5月1日は「メーデー」ってことで・・・いや、ちょっと違うか。

 

ゴールデン・ウィークだというのに、あれダメこれダメで他にやることもなく・・・

 

 

映画『赤い闇 スターリンの冷たい大地で』をDVD観賞いたしました。

 

 

餓えている。罪なき無数の民が狂うほどに餓えている。
ソビエト連邦がひた隠しにした歴史の闇を照らし出す、衝撃の実話!
 
大戦間期、イギリス人記者が疑問を抱いた“大国の繁栄”。
その答えを求めた彼が、冷たい大地で目撃したのは戦慄の光景だった!
 
 
 1933年、ヒトラーに取材した経験を持つ若き英国人記者ガレス・ジョーンズには、大いなる疑問があった。世界恐慌の嵐が吹き荒れるなか、なぜスターリンが統治するソビエト連邦だけが繁栄しているのか。その謎を解くために単身モスクワを訪れたジョーンズは、外国人記者を監視する当局の目をかいくぐり、すべての答えが隠されているウクライナ行きの汽車に乗り込む。やがて凍てつくウクライナの地を踏んだジョーンズが目の当たりにしたのは、想像を絶する悪夢のような光景だった……。

 ジョーンズはいかなる苦難の末に、スターリンの“偽りの繁栄”の実態を暴いたのか。そしてソ連の執拗な妨害工作に阻まれるなか、果たしてその一大スクープを世に知らしめることができるのだろうか。巨悪な力に屈せず、正しい道を選ばんとした名もなき人間の実録ドラマが、現代を生きる我々に問い質すものとは ——— ?

 

 

 

・・・という、なかなかに重たい作品。
 
 
戦間期のお話ではありますが、まあ、至極当たり前に・・・
 
 
現在ロシアに「不法占拠」されているウクライナ東部とかクリミアとか、
 
あるいは中国共産党政府によって現在進行系で侵略されている新疆ウイグル(東トルキスタン)とか内モンゴルとか、
 
更に言っちゃうと、緑色の「独裁者」に都政を「蹂躙」され、自由を「制限」されながらも、それを良としてしまう東京都民とか、
 
そして、もちろん、それらのことを伝えようともしないマスメディアのこととか、
 
 
・・・いろんなことを想いました。
 
 
で、以下は、ややネタバレとなりますが、大事なことなので。
 
 
終盤、帰国したガレス・ジョーンズとジョージ・オーウェルが対話する場面があります。
 

ソ連に関する本を書いてるとか?

 

それは― 

また別の機会にしようかと

書きたいことはあるんです

でもそれを明かすと― 

無実の6人が死ぬ

 

この時ソ連は、英国人技術者にスパイ容疑をかけて逮捕、人質にしていたのですね。今日の某国と全く同じ遣り口です。

 

 

で、それに対してオーウェル。取りようによっては相当無責任なことに、

 

私は どんな結果になろうと 真実を語るべきだと思う

 

と、アドバイス。

 

それで改めて決意した、ということでもないでしょうけど、ジョーンズはこんなスピーチをします。

 

6名の英国人が― 

モスクワ側の切り札となっている

西側がこれに屈するならば

前代未聞の惨事を容認してるとの同じこと

 

ソ連の言う“労働者の天国”はウソです

“偉大なる実験”なる触れ込みも虚偽だ

スターリンは何も成し遂げてなどいない

それどころか罪なき数百万人の命を奪った

 

お忘れなきよう

この人為的な飢饉を真似る者が現れぬように―

今止めるべきです

 

 

スピーチの後「共産主義の理想を実現しようとする中で、多少の犠牲が出ることもあるだろう」という趣旨の問いかけをするオーウェルに、ジョーンズが答えます。

 

平等主義というのは―

搾取と同じ構造で しかもよりタチが悪い

想像を絶するほどに

 

この目で見た

 

 

ところが、ジョーンズが書いたことは事実ではなく、彼は嘘つきだとして、以下のような記事を掲載する新聞も出る始末。

 

東西の外交危機が勃発

ガレス・ジョーンズ氏の告発がその発端だ

彼はロイド・ジョージ氏の外交顧問である

そのような人物がソ連の飢饉を訴えているのだ

この件を専門家に聞くと―

5カ年計画中の厳しさは続くと認めるも…

飢饉は事実でないと私が断言しておく

 

これがまた「ニューヨークタイムズ」だというね。

 

 

まあ、観てて楽しい種類のものではありませんが、良かったです。いろんな意味で、唸る映画でした。

 

 

 

ところで、映画では、ジョージ・オーウェル『動物農場』の執筆風景が、モノローグとともに何度か挿入されてます。

 

この一節は、その締め。

 

“その外見は豚から人 人から豚に変わり―”

“再び豚から人へ”

“もはやどちらとも区別できない”

 

 

 

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ワタクシ、キリスト教徒じゃありませんが・・・今日は、何となく、そういう気分なので。

 

箴言第14章から


6 あざける者は知恵を求めても得られない、さとき者は知識を得ることがたやすい。
7 愚かな者の前を離れ去れ、そこには知識の言葉がないからである。
8 さとき者の知恵は自分の道をわきまえることにあり、愚かな者の愚かは、欺くことにある。


15 思慮のない者はすべてのことを信じる、さとき者は自分の歩みを慎む。
16 知恵ある者は用心ぶかく、悪を離れる、愚かな者は高ぶって用心しない。
17 怒りやすい者は愚かなことを行い、賢い者は忍耐強い。
18 思慮のない者は愚かなことを自分のものとする、さとき者は知識をもって冠とする。

 

 

 

ついでに、ジョージ・オーウェル繋がりで過去記事を。