神とはまさしく金色そのもの! | hermioneのブログ  かるやかな意識のグリッド(の風)にのる

hermioneのブログ  かるやかな意識のグリッド(の風)にのる

バシャーリアン。読むことで意識が変わるようなファンタジーや物語に出会ってゆきたい。

歌舞伎座の『マハーバーラタ』二度目(再演)を見に行きました。インドの壮大な古代叙事詩を元にした、ほぼ現代語のスピーディな歌舞伎。

幕開けからこんな感じ。居並ぶ神々ひとりひとりのメークとか後光とか不可思議ないでたちとか、

 

🌟オペラグラスで見ると、すばらしく気合いの入った神々しい「神」のお姿です。

神とは、見た瞬間にひれ伏したくなるものだとしたら、まさしくこれ……

 

右が人間国宝尾上菊五郎丈。

堂内の仏像であってもひれ伏すと思います。が、動いてお言葉を発しておられます……これが神!

 

🌟ストーリーは……人間の世の乱れを憂いて、「シヴァ神」が踊る(世界の滅亡をもたらす)かどうかという瀬戸際で、神々は世を救う「神の子」たちをそれぞれに生みだそうとします。帝釈天の子の武人、太陽神の子の慈愛を求める平和主義者が、「象の国」の後継争いをめぐって競り合い、骨肉の戦いが起きます。(先王の長女ズルヨーダ姫が、こわすぎる悪女です。)

 

 ↑主人公のカルナ=尾上菊之助と、右が父の尾上菊五郎。楽屋でのいでたちの圧倒的無謀感が、「神オーラ」をかもしだします。

 

「戦争を止めよう」「覇権を求める欲を抑止しよう」というテーマはあるのですが、それでは人間たちの戦いの動物的本能は止みがたく……

 

🌟ガザやらウクライナやらいろいろなことを観客の脳裏に流しこみつつ、けっきょく舞台後に一番強烈だったのは、「神の存在感」でした。これがあるからこそ宗教者は信仰を持ち、鼓舞され、命を賭する。

 

 神は優しいとか倫理とかではなく、「存在」そのもののディグニティなのだ、ということを「様式の伝統の殿堂」歌舞伎は、くっきりとあらわしてみせてくれました。

 うーん、言葉に尽くせない威容。

 

そして最後の神々の場面では、菊五郎丈の隣に、孫の丑之介(9歳)が、あたかも音羽屋の跡継ぎのように居並び……丑之介は菊之助の息子で、成長著しい子役(このコスチュームの役は象の神ガネーシャです)で、今回も難しい立ち回りなどを演じていました。 

 神々の世界も代替わりへという二重構造。

 

🌟なぜ、神々のオーラが金色なのか、今回わたしは問答無用によくわかりました。圧倒的な威服感と同時に慈愛。

 これが神だ!

 

金色のオーラを着ながら歩けば暖かい……神の癒しです。