仲間をまもること自体は悪くない?
「野党第一党」ながら「あー、あの、何時でも何処でも何にでも文句ばっか言ってる人達ね」くらいのもので、政党として全くもって存在感の薄い立憲民主党。
実は「性犯罪刑法改正のワーキングチーム」なるものがあって、人知れず「中学生を性被害から守るための性交同意年齢など」を議論していたそうでして。
この度、その13回分をまとめて中間報告を作成したそうな。
で、6/7付のこんなニュース。
立憲民主党の性犯罪刑法改正のワーキングチーム(WT)は7日、中学生を性被害から守るための性交同意年齢などに関する13回の議論をまとめた中間報告を作成した。これに関連し、本多平直衆院議員(56)が「50歳が14歳と同意性交で捕まるのはおかしい」と発言したことを認めた。WTは、本多氏から「興奮していたので覚えていない。本意ではない」と撤回の申し出を受け、報告から削除した。
寺田学座長はWT後、記者団に、名前を明かさずに50代の衆院議員が5月10日の会合で「成人と中学生が真摯(しんし)な恋愛関係になった場合、性交をすることは自然なことで罰するのは望ましくない」と主張する中で、「50歳近くの自分が14歳の子と性交したら、たとえ同意があっても捕まることになる。それはおかしい」と発言した事実を認めた。
党関係者によれば、本多氏は成人と中学生の性行為を一律に取り締まることについて繰り返し反対論を述べ、別の50代議員も同調した。WTが先週まとめた中間報告の案には削除された発言を記載していた。同じく案に載った「中学生から成人を口説いて恋愛関係になり性交に至る場合もある」といった出席者の発言は残った。
立民の福山哲郎幹事長は7日夜、本多氏に対し口頭で厳重注意したことを発表した。
時系列が前後してて分かりにくい記事ですが、要は・・・
①「成人と中学生が真摯(しんし)な恋愛関係になった場合、性交をすることは自然なことで罰するのは望ましくない」
②「50歳近くの自分が14歳の子と性交したら、たとえ同意があっても捕まることになる。それはおかしい」
③「中学生から成人を口説いて恋愛関係になり性交に至る場合もある」
・・・等の発言をした人がいて、それが中間報告「案」に載っていたことが問題となり、結果、①②は削除、③は残ったということですね。
で、ワーキングチームの座長さんは誰の発言かを明かさずにいたのですが、結局立憲民主党の某議員さんが発言者だと特定され、同党幹事長さんが「厳重注意」したと。
えーと・・・
「厳重注意」? ふ〜ん。
・・・てことで良いでしょうか。
発言自体は、確かに議論の中で出たものでもあり、正直、分からないこともないような、けれどやっぱり呆れるような、一応、政治家が言うことではないな、とは思うけれども、さりとて青筋立てるほどでもないかなと。
ワタクシ的に、そんな中途半端な、どっちつかずの感想を持ったわけですが。
根は優しい(?)党幹事長
続報がありまして。6/8付です。
立憲民主党の本多平直衆院議員は8日、国会内で記者団に対し、性交同意年齢に関する党内議論で出た「50歳が14歳と同意性交で捕まるのはおかしい」との発言が自身によるものだったと認め「多くの方を傷つけ、不快な思いをさせた」と陳謝した。報道陣の質問は「コメントがすべて」と受け付けなかった。
福山哲郎幹事長は7日、さまざまな意見が出た中の一つだと記者団に強調し、「本人が言い過ぎたので撤回だと言っているのでそれでいいのではないか」と述べた。党として対応しない考えを示し、実名や発言の公表も「議論全部の議事録を作って発表しなければいけなくなる」と否定した。
ところが、その5時間後の7日夜に実名が報じられると本多氏は名乗り出て謝罪コメントを発表し、福山氏も口頭で厳重注意したとコメントを出した。党内からは「最悪の対応だ。幹部がきちんと説明すべきだ」との批判が出ているが、枝野幸男代表は8日夕時点で見解を示していない。
立民は政府与党の発言を厳しく追及してきた。自民党議員が5月20日の党会合で、同性愛者など性的少数者(LGBT)をめぐり「生物学上、種の保存に背く」という趣旨の発言をしたと報道された際は「あきれるばかりの差別発言がいくつも飛び出し、怒りを覚えた」(福山氏)と批判したが、「他者に厳しく身内に甘い」姿勢を露呈している。(田中一世)
こちらの記事は、きちんとまとまってます。
このように順序立てて書いてもらえると・・・
「本人が言い過ぎたので撤回だと言っているのでそれでいいのではないか」!?
・・・で、いいのですか、とそちらに意識が向きますね。
何しろ、立憲民主党の幹事長さんですから・・・
アナタがそれを言いますか!
・・・となりますわね。
普段から心優しいワタクシが言うのとはわけが違うわけで。
やはり世の中的に、批判も多かったのでしょう。
もともと他人に厳しい(?)党代表
6/9付で、さらに続報があります。
立憲民主党の枝野幸男代表は9日、同党の本多平直衆院議員が14歳の子と同意した性交で逮捕されるのはおかしいとした発言に対し「許されない。真摯に反省しなければならない」と強く非難した。有識者でつくる党のハラスメント防止対策委員会で事実関係を精査する考えも示した。
対策委が本多氏のほか、発言があった党法務部会のワーキングチーム関係者から事情を聴取し、再発防止策をまとめるという。本多氏は8日、発言について謝罪し、撤回する考えを示している。
おおぅ、さすが、我らが(お山の大将)エダノくん。
「誰が」かよく分からないけれども、とりあえず「真摯に反省しなければならない」し、「何について」なのかもよく分からないけれども、とにかく「再発防止策をまとめる」とのこと。
「8日夕時点で見解を示していない」とされた立憲民主党の代表さんですが、何か言わないとマズイ、くらいのことは理解したようです。
もっとも、エダノくん、例によって何も言ってないんですが。
てか、立憲民主党には「ハラスメント防止対策委員会」なんてのもあるんですね。
公式サイトを覗いてみると・・・
立憲民主党は、ハラスメント防止に向けて、それを実効あるものとするために、「ハラスメント防止対策委員会」を設置し、我が党の議員、秘書、党職員、党関係者に対してすべてのハラスメント・暴力の防止のための研修および啓発活動を行う。被害相談には真摯に対応し、加害に対し厳正に対処し、当事者の権利回復に向けた支援に取り組む。
・・・だそうです。
ほー、感動しました(←棒読み)。
で、こんなものもありまして。
いやいや、こうやって簡単に「すべての」なんちゃらとか「ゼロ」あーちゃらとか言うから信用できないんすよって教えてあげたいですな。
で、最後に、言っちまったご本人の「謝罪」コメント、全文を。
今回、党内での会議の一部の発言が報道されるに至りましたが、趣旨において私の理解が足りていない、また報道によって傷つく方がいるとのご批判は当然と考えます。真摯に反省をし、認識を深めていきます。
性犯罪に関する刑法改正に関して、私は、一方当事者が少なくとも中学生までの低年齢で、他者当事者が成人である場合、両者の間に対等性はなく性搾取となっている実態を踏まえ、低年齢当事者を保護するために成人を処罰対象とすることの必要性を認識しています。
刑事処罰の議論では、限界事例についての検討や、特異な例外事例の存在など緻密な検討が必要だと考えました。しかしながら、私の発言は、例外事例としても不適切であり、お詫びして撤回いたします。
誠に申し訳ありませんでした。
なるほどー。真摯な反省、伝わってきました(←これも棒読み)。したら「特異な例外事例」として適切なものを挙げてもらえると嬉しいですね。
というか、そうね、行間に滲む部分に関しては、多少、同情しないでもない。
とりあえず、対等性(がある、ない)とか、搾取性(になる、ならない)とかいう言い回しを初めて知りました。
いずれにせよ、ワタクシとしては(!)・・・
「許すも許さないも、本多さんというのは、そういう人」という認識に至っただけ。
・・・で、特に糾弾しようとは思いません。
ま、法律がどうであれ、相手が「大人」になるまで待とうよ、それが「大人」ってもんじゃないの? というのがワタクシの考えです。
だからこそ、片方「子供」なら「アヤマチ」を犯すし、双方「子供」では「マチガイ」も冒すということで。
言い出しっぺがどちらであれ。誘うなり迫るなりしたのが男であれ女であれ。
🍥🍥🍥 🍥🍥🍥 🍥🍥🍥 🍥🍥🍥 🍥🍥🍥 🍥🍥🍥 🍥🍥🍥
この件については、いかにも反応の薄いマスメディア(と一部ネット空間)。
つまるところ、反自民・反政府という観点で身内かそうでないかを決め、皆で批判の大合唱をするかどうか決めている、ということなんでしょうね。
ちゃんと知りもしないで批判するのは良くない、ということで、一応購入。
「保守本流」を自称する立憲民主党の代表が、その真意と、目指す社会の未来像を提示する。明治維新以来の「規格化×大量生産社会」はすでに限界を迎えている。いま必要なのは、互いに「支え合い、分かち合う」社会だ。国民に「自助」を強いることのない、もう一つの選択肢を示す。
【目次】
第1章 「リベラル」な日本を「保守」する
第2章 立憲民主党結成に至る道筋
第3章 新型コロナウイルス感染症が突きつけた日本の課題
第4章 そもそも日本は今、どこにいるのか?
第5章 新自由主義の限界
第6章 近代化の先にある社会の理念
第7章 「支え合い」の社会における経済
第8章 これからの成長の芽はどこにあるか?
第9章 「機能する政府」へのアプローチ
第10章 支え合う社会のためのいくつかの視点
第11章 地に足の着いた外交・安全保障
で、ぼちぼち、読み進めてはいるのですが、いや〜、オモシロくて参っちゃう。
いずれ「本の森」で紹介するかもしれませんが、あまりにオモシロ過ぎて無理かもしれません。
まず「はじめに」の段階で・・・
念のため付け加えれば、立憲民主党の個別政策や総選挙に向けた選挙政策を記したものではない。考え方を説明するのに必要な範囲で各論の記述もあるが、網羅的な個別政策は、幅広い国民の皆さんにご意見やご提言をいただきながら、党全体として、深化させた政権構想へと練り上げていくことになる。
・・・なんて大風呂敷(いや、逃げ口上?)広げられちゃってますし。
あれあれ?
「神は細部に宿る」んじゃなかったの? いや「悪魔は細部に潜む」でしたっけ?
つまるところ、「ビジョン」と銘打ちながら、個別の政策に関してエダノくん個人としては何も言わない。その立案・説明責任は「幅広い国民の皆さん」あるいは「党全体」にあるんだからね、ま、頼むよ、って言われているように思えるんですけど。
それで「支え合う」とか謳われましても「なすり合う」の間違いじゃないかと。
スミマセン、深読み(?)が過ぎました。
これって、ひょっとしてワタクシがエダノくんを好きだから?