個人投資家が、長期投資を続けることは、成功するひとつの鉄則で、昨年惜しくも亡くなった山崎元氏は、オルカンに投資して、後は余計なことをしない「ほったらかし」投資を推奨していた。しかし僕は性格的にとてもそれを実践できず、時間の余裕もあるので、自分が投資している米国ETFや投資信託の株価を毎日チェックして、手帳につけている。続けているうちによく理解できたのは、円安になると、米国株価が多少下がっても、日本の投資信託版、例えば、S&P500の基準価格は逆に上がる場合もあることだった。そういったケースがままあることに気づいて、ドル/円のレートも必ず記入することにした。だから今では、過去の為替相場と株式相場の相関関係を、手帳で確認できるようになり、手帳は、投資する際の貴重な資料となっている。つまり僕の場合は、「ほったらかし」投資をしなくてよかったケースだということだ。「ほったらかし」投資は、あくまでも本業の仕事に忙しく、投資に時間をさけない人や、面倒くさがり屋の人などに適した方法なのだ。僕は、これまでの投資経験から、投資のスタイルは、年齢、資産状況、性格、家族状況などによって、一人一人異なるべきと考えている。だから、よく「どの投資信託、個別株に投資するのがいいですか?」といった質問は、質問された方も答えようがないし、もしこれこれがいいですよと回答したとしたら、良心的ではないと思う。そもそも上のような質問をするということは、まだ投資初心者であって、はっきり言えば、勉強が足らないのだ。株価や為替レートが誰にも毎回確実に予測できない以上、投資先を決めたり、いつつぎ込むかは、人に答えを求めるべきでなく、絶対に自分で「決断」すべきことなのだ。積み立て投資がいいのは、いわゆる「感情」(これが多くの場合失敗のもと)に流されず、ずっと続けることで、平均点以上の成果を上げられるからだろう。大きく成功することも無ければ、ひどい失敗になることもないのだ。
結局、投資はもうけようとしてやるものではなく、長期的計画、目標をたてて、資産運用する手段として考えるべきなのだ。有名な経済評論家が「投資はギャンブルだ」と乱暴で愚かしい発言をしている。ひと昔前だったら、間違っていないと言えたかもしれない。しかし、新NISA制度が始まり、また現行の年金システムがあやうい面をもつ以上、国民(特に若者)が長期投資を始めることは、将来に備える最適解と思える。よく生計を見直して、浪費をやめよう、節約しようと唱える人がいるが、節約にも限度があり、度を越した節約をすることにより、心に余裕がなくなり、周囲にも気を払わなくなり、卑屈になってしまう危険性がある。それに、人が皆節約に走れば、当然のことながら、世の中も不景気になって人の心も暗くなり、治安も悪化して(最近頻発する強盗事件の背景には、若者の貧困があると僕は考えている)、最終的には国家自体も不安定となってしまう。浪費は確かに良くないかもしれないが、多少浪費できるくらいが、実は一番好ましいのではないだろうか。
今、生鮮野菜が高騰している。それに円安で、物品の値上げも顕著だ。近くのスーパーに行くと、売り出しの日には、僕のような高齢者の姿が目立つ。物価高騰で消費支出は減少し、このままでいくと、スタグフレーションになりかねない。その波を一番あびるのは常に経済的弱者なのだ。悲観的に考えることはしたくないが、最悪のシナリオを思い描くことは、心の準備としてすべきことであろう。
いよいよ今日20日、トランプ氏米国大統領に就任し、つぎつぎと大統領令が出されることが予想されている。コメンテーターは皆口々に、「不確実さ」を口にする。政策がどうあれ、急激に変えることにより、社会が混乱をきたすことは、これまでの歴史が教えてくれてきた。今週は日銀の会合もあり、利上げを議論するということだから、日米の金利も大きく揺れ動くであろう。市場はすでに織り込み済みということで、このところ円高に振れてきている。前にも書いたが、どう転んでも、ショックは受けないように、心の準備だけはしておきたい。