※2024年6月18日更新、善峯寺の紹介は一番最後にあります

 

京都市西京区大原野は、平安京以前からの古社として知られる大原野神社を中心とした地域です。(三千院で知られる大原とは別です。) 京都のメジャーな観光スポットから離れているためなかなかメジャーになりませんが、良いところはいくつかありますのでご紹介します。

なお大原野神社から近い順にご紹介。

 

正法寺(通称:石の寺)☆

通常公開。同名の素敵なお寺が八幡市にありますが、こちらも負けず劣らず素敵です。

ご本尊は三面千手観音像(重要文化財)。普通は頭上に十一面が小さく載ってる感じなんですけど、ここのは顔の左右に大きめのが2面あるんですよね。けっこうレアです。

正法寺はお庭で知られています。前庭は奇岩やよく剪定された梅や松、生け垣の雰囲気がとても良くて、

メインとなる『鳥獣の石庭』はカエル石やらペンギン石やらがあって、見立て(発見遊び)が愉快です。桜の時期にはさらに美しくなります。

大原野出身の日本画家による伸びやかな襖絵も素敵ですし、ホント見どころの多い楽しいお寺だと思います。

 

勝持寺

通常公開、ただし2月は閉門。花の寺として有名です。大原野神社からは徒歩圏。風情のある境内です。

ここのオススメは瑠璃光殿(収蔵庫)の仏像群。ダイナミックな十二神将や彩色の良く残った日光月光菩薩も良いんですけど、

中央の薬師如来が最高。壺から薬をつまみ取ろうとするたいへん珍しい姿です。お顔や腕がむっちりしていて運慶っぽいリアルさがあります。


宝菩提院願徳寺

通常公開、ただし2月は閉門。勝持寺に隣接しています。日本一小さな拝観寺院とも言われるほど小さく、お堂が一つあるだけです。ご本尊は如意輪観音菩薩像で、この像がなんというか、圧倒的です。国宝。平安時代前期に彫られたと考えられるお像で、どう見ても日本人仏師が彫ったものではないでしょう(大阪の道明寺の国宝像と同じ匂いがします)。衣文のうねりが超絶技巧です。

以上の3つは大原野神社から徒歩圏内です。機会がありましたらセットでどうぞ!

 

善峯寺

2024年6月に再訪しましたので写真を差し替え、大幅に加筆修正しました。

ここだけは大原野神社から徒歩圏ではありません。というかどこからも徒歩圏ではありません(笑) でもアジサイの時期には多くのひとがここを訪ねます。そこかしこにアジサイが植えられています。

 

展望はすごく良いです。

 

古い宝篋印塔。

 

多宝塔(重要文化財)の隣には樹齢600年以上のでっかい松(天然記念物、遊龍の松)があります。

下から見ると松の力強さが感じられます。フライングドラゴン!

 

僕らが訪ねた日、アジサイは満開でした。しかも朝に軽く雨。

 

 

アジサイ苑には摩滅しかかった古い石仏がいくつもありました。

 

すり鉢の底から見上げたアジサイ。

 

みんなアジサイ苑で満足して帰っちゃうのですが(笑)、がんばって階段を上がっていくと、

 

展望がすごくいいところに出ます。ここからの眺めを堪能せずに帰るのはちょっともったいない。塀を低く造っているところがニクイですね!

 

 

☆オススメ一覧

 

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