世界の終わりは、ドカンとデカい爆発じゃなくて、メソメソとやってくる――。
これは、T・S・エリオットという詩人の『虚ろな人々』という作品の中の一節です。この詩人について知らなくても、フランシス・フォード・コッポラ監督の戦争映画、『地獄の黙示録』で引用されていたのを耳にされた方は多いでしょう(かくいう僕も、原文は読んだことありません)。
推定少女の解散には、まさにこの言葉がピッタリ当てはまるような気がしました。
本日、東京プリンスホテル・パークタワーで行われた、推定少女にとって最後のイベント『フレアイ☆イベント FINAL!』。
泣きじゃくるLissaに対し、Rinoは(目こそ潤ませていたものの)終始淡々とした感じだったのが印象に残っています。「なんだかまだ実感が湧かない」と言っていました。この発言だけをとっても、解散が本人たちの意志でないことは明白です。
Rinoといえば他にも、「もっと充実した推定少女になって戻ってきます!」と言った後で、「あ、今日でもう『終わり』なんだよね」と訂正するといった一幕もありました。ある意味「器用」なLissaと違って、自他共に認める口下手のRinoだけに、つい本音を漏らしてしまったということでしょうか……。
イベントは、地下1階にある、カラオケ・ボックスのような狭い部屋で行なわれました。3回公演で、一回につき入場できるのはたった50名ほど。僕が参加したのは最終回です。
解散は先月に急遽決定したとのことで、ちゃんとした会場を借りる余裕もなかったみたいです。とはいえ、推定少女は「ミュージシャン」なのですから、こんな内輪のパーティーみたいな形ではなく、「コンサート」で幕を閉じてほしかった。
内容に関しても不満が残りました。ソロ・コーナーは不要だったんじゃないでしょうか。あくまでも「推定少女」のファイナル・イベントなのだから、もっと二人が一緒に歌っている姿を目に焼き付けておきたかったです。
あと、歌ってる最中に、過去のライブの映像を流すのもやめてもらいたかったな。気になって歌に集中できない……っていうか、それ、DVD-Rにでも焼いて売ってくれ!
ついでに言うと、推定少女って、あれだけライブ・パフォーマンスに重点を置いていたグループなのに、ライブ作品を一枚も出していないんですよ。売るためのコンテンツが山ほどあるのに、どういうわけだか売ろうとしない――推定少女が商業的成功を収められなかった原因は、そこにあるのだと思います。
セットリストは事前に決まっておらず、その場で適当に選曲していたみたいです。以前、ファンサイトで好きな曲のアンケートを取ったときに上位に入っていた、『失恋ソング』や『情報』は聞けませんでした。その一方で、同じ曲(『しょうちのすけ』)を2回も披露。リハーサルすら行なっていなかったらしく、全体を通して歌やダンスのミスが目立ったのも残念です。それでも、最期ということもあってか、なかばヤケクソぎみに盛り上がっていましたが……。
終盤に差し掛かると、RinoとLissaが直筆のメッセージ・カードを配りながら客席を回り、参加者の一人ひとりと握手していました。どうせなら、記念撮影の時間も作ってくれればよかったのに。
「推定少女」というグループは、いちおう今月末までは存続するということになっています。
マネージャーによると、その後の彼女たちの動向については、今のところ未定とのこと。「推定少女が解散しても、二人はまだ事務所に所属するんですか?」と尋ねても、「ホームページをチェックしてください」の一点張りでした。
発表されてから、わずか約1ヶ月半後の解散。本来であれば、そんな慌しい最中で会場を手配し、イベントを開催してくれたということにだけでも感謝すべきなのでしょう。
とはいえ……こんなんで終わりかよ、というのが正直な感想です。
推定少女の歴史が、このように不完全燃焼のまま幕を閉じてしまったということは、どうしても悔やまれてなりません。