いささか古い話ですが、1月20日、立憲民主党の枝野幸男代表が衆議院本会議で代表質問に立ちました。

 

こちら、それを伝える立憲民主党公式サイトの記事の一部です。

 

 

「withコロナ」から「zeroコロナ」へ

 

 「同じ過ちを繰り返さない」と表明した枝野代表は、「その場しのぎの対応ではなく、先を見通した明確な戦略方針と優先順位を付けた具体的なプランが必要」と強調し、国内での感染封じ込めに概ね成功し、経済も順調に回復しているニュージーランドと台湾の事例を取り上げました。
 

 両国が「感染防止と経済の両立」を目指すのではなく、まず徹底的な感染の封じ込めに取り組み、「市中にウイルスが蔓延する中で経済を回していく『withコロナ』ではなく、市中から感染者をなくしてしまう、いわば『zeroコロナ』を目指し、成果をあげている」と説明。日本は、両国と同様に島国であり、水際対策を取りやすい環境にあると指摘し、これらの成功例を参考に「withコロナ」から、「zeroコロナ」を目指す方向へ転換することを提案しました。

 

 

 

いや〜、目眩がしますね。

 

さすが、我らが愛する(お山の)大将、エダノくんです。

 

 

常々思っていることですが、この方の言動・行為は、本気なのか演技なのか、よく分からないところがありまして。

 

一口にPCR検査と言っても、世界中全く同じ基準で為されているのかと問えば、はっきりとそうでない、ことくらい、未だに知らないはずはないでしょう。

 

 

このところ、ようやく「何かおかしい」と考える人も増えてきているようですが、そもそもPCRとはウイルスそれ自体を見つけているわけではなく、例えば「新型コロナウイルス」のものだとされる遺伝子配列を、しかも、その極一部を検出するものでして。

 

で、もちろん、直接目に見えるわけもないモノですから、それを何倍にも増幅し発光させたうえで「あー、在ったー」とか「うーん、無いみたい」とか判断してるわけですよ。

 

で、その「何倍にも増幅」するというところが、これまた色々と物議悶着のもとでして。ぶっちゃけ、国毎や、あるいは検査キットによってバラバラ・マチマチなのですね。

 

新聞・テレビがほとんど取り上げない、Ct値の違い、というやつです。

 

 

Threshold Cycle(Ct)は、反応の蛍光シグナルがThreshold Lineと交差する時点のサイクル数です。Ct 値はターゲットの初期量に反比例するため、DNAの初期コピー数の算出に使用できます。例えば、異なる量のターゲットを含むサンプルからのリアルタイムPCR結果を比較する場合、2倍の初期量を含むサンプルは、増幅前に半分のコピー数のターゲットしか含まないサンプルよりもCt 値が1サイクル早くなります(図2)。これは両方の反応においてPCR効率が100%である(すなわち、サイクル毎に産物量が正確に2倍に増加する)と仮定した場合の例です。

 

テンプレートの量が少ないほど、有意な増幅が見られるサイクル数の値は大きくなります。

 

 


 

一読「へ?」という感じですが、要するにターゲットを倍、倍、倍と増やしていくわけで、それをどこまで繰り返せば「見えて」くるのか、という話です。

 

 

具体的に言うと、こちら、う〜ん、中学生レベルになりますでしょうか。

 

2の  1乗:2

2の  2乗:4
2の  3乗:8
2の  4乗:16
2の  5乗:32
2の  6乗:64
2の  7乗:128
2の  8乗:256
2の  9乗:512
2の10乗:1024
・・・・・・・
2の30乗:1073741824(ざっくり10億)
・・・・・・・
2の35乗:34359738368(ざっくり340億)
・・・・・・・
2の40乗:1099511627776(ざっくり1兆)
・・・・・・・
2の45乗:35184372088832(ざっくり35兆)

 

つまり、Ct値35ならば、ターゲットを340億倍してます、45ならば35兆倍してます、ということですね(実際には、そうそう単純計算どおりには行かないようですが)。

 

ちなみに上の記事は2017年のもの。末尾ではありますが「研究用にのみ使用できます。診断目的およびその手続き上での使用はできません」と書かれています。素晴らしい。

 

 

で、エダノくんに話を戻しますとですね、彼はこう言ってます。

 

 国内での感染封じ込めに概ね成功し、経済も順調に回復しているニュージーランドや台湾では、「感染防止と経済の両立」を目指すのではなく、まずは徹底的な感染の封じ込めに取り組みました。市中にウイルスが蔓延する中で経済を回していく「withコロナ」ではなく、市中から感染者をなくしてしまう、いわば「zeroコロナ」を目指し、成果をあげているのです。一時的には強力なロックダウン措置をとった多くの欧米諸国でも、そして日本でも、感染拡大の繰り返しに苦しんでいるのは、十分に感染者を減らさないうちに対応を緩めたからです。

 

 

 

はは〜、何となく「そうかも」と思ってしまいそうです。

 

 

念のため、数字(グラフ)を見てみましょう。

 

 

 

 

 

 


 

 

 


 

並べて見ると、確かに歴然。人数目盛りを見ると、ニュージーランドは50人単位、台湾は10人、日本は2,500人単位ですからね。

 

なんですが!!!

 

ここでCt値です。

 

必ずしも一次ソースが見つからないところが、ワタクシ的に引っかかりはするのですが、ともあれ、ニュージーランドは18.76〜31.5、台湾は35だそうです。日本は40〜45です。

 

ニュジーランドは幅がありすぎるので、とりあえず台湾と日本で考えましょう。

 

 

Ct値35(およそ340億倍)と45(およそ35兆倍)であれば、そこには1024倍のアドバンテージというか、開きがあります。

 

以下、猛烈単純化して言います(それでも「簡単」ではないかもですが)。

 

 

日本でギリギリ陽性となるのは5コピー(遺伝子配列を数える時には「コピー」という単位を使うようです)からだそうです。ならば、それを45サイクル、すなわち・・・

 

 5コピー×35兆=175兆コピー

 

で「陽性」と判断していることになります。

 

 

となると、35サイクルで同じ程度のコピー数を得るためには・・・

 

 5,000コピー×340億=170兆コピー

 

ということで、つまり台湾で「陽性」となるには、少なくとも検体中に5,000コピー必要なわけです。

 

 

日本、5コピーで陽性に対して、台湾5,000コピーですよ。

 

そりゃ感染者(本当は陽性者)は少なくなるでしょうし、封じ込めているようにも見えるでしょうよ、ってところです。

 

ここまで感染(本当は陽性)要件の違う、何なら別の検査をしていると言っても良いくらいな国の事例を持ち出して「出羽守(ではのかみ)」ぶたれてましても、一国民としてはひたすら困惑する他ありません。

 

 

そういう、立論の前提からして根本的に間違っている「zeroコロナ」政策(?)ですから、ひょっとしてエダノくんの思いつきの冗談か、あるいはワタクシの方が夢を見ているのかしら、とか思ったりもしたんですが、違いました。

 

 

こちら、2月4日、衆議院予算員会の様子を伝えるものです。

 

 枝野代表は、緊急事態宣言解除にあたっての出口戦略として、経路不明の感染拡大が一定程度抑制されている、新たな感染が出ればすぐにルートが把握できる、封じ込めることができること、それによりそれ以外の人は食事や旅行ができる状況を作ることだと述べ、あらためて『zeroコロナ』戦略を提起。そのためには、立憲民主党など野党が昨年来求めてきた検査体制を拡充・強化し、希望する人がいつでも簡単に検査をできる体制を作り、広く検査することで未発症の感染者を見つけ出すことが重要だと説きました。

 

 

 

 

う〜ん、こうまで認識が隔絶していると「ちょっと、どうしようもないなあ」としみじみしてしまいます。エダノくん、自分の言ってることが、本当に実現可能だと考えているんでしょうか。

 

何かもう・・・

 

コロナを怖れているフリして、実はウイルスを舐めきっていますね?

 

・・・という感じです。

 

 

いやいや、そうではなく、どっちにしたって政権取れるはずもないんだから、いっそ(極一部に)確実に支持されるようなことをぶち上げて、立憲民主党として一定数の議席を確保して、そこで大将やってれば良いのさエダノくん、ってことかもしれません。

 

つまり・・・

 

コロナを怖れているフリして、実は有権者を舐めきっていますね?

 

・・・です。

 

 

ウイルスとか感染症とか、ついでにPCRとか、本当に知らないのであれば、政治家として不勉強の誹りを免れないし、知ってて知らぬフリをしているのであれば、野党第一党党首として不道徳ここに極まれり、ですよ。

 

 

ワタクシ、エダノくんを買いかぶっているのか見くびっているのか、一体どっちなんでしょう?

 

 

いずれにせよ、正直、コロナはもうどうでもいい、そしてエダノくんのこともどうでもいい、くらいに思ってはおります。

 

 

おりますが、なので、いや、なのに、かな?

 

「どうでもいい」と「どうでもいい」をかけ合わせたら「どうでも良くはなくなった」・・・

 

 マイナス×マイナス=プラス

 

みたいな記事となりました。

 

我ながら、しょうもない。

 

マスクのし過ぎで酸素不足、頭オカシクなってるな、と思います。と言うか、目に入るのがマスクしている人の顔ばっかで、美意識まで歪んできた気がします。

 

 

ちなみに、予算委員会では、こんな遣り取りもあったそうで。

 

 これに関し、新型コロナウイルス感染症対策分科会・尾身茂会長も「無症状者に焦点を当て検査を行うことでリバウンドを防ぐ、感染源、隠れたものを早く予兆することで感染の経緯をモニターできる。解除したところについては、無症状者に焦点を当てて検査する」と発言。枝野代表は、1日に最大1万7千件のPCR検査が可能な米国の会社や、1日数十件の処理ができる全自動PCR検査装置を開発した日本国内の会社を紹介し、政府として情報提供を呼びかけ、一定程度の予算を付けることで、感染ゼロに限りなく近づけるところまで検査を繰り返し行っていくことは十分可能だと述べました。

 

尾身さんもねえ、コロナが当初言われていたほど怖いウイルスであるならば、そんなに間違ってはいないんでしょうけど、ちょっと色々固執しちゃってるかなあと思わないでもないです。

 

🍥🍥🍥 🍥🍥🍥 🍥🍥🍥 🍥🍥🍥 🍥🍥🍥 🍥🍥🍥 🍥🍥🍥

 

エダノくん(立憲民主党)が言ってるのは「大転換」でも何でなく、「コロナ怖い」という前提に立った、むしろ既定路線の拡充・徹底というべきものです。

 

ワタクシとしては、こちらのコロナウイルスそれ自体について真面目に考えたうえでの「抜本転換」にこそ納得もいくし、いっそ癒やされもします。

 

 

 

あと、こちら参考までに。

 

長い記事(後半のワクチン関連記述にはビミョーなところもあり)ですが、興味深いです。エダノくんも、せめてこれくらいの「ウイルス観」を持ってほしい。

 

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の今後の経緯として、長期的に見て最も可能性が高いのは、日常的な病気、つまりはただの風邪になるというものだ。

 具体的には、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)は世界の大半の地域において、人々の間に慢性的に発生し続ける「エンデミック」の状態となり、その一方で重症化するケースは減る。最終的には、すでに世界中で一般的な風邪の原因となっている4種類のヒトコロナウイルスと同じように、主に子どもが冬にかかる軽い風邪へと移行するのかもしれない。

 

〜〜〜 〜〜〜 〜〜〜

 

 先に述べたように、COVID-19の未来を左右する重要な要因の一つは、わたしたちの免疫だ。SARS-CoV-2を含め、病原体に対する免疫の働きは照明のスイッチのような「つくか」「つかないか」といった二択ではなく、むしろ光の強さを加減できる調光スイッチに似ている。人間の免疫系は、病原体をさまざまなレベルで防御できる。自分や他人への感染を必ずしも防ぎはしなくとも、症状が重症化するのを食い止めてくれることもある。

 4種類のヒトコロナウイルスによる風邪がごく軽症で済むのは、おおむねそうした防御の効果だ。学術誌「Infectious Diseases」誌に掲載された2013年の研究によると、人間は平均3歳から5歳の間に、4種類のコロナウイルスすべてにさらされるという。

 幼い時期での感染は、体のその後の免疫反応の基礎をつくる。自然な進化によってコロナウイルスの変異株が新たに発生しても、免疫系はコロナウイルスに対抗するうえで先手を打つことができる。

「ウイルスは、それ自身の敵でもあるのです。人に感染するたびに、その人の免疫を上げることになるからです」。ポルトガル、リスボン大学の免疫学者マルク・ベルドエン氏はそう述べている。

 過去の研究からは、たとえコロナウイルスが体内に侵入することに成功しても、免疫によって重症化を防げることが明らかになっている。長期的には、新型コロナウイルスにおいてもこの点は同じだろう。

 

 

 

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令和3年2月3日付けで、厚生労働省健康局長から都道府県知事・保健所設置市長・特別区長あての「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律等の改正について (新型インフルエンザ等対策特別措置法等の一部を改正する法律関係)」なる通達がありました。

 

第一 改正の趣旨

第二 感染症法の一部改正

第三 検疫法の一部改正

第四 指定政令等の廃止

第五 施行期日

第六 経過措置

第七 その他

 

という内容ですが「第二 感染症法の一部改正」の最初にこう書かれています。

 

第二 感染症法の一部改正
 一 新型コロナウイルス感染症の法的位置付けに関する事項

新型コロナウイルス感染症については、新型コロナウイルス感染症を指定感染症と して定める等の政令(令和2年政令第 11 号。以下「指定政令」という。)により、指定感染症に指定して対策を講じているところ、指定期限を本年1月 31 日から1年間延長したところであるが、今後は期限の定めなく必要な対策を講じられるよう、「新型インフルエンザ等感染症」に「新型コロナウイルス感染症」及び「再興型コロナウイルス感染症」を追加すること(感染症法第6条第7項)。

※ この改正により、新型コロナウイルス感染症の感染症法における法的位置付けについては、「指定感染症」から「新型インフルエンザ等感染症」に変更されることとなる(これに伴い、第四で後述するとおり、指定政令等は廃止する。)。

 

 

つまり、これまで、その扱いに関しては指定感染症として政令で決めていた「新型コロナウイルス感染症」について、晴れて(これは皮肉ですので、誤解のないように)新型インフルエンザ等感染症扱いにするよ、と法律で決めたわけでして。

 

「今後は期限の定めなく必要な対策を講じられるよう」ってことで、これは、感染症法上の措置に関して「2類(1部1類)扱いを5類に」というところからは、さらに遠のいた、とみるべきでしょう(この改正前なら、政令で変更できたわけですから)。

 

 

 


したら、PCR検査陽性(無症状病原体保有)者の扱いは、今後ず〜っと変わらず、それは例えば、ワクチン(無理矢理)接種して抗体ができたとしても、それでもPCR検査では陽性が出るわけで(遺伝子の残骸でもPCR陽性になります!)。

 

もちろん無症状者を含めて隔離・防護対応するという医療措置も変わらず。故に、これから毎年、夏風邪の時期には蔓延防止措置、冬には緊急事態宣言、ということになりかねないわけで。

 

 

国会審議の前にも後にも、この辺りに関する報道はほとんど無かったんだけれども、議員諸氏は、ちゃんと理解して法律改正案に賛成したのかなあ。

 

 

 

 

3ページ目以降はこちら(↓)でご確認を。

 

https://www.mhlw.go.jp/content/000733827.pdf?fbclid=IwAR3qYt-fPUIelZiTAEoQhSmYUtdFJoruvNqZCzAavcNxV3XUJ6JeZG9-Dlk