■ALS de马马虎虎 ■
人工呼吸器の電源を切って殺人罪に問われた母親
全身の運動神経がマヒして、人工呼吸器に頼らないと生きられない状態になったALS患者が「死にたい」と言った時、周りの人は死なせてあげることができるのかどうか。ALS患者の「死ぬ権利」をめぐる議論を取り上げてました。
平成16年8月、神奈川県相模原市で起きた事件は、この議論の発端となりました。40歳の男性患者の人工呼吸器の電源を切った母親が殺人罪に問われました。しかし、この患者は生前、延命治療を望んでいなかったことが分かりました。患者が自分自身で電源を切ることができれば自殺になりますが、ALS患者はそれさえできません。
この母親は24時間、一人で介護をしていました。30分に一回の痰の吸引をしなければならない過酷な介護を、たった一人で行うのは無理があったでしょう。疲れ果てた母親が、息子の将来を悲観し、本人の“希望”を叶えるカタチで電源を切ったというのは心情としては理解できます。しかし、今の法律の下ではあくまで殺人罪が適用されざるを得ませんでした。
続く