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放射性ストロンチウムの体外排出に アルギン酸


放射性ストロンチウムの体外排泄[編集 ]

アルギン酸を形成するウロン酸 は、1ユニットに1つカルボキシル基を備えている。カルボキシル基はイオン交換能 が高く、周辺のカチオン と容易に結びつき、塩を作る性質がある。また、多価カチオンの場合は複数のカルボキシル基が架橋構造をとり、錯体 を形成する。アルギン酸はカルシウム (Ca) との親和性が高いことが知られているが、カルシウムと似た挙動をとるストロンチウム (Sr) とも同様に錯体をつくり、不溶性の塩となる。この性質を利用して、消化管内に取り込まれた放射性Srの体外排泄に関する研究が数多く行われ、ヒトでの実験においても、顕著な効果が認められている。

Hespらは、アルギン酸ナトリウム10gを飲用し、20分後に85Srを飲むと、体内残留率が1/8になることを報告している[4] 。また、西村らは、ラット を用いた動物実験において、アルギン酸をあらかじめ10日間投与して予備飼育した後に85Srを投与すると、85Srの体内残留率が顕著に減少することを見出した[5] 。さらに、アルギン酸の予備投与期間が長いほど85Srの体内残留率が低くなることから、アルギン酸を日常的に摂取しておくことで、放射性ストロンチウムの体内取り込みを低減させる、防護剤としての役割を果たせることを示唆している。


Wikipediaより