「い、今、気にぶつかったよね?」
愛子が確認するように言った。
「……」
全員が唖然とした。
カッパとハーピーが突然消失したのだ。
「なんだろ、実はこの木が入口だったりして……」
そう言って、日和が二者が消えた木を触ろうとして……
「あ、え? う、うわあああぁぁぁぁー」
触ろうとした木が透けて、大きな悲鳴を上げてどこかに消えた。
「!」
またもや全員唖然。一瞬の出来事だった。
「日和まで……」
「この木、何か怪しいね」
今度はユイが木に触れようとする。
そして……
「! うわあぁぁっ! 何もない!」
ユイの手は簡単に木に突き刺さった。
いや、実際は何も触れていないらしい。スカスカしている。
ユイが気に向かて足を一歩出してみる。
すると、バランスを崩して木の方に消えていった。
「うわあぁぁぁぁぁ~」
「……」
だいたいカラクリがわかってきた。
どうも木に見えるのはダミーで落とし穴みたいなものがあるらしい。
「どうする?」
「行くしか……ない?」
全員で視線を合わせて、木の向こう側に行くことに決めた。
僕が最初に飛び込む?ことにした。
「あ、何もない」
木に触れると思って手を伸ばしたが、触れない。
違和感があった。
勇気を出して体を木に向けて進めると、透けた。
「う、うわああぁぁぁー」
そして、地面もなかった。
僕は声を上げながらどこかに落ちていった。
「イテテ」
最初は落ちていく感覚だったが、途中から崖がお尻に接して、滑り台を降りているみたいな感じになって、どこ
かに着いた。
「あ、アキも来た」
「もしかしてみんなも?」
先に行った、日和とユイがいた。日和は人の姿に戻っていた。
「ねぇ、ここって何?」
穴に落ちた感覚からすれば、地下と思われる。
しかし、空が明るかった。
電灯などの人工的な明るさではなく、空には雲が流れている……
「えっ」
目の前の光景に理解できなかった。
すると、後ろからドンドンメンバーの叫び声が聞こえてきた。
「みんな来ちゃった」
結局、やおよろずのメンバー、全員がこの謎の空間にやって来た。
すでにこの空間に入ったと思われるハーピーと河童の姿はなかった。
不思議な空間を認識したメンバーが各自で様々な感想を述べる。
ここは一体何なのか?
「あ、向こうに建物が見える」
ハヤセがそう言って、指差した。
その先には、伝承園で見た藁葺きの建物が確かにあった。
「行ってみよう……」
僕らは訳がわからないまま、藁葺きの建物を目指した。