国立劇場の建て替え問題。
 皆さまご存知ですよね?
 
 分野を跨いだ複数の伝統芸能実演家が結集して
 抗議会見を開いたことは記憶に新しいと思います。



 よくわからなかったのは
 古い危ないなら建て替えは結構ですけど
 なぜ、そこを一番よく使う当事者の人々の活動が
 ペンディングにされるような事態に?
 どういう仕切り?コレって
 そもそも誰得の計画なんだろう?ということ。

 この杉本博司の建白書がはっきり書いてくれていて
 やっぱり…と思った。



どうやら。


国は、この一等地の経済効率の悪い建物を壊して

外資とかから「日本安い〜」とか言われる+国内水準ではぼったくりの賃料を取るための商業施設や

これまたインバウンドで「日本安い〜」って大挙してくる観光客が泊まるだろう高級ホテルを国立劇場にくっつけるつもりらしい。


国立劇場も駅中風情にするつもりかっ!!!!


そもそも謎なのは、今世界的に見て流通革命の観点から商業施設の不動産市場崩壊が始まってるというまさにこの時期にまだどこかのデベロッパーがこんな案に乗り気になるんですか?ということ。正直、誰も美味しいと思わないんでは…だからペンディングなんでは??


働き手の確保がどんどん難しくなる

人口減少の国ですし。

もういらないですw 個性のないグローバル水準の

便利でB級でユルフワでどこも一緒の商業施設。

どうせ飲み食いフランチャイズ、グローバルブランドショップとか外資の支社オフィスとか富裕層向けのリッツカールトン系のコンドかなんかでしょ。


ゆったりした敷地に劇場があります。以上!

それを成熟した国の余裕と呼ぶ。


ほんと杉本博司が言うように

パリのオペラガルニエの上がホテル

だったらwフランス人は憤死しますよ。

アラブの富豪がお気に入りの5つ星ホテル、

オペラ座直結ホテルガルニエ、みたいな😱

絶対ありえない〜


杉本博司自身は、秘匿性のある融通の効かないホンモノの芸術の本物感を近代的な概念で鮮やかに把握する作風の人なので、前者がなくなったら彼自身商売あがったりなんです。(彼は芸術家ではなくて極上のマーケッターだと思います。)


芸術の本物感は駅中風情の商業施設では絶対買えませんので。いくら箱のグレードアップに大金積んでも無理なものは無理。芸術を担うのは人であって箱じゃないんだから〜


普通。春日大社建てかえてユニクロ入れないよねw

そんなこというとただ荒唐無稽で笑っちゃうけど。


こうやって収益では測れない大切なものの

砦をマーケティングとは無縁なところで

粛々と護るひとたちが少しずつ少しずつ

追い詰められていく様子を見てると、


最後の砦である

聖域だってひょっとしたら

永遠に安泰じゃないかも?とさえ思う。


資本主義的な効率のオブラートに体よく包まれた暴力的な提案に対して、国民は守るべきものは守らないといけないってちゃんと言わないと。


たとえ代案が「ずっとちょこちょこ修繕」とか

「商売に役立たず」だとしても。


ほんと優先順位がおかしい国の有り様に驚いています。