昨年3月末と7月中旬、京都市花園駅のすぐ近くにある法金剛院に行ってきました。
花の時期に短期間だけ一般公開するお寺で、公開時期は直前まで分かりません。
春の写真でこのお寺さんを紹介します。
門構えは小さく愛らしい感じです。
受付を通って順路を進むとすぐにこんな感じのところに。
桜の下で山吹が咲いています。
本堂前の枝垂れ桜。
ピンクの椿。
本堂に入り、国宝の阿弥陀仏坐像を拝みます。
丈六です。
かつては定朝(平等院鳳凰堂の阿弥陀如来の作者)の作品と信じられてきましたが、いまでは否定されているようです。しかしいずれにせよ、ドリーミングで素敵な阿弥陀様です。
(公式HPより)
お隣にはド派手な十一面観音さまも坐っていらっしゃいまして、そちらもなかなか素敵です。
本堂を辞し、庭を散策します。
すぐに目に飛び込んでくるのは青女の滝です。
平安時代の庭の遺構で、発願者と作庭者がハッキリわかっている唯一の例です。
作庭者が2メートル近い高さの人工の滝を作り、「前例がないものができた!」と発願者の待賢門院に胸を張って報告したところ、しょぼいと言われたらしい(笑) 数年後、待賢門院はこの滝をさらに高くせよと作庭家に命じ、結果、倍ほどの高さになったという文書が残っています。
この「青女の滝」をみると、一度完成した滝石組みのあとにさらに石を積み上げて高くしたのがはっきり見て取れます。文書にある通り!
まさに伝説の滝です。
青女の滝の水は遣り水となって池に流れ込みます。
池の方に向かってみましょう。
池には石が立てられており、中島が設けられています。
こちらの中島には椿が植えられており、花が苔の上に散っています。
池の向こうに本堂と枝垂れ桜が見えます。
池の西側に阿弥陀仏のお堂がある、ということはいわゆる浄土式庭園ってやつですね。
西方浄土を拝む図式です。
池の周囲の苔もなかなか風情がありました。
個人的な見解では、法金剛院はお庭(特別名勝)や阿弥陀仏(国宝)を見るべきお寺であって、花はオマケです。
しかしオマケとしてはハイレベルです!
オマケだけを目当てにする人もいるくらい(笑)
訪ねる人はそこまで多くはないですが、ホントにいいお寺です。
なお、2023年春の公開は本日3月25日から4月9日まで。
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