アルコール依存症治療専門病院を退院して
俺は DNC(デイナイトケア)センターという中間施設へと入所した



DNCセンターは病院の すぐ隣にある
ので病院を退院したんだか してないんだか わからなくなる時も 正直あった



とは言え 入院中と違うところも いろいろあって
その中のひとつに

自助グループに参加するのも しないのも 自由

というのが ある



ほとんどの人が 『自由にしていいのなら』 と参加しない

俺は とにかくDNCセンターを はやく退所したかったから積極的に参加した
けれど 他の人たちと まったくいっしょで
最初の半年間は イヤでイヤでしかたなかった
イヤなところしか 目に入って来なかった

1年 経った今でも イヤイヤ通っている



ただ 以前と 変わったところがあって
イヤなところしか目に入らない ということがなくなった
好きなところも見つけることが出来るようになった

人の話を聞くかぎりでは どうやら 誰でも通る道のようだ



この頃の日記には 自助グループでの出来事が まったく 出てこない
思い浮かべることすら イヤだったようだ
・・・どんなことを感じていたんだろう・・・
今となっては なんとも もったいないような・・・



自分のための 自助グループなので
腹を立てながら参加するのも
笑いながら参加するのも
はたまた参加しないのも

自由だ



1年前は とにかく 怒りながら通っていた ような 気がする
何に?自分に??

記録がないから わからない
今となっては なんとも もったいなく感じる
アルコール依存症治療専門病院を退院して 俺は
DNC(デイナイトケア)センターという中間施設へと入所した



入院中に読んだ文藝春秋での 辰巳芳子さん・福岡伸一さんの対談『食料は燃料ではない』という記事が すごく面白くって退院してからも 忘れずに気になっていたのだが

この頃 福岡伸一さんがテレビに出演されているのを見かけて その時のお話の内容をメモに書いている



『自己というものは、他者との関係性の中にこそある。自分探しをする時に自己の内面にそれを見出だそうとしてはいけない。』



ハッ とさせられる思いでテレビを みた



俺は 入院するまで とことんの孤独で

・・・酒を自分の思うように飲みたかったことが原因だから

けして孤独になりたかったわけじゃないんだけど・・・

飲み方がおかしくて 人と いっしょに 飲めないから

いつも 孤独で

それでも やっぱり さみしくて

酒 を飲みながら のめり込むようにインターネットに 人の ぬくもりを探して

結局 見つめていたのは 自分のこと だけだった

あんな生活してたら 破綻して 当たり前だったのか



福岡伸一さんのお話を聞いて そんな風に 思った



『細胞は、まわりとの相互関係の中からその役割を果たしている。まわりとのやりとりなしに耳をふさいで自己主張しているのはガン細胞だけだ』



分子生物学者の福岡伸一さん には 細胞の擬人化が過ぎると感じることも時々あるんだけど

俺のアルコール依存症からの回復というものは この人がいなければ 絶対になかった

入院中 文藝春秋を読んでなかったら

この時のテレビを みていなかったら

この人の本を読んでなかったら

今 俺は おそらく 生きては いないだろう と思う



こういう時に見つける人が 宗教家とかじゃないところが 実に 俺らしくて なぜだか とても誇らしく 嬉しい
福岡伸一さん が大好きです
アルコール依存症治療専門病院を退院して 俺は
DNC(デイナイトケア)センターという中間施設へと入所した



DNCセンターは とにかく ヒマだ
ということもあって
何か 資格の勉強や 自分を高めるための勉強をしたい !!
と俺は 燃えに燃えていた



飲食業で働いていた 俺はいったい 何を勉強すればいいんだろう・・・

やっぱ 会計学かなあ

飲食業に復帰するのは無理みたいだ

必ず再飲酒しますよ と病院からは言われている

そんなもん わかりゃしねーじゃねーかよ !!

・・・とは言え 危険が高いのは間違いなさそうだ

なんの仕事に再就職するかはわからないが

会計学なら なんの職業にでも生かせる !

よし 会計学の勉強をしよう



と 当時は結論を出した



飲食業の世界で 個人的な依頼に基づいて
日本全国を舞台に活躍していた
俺にとって(もちろん これは おそろしく かたよった主観による見解です)

飲食業への再就職にダメ出しを出されたのは とても つらかった

酒を扱う現場は もちろんのこと
就労時間が不規則であるため 自助グループへの参加が困難になり
病院が持っているデータによれば 飲食業に復帰した場合は 100%(!)再飲酒につながっている

とのことだった



・・・じゃあ なんの仕事をしろってんだ・・・

・・・わからん

とにかく なんの仕事にでも生かせる勉強をしとかなくっちゃ



と 会計学を勉強するにあたり
具体的には簿記の資格試験について勉強することにした



の だ が



これが めちゃくちゃ難しかった

結局 はっきりしたことは
アルコール依存症治療専門病院や その病院のDNCセンターなんかにいる間には
資格試験の勉強なんか 全然 頭に入らない !!
ということだった

病気についての 勉強だったら なんとか出来るんだけどね~・・・
それとも簿記の勉強なんて むいてなかったのかな

1年 経った現在では なんの資格の勉強も してません
仕事に行きながら 自助グループに行きながら 資格試験の勉強をするなんて・・・

絶対ムリ 笑

出来ない と断言は出来ないし 取り組もうとすることは けして悪いことじゃないとも思う けど

俺には 出来ませんでした

白黒思考に支配されやすい俺にとっては
このくらいの諦めを許すくらいが ちょうどよいかも知れない
とか 考えたりもするんです けど・・・

『なんの仕事に再就職するかはわからない』というのがいけなかったのかもしれませんね