土日は人で混雑しているので、何処へも出かけない方針でしたが、禁を破って、奥多摩の三頭山に山登りに行きました。どうしてかというと、連日、晴天ではあっても、午後から、雷雨注意報が出るので、なかなか出かけられず、6日日曜日は、予報では特に山沿いもその注意が出ていなかったので、意を決して出かけました。僕は、車の免許も持っていないので、公共機関を用いざるを得ません。五日市線の終点、武蔵五日市駅のバス乗り場には、バスを待つ行列もできて、臨時のバスも出ました、登山口は「檜原都民の森」で、駅からほぼ1時間でした。「都民の森」(すでに標高が1000mほどあります)というと、ちょっと森林公園の類のようなイメージもありますが、れっきとした三頭山の山域であり、国立公園内にあるので、当該法により、自然が保全されています。かなり広いブナ林があることも、この山の貴重な財産です。
9時過ぎには、登山口に着きました。舗装した道を登ると、すぐ左手に階段があり、三頭山に関する情報やヴィデオなどが見られる森林館があり、ちょっと立ち寄った後、まず大滝セラピーロードを辿りました。緑陰で、ウッドチップが撒かれた、気持ちの良い路で、セラピーの名に恥じません。15‐20分ほどして、落差35mもある三頭大滝が眺められる滝見橋に達しました。もうここまで来ただけで、来てよかったと思いました。
その後、当初は、「石山の路」「深山の路」を経る遠回りのコースを辿る予定でいたのですが、より森林浴が味わえる、三頭沢ぞいの「ブナの路」を登っていくことにしました。苔むす岩、涼しく感じられる沢音、野鳥のさえずりで、もうすっかり暑さを忘れるというか、ちょっと冷えるぐらいでした。ところが、快さに注意力を失い、標識を見損なってしまい、「ブナの路」ではなく、「コマドリの径」に入ってしまいました。でも結果的には、こちらの方が、登り坂が急でなく、つらくなかったことです。ただ、メインルートではないので、人の姿はありませんでした。
稜線に出ると、途端に登山客の姿がかなり見えました。東峰(西峰、中央峰、東峰の3つのピークから成るので三頭山と呼ばれるのです)まで0.4㎞の標識がありました。多少へたばってきたので、きついかなと思っていたら、急登もなく、平坦な部分もあり、ブナの原生林も広がり癒されて、さして苦労することもなく展望台もある東峰に到着。残念ながら、雲がかかっていて、展望は得られませんでした。そこからすぐのところにある中央峰。ベンチがあったのでここで昼食。しかしブユ(ブヨ)のような小さな虫がまとわりついて、ゆっくり食べれず終い。西峰へも、あっというまでした。こちらは、割と広く、立派な石の標柱が立っています。好天なら、南に富士山、北に雲取山が展望できますが、この日は駄目でした。ベンチもあるので、夏休み以外の平日なら、ここで昼食をとるのがいいのでは、と思いました。
まだ正午ごろで、山を下るのも惜しかったのですが、今日初めて履いたトレッキングシューズのつま先あたりがやや窮屈で痛くなってきたので、念のため早めの下山。15分ほどして、ムシカリ峠着。ここから東にブナの路をたどります。それほど急な下りでもなく、まさに森林浴を満喫しました。ただムシカリ峠の標識板に、三頭大滝まで30分との案内があったのですが、これは、ちょっと無理な感じがしました。ガイドブックにより所要時間が異なることもよくあるように、標識板にも、時々難点がある場合があるように感じます。あくまでも僕の感じ方ですが、40分が標準だと思いました。
滝見橋に着いて、もう一度、大滝を眺めた後、セラピーロードを通って、森林館に戻ったのは、午後1時10分で、バスは、5分ほど前に出ていました。次のバスは2時半。数馬には日帰り温泉施設があり、ぜひとも立ち寄りたいと思いました。数馬から奥多摩湖周遊道路をバスで上って10分ほどでしたので、1時間もあれば、駆け下れると信じて、実行しました。駆け下っている時になって、周りは山にまだ囲まれていて、この炎天下の中、熱中症になったら、どうしよう、と急に不安になりました。でも後戻りはできません。昔だったら、呼び止めて車に乗せてもらうこともよくありましたが、最近は、行われなくなっているようです。まあ、とにかくふらふらになったら最終手段として、そうしようと考えているうちに、道路のわきに、数馬の宿泊施設の看板が見られるようになって、数馬の集落が近いことが分かり、大丈夫だ、いけると確信しました。数馬のバス停に着いたのは、駆け下って40分ほど、足が痛むのもすっかり忘れていました。考えてみれば、無謀な行動だったのですが、登山後、炎天下の中を走れたのは、大きな自信にもなりました(ただ、無事に済んだのが幸運と考えて、二度とこのようなことはいたしません)。
温泉入浴して一時間後、帰りのバスに乗ったときは、これで、7時頃には帰宅できると思いました。しかし、今日は日曜日、行楽帰りの車による渋滞に巻き込まれ、五日市の駅には、1時間以上遅れてようやく着きました。ひどく疲れを覚えました。結局、帰宅したのは、8時40分頃、NHK大河ドラマ『べらぼう』も視られませんでした。やっぱり休日に出かけるのはやめておこう、と改めて思った次第でした。
三頭山とても気に入ったので、この夏何回か通おうと思っています。ブナ林の素晴らしさを体感できるところは数少ないのですから。ブナ林は保水能力が高く、養分に富んだ土壌を形成し、豊かな生態系、生物多様性ををはぐくんでいます。僕自身現在、地球の温暖化をひどく懸念しています、ただ憂うるばかりでは、人に共感してもらえなません。ブナ林のような自然の恵みを享受して、その喜びを伝えることも大切なことと考えています。



