先日、カップラーメンについて書いたが、書くキッカケとなった論文1を紹介するのを忘れていた。ヘラブナ釣りとは関係ないが、自分への注意喚起という意味で紹介したい。

 

 

 

 

普段から料理の塩気が足りないと感じて、常に食塩を使う人は、滅多にそうしない人と比べて、2型糖尿病を発症リスクが39%も高くなる、というもので、塩分に注意しなければならない自分にはドキッとする内容になっている。

 

 

ここでは、イギリスのUKバイオバンクに登録されている成人40万2982人を対象に食品に塩を追加する頻度と2型糖尿病リスクとの関係を分析している。中央値11.8年の追跡期間に参加者1万3000人以上が2型糖尿病を発症している。通常の料理に食塩を追加する人は、塩を全く/滅多に追加しない人と比べて2型糖尿病の発症リスクが高くなる。食塩を追加する頻度として、たまに追加する人は13%、時々追加する人は20%、常に追加する人は39%と、塩味を好む人ほど発症リスクが高くなっている。

 

ここで気になることは、

「なぜ砂糖の取り過ぎではなく、塩の取り過ぎが2型糖尿病のリスクを高めるのか」

ということだが、この点に関する詳細な議論は充分になされていない。


食塩の使用と2型糖尿病の関連を示しただけで、食塩が直接の原因ではない可能性があると考えている。例えば、食塩の使用頻度が高い人は、それだけ不健康な食事をしているかもしれない。糖尿病の解説ページを読むと「高塩分で濃い味の食事は、つい食べ過ぎたり、飲みすぎたりするために体重増加の原因になります」といったことを書いてあるし、確かに、塩味の濃い味付けはごはんなどが進む (気になる方は「塩分制限 糖尿病」などで検索に掛けて調べていただきたい)

 

 

結局のところ、将来、糖尿病で苦しまないためにも、日頃から砂糖だけでなく塩分の取り過ぎにも気を付けるべき、というのが現時点の自分の見解となっている。糖にしろ、塩分にしろ美味しい物には多く入っているので、これらを減らすのは辛いことだが仕方ない。困ったことだ。

 

それでは、また。

 

【引用文献】

1. X. Wang et al., Mayo Clin. Proc. 98, 1641 (2023).