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千葉ヘリテージング100選について

千葉県とマイクロソフト社の協同事業で「シニア・ショートムービー・コンテスト」というのがあります。MSのムービーメーカーで編集したスライドショーの作品コンテストで、応募資格は千葉在住か在勤の60歳以上のジジババに限るとあります。私も資格十分。

3部門あって、①県民の日PR用CM部門 ②気に入りの千葉の観光地・景観部門 ③次世代に伝えたい地域文化・行事部門いずれも60秒以内

で、気になる賞ですが、大賞(知事賞)は賞状及び副賞(県物産品詰合せ5千円相当)、マイクロソフト賞(4千円相当)、環境生活部長賞(3千円相当)と、明らかに賞品目当てでなく、創作意欲で参加する人を相手にしていることが見て取れます。

ちょっとやってみたいテーマを思いついたので、②の部門に挑戦することにしました。それは「千葉ヘリテージング100選」です。
4年ほど前に毎日新聞の創刊135周年記念として「日本ヘリテージング100選」という特別編集の企画に携わったことがあります。そのことを思い出して、千葉県だけで100選は可能だろうかと考えたわけです。


ヘリテージング見聞ログ@BLOGさっそく文化庁の有形文化財リスト、土木学会の近代土木遺産リスト、日本の木造校舎や木造駅舎リストなど、手持ち資料をひっぱり出して勘定してみました。


ヘリテージング見聞ログ@BLOG明治・大正・昭和初期生まれの千葉の近代遺産、その気で探すとあるものですね。たとえば小湊鉄道の駅舎だけでも味のある無人駅が10もあります


ヘリテージング見聞ログ@BLOG大正14年生まれの上総鶴舞など駅舎としては日本有数のヘリテージング・スポット。佐原や大多喜町の商家群、浦安の古民家、銚子や野島崎の灯台などなど、数だけなら軽く100は超えてしまいます。
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問題はレベルです。ヘリテージングに値する魅力があるか…。


というわけで、行ったことのない物件をこの目で確かめることにしました。

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もちろん、ショートムービーの素材撮影を兼ねてです。足は、我が「ヘリテージングⅢ世号」(ホンダのスクーター・シルバーウィング600)です。



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まずは松戸にある「栗山配水塔」。見てびっくり!こんなに美しい配水塔が千葉にあったとは…。ついでに近くの「戸定邸」へ。これは徳川慶喜の弟が明治になって建てた典型的大名屋敷、いまは150円払えば誰でもこの重要文化財の座敷に上がれます。高台から眺める落日は絶品!



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こんな具合で、松戸・浦安方面をいち日スクーターで走り回っただけで未知との遭遇だらけ。千葉ヘリテージングに関する知見の貧しさに我ながらがっくりです。


逆に、身近な場所にまだまだ魅力のあるヘリテージング名所が隠れていることが分かり、ちょっと嬉しくもありといったところ。


ヘリテージング見聞ログ@BLOG皆さんも地元都道府県のヘリテージング100選を勝手に認定してみてはいかがでしょう。出来上がった100選リストは、ぜひヘリテージング協会へお知らせください。


ところで、ショートムービーはすでに完成しました。
パッヘルベルのカノンをバックにナレーションは自演です。音源使用料とかガソリン代、高速料金を考えると、万が一大賞を射止めたとしても赤字は必至。でもこれが、千葉の後期高齢者…じゃなかった、「シニア」の創作意欲なのだ。


なおこのコンテストは未発表作品に限るとありますので、出来立ての作品をご紹介できませんが、千葉県のホームページでは全応募作品を1月18日~2月6日まで公開するそうなのでお楽しみに。











北海道 苫小牧バスツアー報告


今年2回目のヘリテージング・バスツアーは、苫小牧・千歳市周辺で行われました。
8時45分に苫小牧民報社のホールに16家族35名が集合。いつものようにパナソニック社のルミックスが子供たちに貸しだされました。デジカメがあれば、ヘリテージングは10倍楽しくなるというわけです。
さすがにゲームで鍛えられている子供たち、複雑な高級デジカメをマニュアルなしでいきなり使いこなしてしまいます。私たちの子供時代(昭和30年代)に、もしデジカメを渡されたらどうするでしょう。この子たちの子供たちはどんな進化を遂げるのか、空恐ろしくなります。

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さて苫小牧は王子製紙の企業城下町です。町のど真ん中にデッカイ煙突がどんと立っている。
明治期の日本にとって洋紙生産は近代化に欠かせない産業でした。それまで和紙で済ませていた生活が文明開化の世となり、新聞、教科書、紙幣すべて洋紙を使うことになり、輸入一辺倒だった洋紙の国産化が急がれたのです。紙パルプの原料となる木材と、発電のための水力に恵まれた苫小牧に白羽の矢が立ち、日本の洋紙生産の中心地となったのです。

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ヘリテージング見聞ログ@BLOG こういう明治期の近代化産業物語は、経済産業省が66話にまとめていて、全国各地の関連施設には経産省の「近代化産業遺産」認定プレートが飾られています。当然、今回の苫小牧・千歳ヘリテージング・バスツアーは、66話のうち「明治の製紙産業」がメインテーマとなります。
常日頃「ヘリテージングはお勉強じゃなく観光だから楽しんでね」といっているのですが、どうなんでしょうね、苫小牧の子供たちは古い発電所を楽しんでくれるのでしょうか。


ヘリテージング見聞ログ@BLOG 結果から報告しますと、地元の子供は意外と地元を知らない。崖の上の展望台から眼下の谷底にのびる導水管、その先に小さく見える明治生まれの現役発電所の眺めは絶景です。初めての私はもちろん感動しましたが、子供たちも歓声をあげていました。
苫小牧にはすばらしいヘリテージング・スポットがあります。

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コース 
苫小牧民報社 → 王子製紙千歳川第1発電所 → 支笏湖山線鉄橋(近代化産業遺産)
→ 恵庭渓谷散策 → 千歳市内北海道まるごと市場にてカニづくし昼食! → 鮭の自動捕獲機インディアン水車見学 → 北大苫小牧演習林森林記念館(有形文化財)


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無事にバスツアーを終え、その日の便で東京に戻るスタッフと別れ私は札幌へ向かいました。札幌からちょっと足を延ばして余市のニッカウヰスキー工場とニシン漁の古い建物をヘリテージングしたかったからです。その模様は別の機会に譲るとして、今回は写真だけアップしておきます。思いがけず時計台の館長さんにもお会いしました。
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福井ヘリテージング・親子バスツアー・レポート

11月23日(火)午前8時、福井新聞社ロビー集合。参加者は子供20名、保護者19名の17家族。いつものことながら初対面の家族どうし、緊張気味なのかバスが走り出しても少々ぎこちない。とりあえずバスガイドさんからマイクを借りてヘリテージングの説明を行う。「ヘリテージングは社会科の勉強ではなく観光レジャーとして楽しんでもらいたい…」。保護者には理解されるのだが、小学生にヘリテージングのだいご味はちょっと難しいかもしれない。とはいえ私もこれでバスツアー10回目、子供たちの好奇心をくすぐるツボはなんとなく分かるようになった。

まずは「福井ヘリテージング・クイズ」のルール解説を始める。これから回るヘリテージング・スポットにまつわる問題をあらかじめ7問出し、1日かけて答えを探してもらうのだ。ツアーの最後に答え合わせをし、全問正解者には賞品が出ることを大げさに宣言する。(実は全員が正解できるよう、オリエンテーリングのように行く先々でヒントを出すのです)
単に古い建物を見て解説をきくだけでは、子供には退屈きわまりない。そういうわけで、この「世界ふしぎ発見」的エンタテイメント要素は子供ヘリテージングには不可欠なのです。
ヘリテージング見聞ログ@BLOGヘリテージング見聞ログ@BLOG福井新聞社を出発して1時間、バスは敦賀港へ到着。有形文化財の赤レンガ倉庫とランプ小屋を見学。さてここで問題です。「この建物のレンガの積み方は何という積み方でしょう?」(1イギリス積み 2フランス積み 3ドイツ積み 4アメリカ積み)


レンガの積み方はバスの中で教えてあります。こどもたちは実際の建物を見ながらデジカメで証拠写真をパチリ。まあ、こんな感じで福井のヘリテージング・スポットを巡るわけです。もちろん、この問題をつくるためにいろいろ調べなければならず、私自身にとってはいい勉強になります。


ヘリテージング見聞ログ@BLOG大正元年、新橋・敦賀港駅間に直通列車が開通し、敦賀港からはロシアのウラジオストックまで連絡船で渡り、ウラジオストックからはシベリア鉄道でヨーロッパ各都市に向かう、これが「東亜国際連絡列車」です。当時、新橋駅でパリ行きの切符が買えたのです。



こういうトリビア的雑学知識は、知っていた方がヘリテージングがより楽しくなります。ちなみに、それまでパリに行くには船で40日かかったのが、この「東亜国際連絡列車」だと17日で行けた。思わず「へぇ」が出ますね。


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福井ヘリテージングコース
福井新聞社→敦賀港ランプ小屋・赤レンガ倉庫・旧敦賀港駅舎→敦賀市立博物館(旧大和田銀行本店)→昼食→越前和紙の里で和紙すき体験→武生公会堂記念館→福井市水道記念館


































え!「借りぐらしのアリエッティ」が、青森の「盛美園」だって。

$ヘリテージング見聞ログ@BLOG ジブリの最新作「借りぐらしのアリエッティ」見てきました。悪いけど、テーマもストーリーも設定もフに落ちず、消化不良のまま映画館を出ました。まあ、ゲド戦記のときのような強いガッカリ感はないけど、どこかのブログに「ポニョ>アリエッティ>ゲド」という評価がありましたが、オジサンも同感です。(これはあくまでも個人的な感想です)

 さて、その後知って驚いたのですが、アリエッティの舞台モデルになったのは「盛美園」だそうです。$ヘリテージング見聞ログ@BLOG青森県平川市にある「盛美園」は、私の中では一、二を争う気に入りのヘリテージング・スポット。とにかく美しい庭園です。交通の便にちょいと難があり全国区の知名度はありませんが、和洋折衷の建物「盛美館」は、この和風庭園を眺めるために建てられながら、逆に庭園の風景をより引き立てる役割を果たしています。「なつかしい」「めずらしい」「うつくしい」を完璧に備えた一級のヘリテージング名所です。
 私が行ったのは4年前の秋ですが、ひっそりとした庭園を散策するのは私以外に二、三人だけでした。ジブリ人気でこのところ観光客がどっと増えたとのこと。


ヘリテージング見聞ログ@BLOG 「アリエッティ効果」は喜ばしいことではありますが、盛美園はあまり広くないので、団体バスが押し寄せると庭園鑑賞どころではなくなるかもしれません。小人さんも逃げ出すでしょうね。 
 ところで、この盛美園のどこがアリエッティなのかやっぱりフに落ちない。イメージ的に重なるものでもあるのか。制作者がイメージを触発されただけなのか。
$ヘリテージング見聞ログ@BLOGどっと増えた観光客はどう納得するのかしらね。
 ムリにアニメの面影を求めなくても、盛美園は盛美園。ヘリテージングだけで十分楽しめます。
 で、アニメはアニメ、そもそも主人公の名前がアリエッティ、生活環境はすべて英国調、クルマは多摩ナンバー、庭に住む野性の小人少年がアメリカ先住民…ファンタジーなら何でもアリエッティ…かよ!などとヤボなツッコミはしないこと。
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ととのいました!「灯台」とかけて、「イチロー」ととく。

$ヘリテージング見聞ログ@BLOG そのココロを発表する前に江の島の続き。江の島の象徴といえば島の真ん中にそびえる展望台。私の記憶ではちょっとブコツな青い鉄塔でしたが、正しくは「展望灯台」というのだそうです。
 昭和26年に江ノ島電鉄が建設した、国内でも数少ない民間灯台。平成14年に現在の白いおしゃれな新・展望灯台に変わりました。
 小田急「片瀬江の島駅」の写真撮影を終え、江ノ電「江の島駅」に向かう通りをブラブラしていると、ちょっと気になる看板が目に入りました。
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 「日本でたった一つ灯台グッズの店」。

 灯台はヘリテージング・ファンにとって憧れのジャンルです。ほとんどが明治初期から昭和戦前に造られた、いうなれば美しき近代遺産群。
 さらに、岬の突端とか離島の高台といった辺鄙かつ絶景ポイントにあって、基本的に駅から徒歩5分などという場所にはない、高嶺の”美女”なのです。
$ヘリテージング見聞ログ@BLOG さて、店に入るといきなり「こ、これ、欲しい!」。精密に縮小されたアメリカ製のミニチュア灯台がずらり。値段は7、8千円から1万2千円くらい、
 「ここからあそこまで包んでチョーダイ!」そういう「セレブ買い」ができるはずもなく、せめて写真にと店の方に撮影許可を求めた。
 「どうぞ、どうぞ」にこやかに応対してくださったのがオーナーの山口さん。住んでいたボストンで灯台のとりこになり、帰国後、アメリカにあって日本にはなかった灯台グッズの専門店を開いたそうです。
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 オーナーを中心に筋金入りの灯台愛好家たちが集まり「ライトハウス・ラバーズ」という同好会も結成され、いまや国内のみならず、アメリカ東海岸、カナダ、ハワイ、スコットランドと、年に1、2回の灯台ツアーを楽しんでいる最強の「灯台ヘリテージング」軍団です。うらやましい! 
 お店の名前ですが、「灯台守」を意味する「ライトハウスキーパー」といいます。
 さて、「灯台」とかけまして、「イチロー」とときます。そのココロは…「ライトがヒカってます」。

当ホームページで紹介している灯台

千葉県犬吠埼灯台 http://www.heritaging.com/1000/0061.html
青森県尻屋埼灯台 http://www.heritaging.com/1000/0071.html
*このホームページはすべて自前の写真を使用しています。尻屋埼は未訪問のため写真はありません。