甘いものに酒を合わせる話 その5 | アンリの思い出と刹那なる心象

アンリの思い出と刹那なる心象

酒・食・旅・美術・映画等の思い出と心象をエッセイとして綴ります。

オレンジリキュールの最高峰グランマルニエの中に別格の高貴な枯れた味と香りを誇るグランマルニエ・サンサンカネールというリキュールがある。
このリキュールは味や香りも素晴らしいが、発売当時の瓶の艶姿には惚れ惚れとしてしまう。


ジャンドゥーヤをつまみながら、このリキュールをサンルイ・クリスタル・トミー・リキュールグラス・ヴェールなどに入れて飲んでいる女性を見たら、間違いなくゾクゾクとしてしまう。


もう1つの思い出は、昔銀座にあったコート・ド・フランスのトリュフショコラのことである。
コート・ド・フランスはパリの名店であるが、トリュフショコラをパリから空輸し、銀座で売っていた。
サルバドール・ダリのような風貌の紳士や銀座のクラブのママたちがよくこの店のショコラを購入していた。
このトリュフショコラを、あるバーで、ジャンヌ・モローのような風貌のフランス女性が、黒ビールに合わせていた。
きっとあの黒ビールはブラッスリー・デュ・ペイ・フラマンのアノステーケ・インペリアル・スタウトだったと思う。
ブラックベルベットという黒ビールとシャンパーニュを合わせたカクテルにしないのが心憎い。
この時のかっこいい映像は私の心の中で未だにシャッターを切って止まったままでいる。