米国など世界各国から現代の奴隷制度を批判されてきた日本の技能実習生が育成就労制度へ。

 日本の技能実習制度は外国人が最長で5年間、働きながら技能を学ぶことができるが、厳しい職場環境に置かれた実習生の失踪が相次ぎ、人権侵害の指摘があるなどとして、政府の有識者会議は今の制度を廃止するとした最終報告書をまとめた。
 それによりますと、新制度の目的をこれまでの国際貢献から外国人材の確保と育成に変え、名称も「育成就労制度」にするとしている。
 そして、基本的に3年で一定の専門性や技能を持つ水準にまで育成する。
 専門の知識が求められる特定技能制度へのつながりを重視し、受け入れる職種を介護や建設、農業などの分野に限定する。一方で、特定技能への移行には、技能と日本語の試験に合格するという条件を加えた。

 また、これまで原則できなかった別の企業などに移る「転籍」は、1年以上働いたうえで、一定の技能と日本語の能力があれば同じ分野にかぎり認めることにした。期間をめぐっては2年までとすることも検討されたが、制度が複雑になるなどとして盛り込まれなかった。
 さらに、実習生の多くが母国の送り出し機関や仲介者に多額の手数料を支払って来日していることを踏まえ、負担軽減を図るために、日本の受け入れ企業と費用を分担する仕組みを導入する。