雅楽には鞨鼓(かっこ)という楽器が
あります。
両手で長いバチを持って
テケテケ…と掻くように鳴らす。
2023年に妹と雅楽演奏会に行ったときに
「あの太鼓って一体楽器として
どんな技量が必要なの?
あれなんの役にたつの?」
って無知全開の妹が訝しんできた😓
リズムさえ刻めば誰でもできるみたいに
見えるから。
でも、実は逆で。
全ての楽器のこと分かってる
経験者で団体の重鎮クラスが
担当する楽器なんです。
雅楽は指揮者がいないから
その役割を担うと言われることもある。
だけどちょっとそれとは違う気もする。
指揮者は演奏に自分の名前を冠する存在。
鞨鼓は違う。たぶんもっと奥ゆかしい。
雅亮会には鞨鼓演奏に定評のある役員の方が
おひとりいらして、私が遠隔から
今まで聴いた音源ではそれが当たり前に
なってたから、比較を通して
明確に言語化できませんでしたが
「やっぱあれ叩くだけじゃないんだなあ」
ってことがこの頃よくわかった。
鞨鼓上手は要するにマネージメント上手。
部下が一緒に仕事したい理想の上司。
冷静でえこひいきなしの人事感覚があり
だからといって冷徹に
部下を実働のコマとして使い捨てず
何より自分がすごいとか思われることより
全体のパフォーマンスの質を上げることに
無私に注力できるタイプ。
俺様タイプの単なるパワハラ上司だと
営業成績だけ要求して部下をただ
締め上げるだけで結果は
聴く方も苦しくなる雰囲気最悪な演奏にw
まさに、オラオラオラオラ
途中からズケズケ入ってきて
必ず月末に数字で締め上げてくるみたいな
フレーズだしw
でも本来は、
常に控えめ、というか皆より一歩ひいて
少し距離を持って
前のめりに自己主張でガンガン
鳴らしまくってる管楽器の隣で
曲にリズムを添え、何より奥行きを
添える。前に座ってても
一人だけ次元は
霧中のしじまに響く水音みたいなのが
理想である気もする
(千と千尋の川の神様の「良きかな」
のシーンを思い浮かべます)。
華やかな舞の芸者さんの傍で
演奏の地方する地味着物の女将さんみたいに、
自分が主役!って決してでしゃばらないけど
全部わかってる包容力がある人、
何よりも、たとえ自分が色々できても常に
一歩ひいて他者を輝かせてあげたいと思える
慈愛、余裕、利他の器量のある人に
向いてる楽器なんだね、
っていうことがしみじみよくわかりました。
だから本来は重鎮が担当するんですね。
(そして重鎮だからって
全員が向いてる訳では全くない。)
