飴工房パパ・ブブレの話 | アンリの思い出と刹那なる心象

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酒・食・旅・美術・映画等の思い出と心象をエッセイとして綴ります。


だいぶ前の話だが、中野の新井薬師銀座通りを歩いているとお洒落だが不思議なお店が目についた。

看板には「PAPA BUBBLE」と書かれている。
一見しただけでは何を売っている店かわからない。

実験で使うような色とりどりの液体の入っている薬瓶のようなものが店先のショーウィンドーに並べられている。

中に入ってみると長い台の上で何かをこね、伸ばして、切っている。
眼の前で飴を作っている。
なるほどこのお店はキャンディー屋さんだったのだ。

店内には様々なキャンディーが瓶や袋に入れられディスプレイされている。
タブレットタイプのものもあれば、金太郎飴みたいなものもあった。
フレーバーも様々で、ローズやベルガモット、アニス味まである。

エル・ブリを彷彿させるこのセンスはスペインかなと思ったら、やはり本店がバルセロナにあるという。

金太郎飴はバリエーションが豊富で見ていてとてもかわいい。
作り立ての飴であるから旨いに決まっているが、食べてみると程よい硬さと甘さで美味しい。
一つ一つの香りと味のバランスがいい。
特にストロベリーのキャンディーは苺の香りが口の中一杯に広がる感じがとても心地よい。
ベルガモットなど本物のエッセンシャルオイルを使っていると見た。

本物志向である。

モーリスという色々なフレーバーのキャンディがいくつかずつ入っているものがお薦めである。
小さな金太郎飴もしっかり入っている。

店の方も感じがいい。
写真撮ってもいいですかと尋ねたら快く対応してくれ、撮影しやすいようにさりげなく協力してくれた。
人も店も明るく気持ちのいいところだった。
ちょっとしたお土産にはこのお店のキャンディはとてもいいのではないだろうか。