ここ数年、Youtubeでヘラ釣りの動画を見ることが減っているのだが、その代わりにバスやスズキなど他の魚釣りの動画を見ることが多い。他の魚種の釣り人の動画の方が、釣り具やマナーなどについて考えさせられることが多いということがある。

 

そのせいか、Youtubeのおすすめ動画で村田基による動画が紹介されることが多い。好き嫌いは別にして、彼の動画を見ることは少なくない。その中で、「(中略)ナマズを捨てている人に注意しても効かない時の対処法は?」という動画がある (2年前にアップされた切り取り動画になる。リンクを張ったら変な形になったので削除した。気になる方はYoutubeで検索していただきたい)。

 

この動画では、釣り上げたナマズをリリースしたり、持ち帰ることなく、護岸に捨てたままにする釣り人がいる。その死骸を見つけたカラスは別の場所に移して食べることがあるが、その食べ残しが腐敗して臭くなる。そうすると、近隣住民から「釣りを禁止してくれ」と嘆願書があがり、霞が浦が釣り禁止になってしまう。だから、ナマズを放置するなというのが、この動画の論旨になる。結局は自分の釣り場(霞が浦)がなくなってしまうので止めろ、とういうものだ。この時は、それっぽいことを言っているなという程度で、自分のブログで取り上げるつもりは全くなかった。

 

最近、引用元は忘れてしまったが、Yahooで似たような記事が転用されていた。これならば他の釣り人により拡散されるだろうと思っていた、ヘラ師によるブログや記事などは一向に見当たらなかった。それならば、自分で取り上げようかなと思っていると、釣りニュースから先のYahoo記事を追いかける形で記事が出た。

 

 

この記事では、ナマズを放置しているのがヘラ師と限定されている。いやいや、コイ釣り師もそうだ、と反論したくなるが、霞が浦におけるヘラ師とコイ師の比率と、それぞれの釣り師が一日に釣れるナマズの数を考えると、犯人はヘラ師になるのかなと想像してしまう。もちろん、「キチンとした統計を取らなければ断定できない」というのは当然の話だが、だからといって、ごく一部のヘラ師やコイ師の仕業と言えるのであろうか。

 

ジャミが釣れる釣り場で釣り上げた外道を桟橋に放置するヘラ師は珍しくないと思う。

自分が行く釣り場だとダムではハスやヤマベが捨てられていることがある。トンビやネコにやるわけでもなく、ただ干からびさせているだけだ。また、神扇池だと数回の釣行で一回くらいは桟橋に放置されたワタカを見ている気がする。以前、隣りの釣り人が釣り上げたワタカがまだ生きており、桟橋の上でバタン、バタンと跳ねていたので池に返したことがある。このとき、当人を見たら反論することはなく、恥ずかしそうに笑っていた(苦笑いかな)。そんな思いをするならば、最初から逃がしてやれば良いのに。また、どこの釣り場か忘れたが、桟橋を歩いていると放置したクチボソを踏んずけてコケそうになったことがある。このときは、いい加減にしろと注意したが、注意されたヘラ師は今でもジャミを桟橋の上に放置しているのだろうか。大量に放置されていたのと自分の経験からいって、霞が浦にナマズを大量に放置したのはヘラ師の可能性が高いと思っている。

 

それでは、バス屋が捨てたという可能性はないのだろうか。

ルアーに寄せる力はあまり期待できないことから、バス釣りでは足を使ってバスを探して釣ることがほとんどと考える (一か所に留まって回遊を待つような釣りもあるが、それは冬の厳しいときかと思う)。だから、今回の犯人となる可能性は低いと考える 。一か所に大量のナマズが放置されていたということもあって、ナマズを寄せて釣ったものと考える。

 

昔、新潟に住んでいたころの話になる。柏崎の堤防には様々な釣り人が居たが、中でもクロダイ釣りを狙っている人の多くは紀州釣りをしていた。特徴としては、ウキを使い、ダンゴで包んだエサをポイントに投入する釣り方だが、トップが付いているウキを使う点や、ダンゴで寄せて差しエサを食わせるという点はヘラ釣りに近いものを覚える。さて、彼らの周りにはフグや大きなボラが日干しされることが多かったことを覚えている。当時はそれを見て注意することは全くなかったが軽蔑していた。数十匹の魚を殺したところで魚全体の数から考えたら無視できる程度でしかなく、所詮釣れない八つ当たりだろ、と呆れていた。

 

こういう人達は、自分が費やしたエサやコマセ、言い換えれば投資したものが回収できないことに腹が立つのだろう。例えば、管理釣り場なんかだと「今日は2枚しか釣れないので1枚1,000円だ」と文句を言っていることを聞いたりする。モノの価値観には色々な捉え方があるが、釣りを一枚いくらと損得で考えることと魚を虐殺することの根底にあるものは同じ線上に乗っていると思っている。


 

そして、釣り人の都合だけ考えるのはどうかと思う。霞が浦での漁業者は自分の職場を汚されることをどう思うのか、憩いを求めて霞が浦に来るランナー、サイクリスト、ファミリーや、それどころか近隣の住人は腐敗臭を我慢しなければならないのか。人に迷惑を掛けても、自分達の快楽を最優先すべきなのだろうか。

 

冒頭に戻るが、村田は先の動画の中で、

「ヘラやコイを釣っている人が多少捨てちゃうのは、わからなくはない。バスマンが捨てて、どーすんだクソ野郎」

という発言している。

いや、違うだろ。どの釣り人でも放置すべきではないのだ。

 

この人の話を聞いていると、子供を叱るのに「あのおじさんが怒るでしょう」といっている親と大差が無いように感じる。もし、ナマズを駆逐する理由があるならば、食すなり、ゴミとして捨てるなど適切に処理すべきで、コミュニティーに迷惑をかけるものではない。2年前に動画を介して警告していることは高く評価するが、上の視点が欠けているのが残念だ。

 

最後に、ヘラを釣っていると稀にヤマメ、マスやワカサギが掛かったりするが、「クソッ、外道か」と言いつつも、ニコニコして持ち帰って食べる。もちろん、アメリカナマズも食べたいと思っている。アリゾナにいたころはフィッシュタコスの魚にナマズが使われたこともあったので美味しいのは知っている。放置するのではなく、食べてしまえば良いのだ。この点でも、先の蛮行は許せない。もったいないだろうと😤

 

それでは、また。