 

誰もがアナタを好き(アナタの真似をする)と思うなよ。

 

(猛烈、個人の感想)です。

 

 

後は、Facebook Japan株式会社、Google合同会社、LINE株式会社、Twitter Japan株式会社、ヤフー株式会社など、いわゆるプラットフォーム企業によるお話でして。

 

「あー、そうですかー、頑張ってるんですねー」といった内容。

 

 

共通しているのは、ユーザーの皆さんに「正しい情報」「信頼のおける情報」を提供したいという意志なんですが、でも、それらを決めてるのが自分達っていうところが何とも微笑ましいじゃないですか。

 

WHOや厚生労働省はいつでも「正しい」という前提みたいなんですが、そういう組織・省庁にしても、いろんな派閥抗争やら金権癒着やらを抱えていて、言うことが二転三転してきたことについては触れずじまい。

 

で、あんなことやそんなことをやってます、警告・削除もしてます、その基準は決して間違っていません、という報告(自画自賛?)になってます。

 

 

要するに、ユーザー個々のリテラシー、判断力を全く信じていないということでして。

 

是非「コロナデマ対策シンポジウム」を

 

それはともかく・・・

 

ワタクシなりの結論。

 

このシンポジウム、ワクチンデマ対策として全否定はしません、というより「仰るとおり」「ごもっとも」なことも多く、勉強になります。

 

 

一方で「お前もな」「あなたが言うな」「それはダブルスタンダード」的内容も盛りだくさんでして。

 

正直、同じ姿勢・スタンスで「コロナデマ対策シンポジウム」を1年前くらいにやってくれたら良かったのに、と思います。

 

 

いえ、始めるのに遅過ぎることはありません。是非、企画してくださいな。

 

(ワタクシごときの力は微々たるもので、たかが知れてますが)ファクトチェック済み情報として、バンバン拡散することを約束します。

 

 

ということで、時間は長いですが、興味のあるところだけでも、ご覧になると良いと思います。

 

 

 

 

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またまた、つい、うっかり・・・

 

 

 

内容紹介

「さざ波」で日本が沈む! 虚言全公開

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テレ朝「モーニングショー」楽屋裏を初証言「コロナ、ガンガン煽りましょう」

テレビ・専門家・政府分科会・日本医師会・厚労省、徹底批判
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欧米に比べて日本は「さざ波」と発信し続けた元厚労省医系技官と、「過剰自粛」を断罪し続けた元内閣官房参与がコロナ禍の嘘と真実を炙り出す。

 

◎恐怖を植え付けた「42万人死亡」
 西浦博京都大学教授ら“バズらせ系"の専門家たち

 

◎『ひるおび! 』から「いま緊急事態宣言を出さなければ大変なことになる」とコメント依頼
 

◎「西浦さんがもうあれだけ煽っちゃったから」 政治家の無責任
 

◎「インフルエンザと同じような気持ちを人々が持って、そのときが終息」
 尾身茂政府分科会会長の非科学的発言

 

◎「これまでで最大の危機にある」としながらパーティー参加
 日本医師会・中川俊男会長の「上から目線」、本音と建前

 

◎『シン・ゴジラ』の方がちょっと優秀 「国を救う」なんて関係ない官僚たち

 

こうして「なんか怖い」は作られた

 

 

 

対談本ですし、非常に読みやすいです。

 

 

ちょっとだけ引用。

 

藤井聡さんによる「はじめに」から。

 

 しかもゼロリスク心理は、人々の視野を極端に「狭窄」にさせてしまいます。結果、そのリスクに対する対策についても包括的に考えることができなくなり、恣意的に特定の「対策」にばかり固執し、そのリスクをかえって拡大させてしまう、という著しく不条理な結果をもたらすことすらあり得るのです。

 

 したがって、ゼロリスクを求める「視野狭窄」な心理は、ある種の精神医学的な「病」と見なされるのです。

 

 

木村盛世さんによる「おわりに」から。

 

 実際、日本の場合は、絶対数が欧米とかけ離れて低かったにもかかわらず、人々は「新型コロナにかかると死んでしまうかもしれない」といった恐怖におののいてきました。海外からは「なぜ日本はこんなに少ない感染者数で大騒ぎしているのか?」という驚きの声が散見されていました。しかし「新型コロナは怖い」と思っている日本人は、現在でも少なからずいると思います。

 

 本来は、新しいタイプの風邪で、多くの人にとっては無症状で、通常の風邪かインフルエンザ程度であるにもかかわらず、なぜこのような現症が起こるのでしょうか。

 

 

この本、産経新聞出版発行でして。

 

目次はこんなです。

 

 

はじめに ―「ゼロコロナという病」とは何か? 藤井聡

 

第1章 コロナ虚言・妄言・暴言

「なんか怖い」/「42万人死亡」/恐怖を植え付けた/バズらせ系の専門家/「コロナ、ガンガン煽っていきましょう」/確信犯的に煽った「モーニングショー」/PCRは「家政婦は見た」と同じ/勝手に感染者数は減っていく/『ひるおび!』からも依頼/「西浦さんがもうあれだけ煽っちゃったから」/コロナ頭/第一の権力になったメディア

 

第2章 コロナ死か、 自粛死か

公衆衛生(パブリックヘルス)の観点がない/3つのコロナ対策/必要がなかった「自粛」/「自粛」と「感染抑制」の関係/「自粛」したい人たち/コロナは風邪か風邪じゃないか/「自粛」が経済を窒息させる/「命か経済か」/EUの財政凍結宣言/「有事」でも緊縮財政/世界中が成長軌道に乗る中で

 

第3章 上から目線と専門バカ

「さざ波」で「医療崩壊」/コロナ病床が減っていた/尾身会長は科学的な姿勢ではない/専門家を疑わない/日本医師会会長の「上から目線」/他の業界で許されない言説/「8割おじさん」のバズワード/医師会と厚労省の不作為

 

第4章 『シン・ゴジラ』の世界

「パンデミックはおこらない」/エボラと同等はおかしい/内閣官房に力がない/『シン・ゴジラ』のほうが優秀/「国を救う」なんて関係ない/戦争ならすでにボコボコに

 

第5章 コロナでばれた日本

医師会・中川会長の本音と建前/医師会はすべてを牛耳っている/高齢者と医療逼迫/おカネを儲けたいから医者に/開業医はヒマだとバレた/学会ムラの無責任/感染症のデータ分析の「怪しさ」/「医者は儲かるもんじゃない」/コロナの“ポリコレ棒”/攻撃的になる人たち

 

第6章 死を受け入れられない日本人

「90歳が死亡」と「20歳が死亡」の違い/コロナと高齢者/命さえあればいいのか/恩師が問うた「人の幸福感」/人として生きることを放棄/「人間は不死ではない」/五輪開催が最大の処方箋に

 

おわりに ―  羅針盤を持たない船 木村盛世

 

 

要らん世話ですが、まず、産経新聞社員の皆さんが熟読、今後の紙面に活かしてほしいですな。