5月1日は「メーデー」ってことで・・・いや、ちょっと違うか。
ゴールデン・ウィークだというのに、あれダメこれダメで他にやることもなく・・・
映画『赤い闇 スターリンの冷たい大地で』をDVD観賞いたしました。
ソビエト連邦がひた隠しにした歴史の闇を照らし出す、衝撃の実話!
その答えを求めた彼が、冷たい大地で目撃したのは戦慄の光景だった!
ジョーンズはいかなる苦難の末に、スターリンの“偽りの繁栄”の実態を暴いたのか。そしてソ連の執拗な妨害工作に阻まれるなか、果たしてその一大スクープを世に知らしめることができるのだろうか。巨悪な力に屈せず、正しい道を選ばんとした名もなき人間の実録ドラマが、現代を生きる我々に問い質すものとは ——— ?
ソ連に関する本を書いてるとか?
それは―
また別の機会にしようかと
書きたいことはあるんです
でもそれを明かすと―
無実の6人が死ぬ
この時ソ連は、英国人技術者にスパイ容疑をかけて逮捕、人質にしていたのですね。今日の某国と全く同じ遣り口です。
で、それに対してオーウェル。取りようによっては相当無責任なことに、
私は どんな結果になろうと 真実を語るべきだと思う
と、アドバイス。
それで改めて決意した、ということでもないでしょうけど、ジョーンズはこんなスピーチをします。
6名の英国人が―
モスクワ側の切り札となっている
西側がこれに屈するならば
前代未聞の惨事を容認してるとの同じこと
ソ連の言う“労働者の天国”はウソです
“偉大なる実験”なる触れ込みも虚偽だ
スターリンは何も成し遂げてなどいない
それどころか罪なき数百万人の命を奪った
お忘れなきよう
この人為的な飢饉を真似る者が現れぬように―
今止めるべきです
スピーチの後「共産主義の理想を実現しようとする中で、多少の犠牲が出ることもあるだろう」という趣旨の問いかけをするオーウェルに、ジョーンズが答えます。
平等主義というのは―
搾取と同じ構造で しかもよりタチが悪い
想像を絶するほどに
この目で見た
ところが、ジョーンズが書いたことは事実ではなく、彼は嘘つきだとして、以下のような記事を掲載する新聞も出る始末。
東西の外交危機が勃発
ガレス・ジョーンズ氏の告発がその発端だ
彼はロイド・ジョージ氏の外交顧問である
そのような人物がソ連の飢饉を訴えているのだ
この件を専門家に聞くと―
5カ年計画中の厳しさは続くと認めるも…
飢饉は事実でないと私が断言しておく
これがまた「ニューヨークタイムズ」だというね。
まあ、観てて楽しい種類のものではありませんが、良かったです。いろんな意味で、唸る映画でした。
ところで、映画では、ジョージ・オーウェル『動物農場』の執筆風景が、モノローグとともに何度か挿入されてます。
この一節は、その締め。
“その外見は豚から人 人から豚に変わり―”
“再び豚から人へ”
“もはやどちらとも区別できない”
ワタクシ、キリスト教徒じゃありませんが・・・今日は、何となく、そういう気分なので。
箴言第14章から
6 あざける者は知恵を求めても得られない、さとき者は知識を得ることがたやすい。
7 愚かな者の前を離れ去れ、そこには知識の言葉がないからである。
8 さとき者の知恵は自分の道をわきまえることにあり、愚かな者の愚かは、欺くことにある。
15 思慮のない者はすべてのことを信じる、さとき者は自分の歩みを慎む。
16 知恵ある者は用心ぶかく、悪を離れる、愚かな者は高ぶって用心しない。
17 怒りやすい者は愚かなことを行い、賢い者は忍耐強い。
18 思慮のない者は愚かなことを自分のものとする、さとき者は知識をもって冠とする。
ついでに、ジョージ・オーウェル繋がりで過去記事を。