ちょっと不思議すぎる聖パラレルワールド『封じられた日本史』(保江邦夫) | hermioneのブログ  かるやかな意識のグリッド(の風)にのる

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バシャーリアン。読むことで意識が変わるようなファンタジーや物語に出会ってゆきたい。

 これはタイトルから予想されるような、よくある「陰謀論」本ではありません。

 じつは陰で悪しき力が暗躍していた、という見方ではなく、逆に、表で政治的な弾圧があったために、光明の力が、地下にもぐった、というストーリーになっています。

 

 保江邦夫先生は歴史の専門家でもない「物理学者」なのですが、(名前を出せないひとたちから)いろいろな情報がぽつんぽつんと入ってきて、それがしだいに線をなして、星座のごとく「霊的な力」の動きが見えてきた、とされています。

「史実+著者によるリサーチ、ならびに解釈を優先し」と目次の次のページ扉にあります。

 

⭐️「陰謀論」本のトーンだと、悪しき宇宙人や、それと組んだエゴイスティックなピラミッド構造の支配者、というふうに語られ、なんだか暗澹とするのですが、本書はそれとは違い、まったく意外な明るさで、力強くひっぱっていきます。

 

 例の奇跡的な「伯家神道の継承者として見いだされた話」から始まります。これは明治天皇までおこなわれていた「祝之神事」という、皇統に霊力を与える(現人神にする)神事なのですが、これを著者が京都の巫女からうけついだあと、それがエジプトのハトホル神殿の秘儀だったのだ、というところへ話が大きくジャンプします。

 なんとキリストもエジプトに来て、このハトホル女神の秘儀を受け、神の子として覚醒したとのこと。

 SF? というよりも、力強い真実らしい波動がページに漂っていて、ぐいぐい読まされてしまいます。

 

⭐️若きキリストはインドで修行していた、という話はオーソドックスな歴史研究のほうからも出てきていますが、ユダとの密議で磔刑をまぬがれた(弟のイスキリが代わりに亡くなった)あと、東へ東へと逃げて日本にたどりついた。

 これは日ユ同祖説にもつながりそうですが、保江歴史学では、それらを鵜呑みにした後追いをするのではありません。

 

⭐️イエズス会は実はバチカンからにらまれていた組織で、キリストの足跡を追って日本にやってきたのは、伝道のためではなく、キリストあるいはその子孫を保護しようとするため。

 そのあたりも奇妙に歴史的な手応えが感じられ、そうかも、と思わされます。青森の戸来のあたりにユダヤ人のように彫りの深い顔立ちの人々がいるのは、普通に言われるように、キリスト(アジア系)の子孫ではなく、彼を追ってきたテンプル騎士団の子孫だから。テンプル騎士団の由来も従来のオカルト的な史学と少し違っています。

 

⭐️有名な『ダ・ヴィンチ・コード』はキリストの墓がフランスのレンヌ・ル・シャトーにあるという伝承をもとにしていますが、それもそのまま主張するのではなく、キリストの妻のマグダラのマリアが娘を連れてもどってきて、そこで没した(キリストは日本の剣山で没した)ということに。

 

⭐️ストーリーはそれから、日本におけるキリスト教の布教と浄土真宗の類似点(海外では同一視されている)や、イギリス国教会とバチカンの密約、鍋島藩の暗躍に飛び、家康を庇護した鍋島藩は、イギリスの植民地になるのを恐れ、イギリスと手を結んだとみせつつ、のちの明治天皇になる皇太子の取り替え事件に一枚噛んでみせ・・・・・・(このあたり話が面白すぎます)・・・・・・最後に、明治天皇を支えた神官高濱清七郎が伯家神道を天皇家に伝え、大正天皇がイギリスの植民地政策に屈しないため、ガーター騎士団に入団し、トップに近い地位にあったこと、昭和天皇の霊力のすさまじさ(B29を消してみせたこと、東京原爆投下を阻止されたこと)など、そして現今上天皇に鍋島藩の御別家(明治天皇の血をひく)から、ふたたび「祝之神事」(著者だけでなくこの秘儀を受け継ぐものは複数いる)が行われたこと————で、大いなる円環がめぐりおわります。

 

⭐️水面下で脈々と伝えられてきた「ハトホルの秘儀」は、キリストが秘伝の巻物を日本の剣山に隠し、その内容が伯家神道によって、歴代の天皇に受け継がれ————

 天皇家はキリストと同等の霊力を持つにいたった。

 

『ダヴィンチ・コード』をもっと面白くダイナミックにした、そして現実へと架橋した壮大な物語です。

 本当かどうかは「あなた次第」なのですが、著者保江邦夫先生の信念は「神実」として語られ、「神国」日本の霊的防衛は地球を愛でつつみこもうとしていると・・・・・・

 

⭐️著者の言う天皇の霊力とは、右翼的な国粋主義とは一線を画した、宇宙的な神秘力への信頼と希望のように思われます。

 

ぐいぐいと太い筆で書き記されるこの物語の波動に、心地よくゆすぶられる気がします(証拠書類の断片でつづられる歴史とは違う世界です)。

 読んだあとでは、世界のトーンがひと色増えて、赤外線写真が見えてきたような気がします。

 

⭐️つつじがすっかり満開になりました。

昨日の花咲きサボテンはあとふたついきなり突起が出来て花が咲きかけています。

 

 

これは伊豆シャボテン公園本舗からきた新しいサボテン。

 

おまけ・ 今週のたなくじです。

(たなくじとは、朝の7時前の幼児番組Eテレの最後のほうに、スマホを用意して、めまぐるしく変わる画面に向かってシャッターを切るもの・たなかさんのくじ?)