「子供はわかってあげない」 大人は判ってくれない | 走ることについて語るときに僕の書くブログ

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タイトルの通り。
ワタナべの走った記録です。時折、バスケット有。タイトルはもちろん村上春樹さんのエッセイのパクリ。

 

あらすじ
高校水泳部の美波(上白石萌歌)はマニアな趣味がきっかけで門司くん(細田佳央太)と知り合う。美波にはある過去があって門司くんに打明けると・・・。
 
 
あらまし
「南極料理人」「横道世之介」「おらおらでひとりいぐも」などの沖田修一監督が同名漫画を原作に撮影。「羊と鋼の森」やTVドラマ「義母と娘のブルース」「3年A組」の上白石萌歌。相手役には「町田くんの世界」で抜擢された細田佳央太。斉藤由貴、古舘寛治、千葉雄大、豊川悦司らが映画初ヒロインの上白石を盛り上げる。
 
 
かんそう
観た直後は上白石萌歌の水着姿とか短髪とかまんまる顔とかばかりが残って夏を舞台にした爽やかポップなコメディ。走ったり泳いだり楽しかったなあ、、、というのが第一印象。
 
 
 
ところが
①作品タイトルはヌーベルバーグの巨匠、トリフォーの出世作「大人は判ってくれない」(1954)のもじり
②主人公はとある経緯で海辺にたどり着く
③主人公には深刻さ?を感じると笑ってしまう癖がある
 
などに気を付けてみるとちょいとお笑いだけのコメディじゃないことに思えてくる。
 
↑「大人は判ってくれない」は 不仲の両親や無理解な教師に反抗。不良少年とされた主人公を題材にした作品。ラスト近く、疾走する主人公を超長回しで撮ったシーンが話題を呼んだ、、、らしい。

 

 

以下、①~③について軽くふれておきます

①もじりらしいんですが、原作がどの程度パロディしてたかは分かりません。映画では校内の階段を駆け上るシーンを長回しにしてました。「大人は判ってくれない」の走る長回しに呼応させてるのかな?かな?もともと沖田監督は長回し好きなので思い違いかもです。

 

②「大人は・・・」では走った果てに海辺に出た主人公。急にカメラ(後ろを?)を振り向くというシーンが印象的でした。本作では沖田監督が「海辺」にこだわったことを美術監督の安宅氏が語っています。海ならヒロインの水着姿が必然・・・と考えたわけではない(たぶんww)とすればある演出意図があると思います。ヒロインが海を去るときその場で振り向いたかどうか、、、から自分は感じることがありましたがどうでしょう?

 

③「大人は・・・」の主人公は社会や大人に対する怒りで自身の存在をアピールしていました。本作のヒロインは笑い癖があるようです。泳いでいて笑う、顧問の演説に笑う、そして、、、。あたかも自身の存在を感じたときに、それがシビアであればあるほど笑っていたように思いました。ヒロインのとある過去から類推すると「笑うことで乗り越えてきた」哀しい習慣がヒロインにはあったのだと思いました。そうするとラスト近くの母(斉藤由貴・・・うまい!)との対話や門司君と対話が通り一遍のシーンではなく複雑な心理が動いていることを感じました。

 

 

この作品、とても好きな作品になってます。長いけど上白石観てると飽きないのです。

二回目を見たくて仕方ないです。新しい発見があるように思えてなりません。

 

 

あ、あと、冒頭。ホントに「子供はわかってあげない」?なのか?入るトコ間違えたのか?と思うかもしれませんが我慢。

 

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