『悼む人』 天童新太



第140回直木賞受賞作品。


悼む人・坂築静人をに関わる人を軸に、悼む人の必要性や目的

人間の死生観だとを浮き彫りにしていく作品。




2010年に読んだ作品の中で、一番素晴らしいと感じた作品です。


静かで重たいテーマの中にも、前向きで明るく希望があり力強い作品だと感じました。

必ず、読めば必ず心に残りものがあります。


是非、たくさんの方に読んで頂きたい作品です。


『三匹のおっさん』有川浩




定年退職後、近所のアミューズメントパークに再就職した剣道の達人キヨ。

柔道家で居酒屋「酔いどれ鯨」の元亭主シゲ。機械をいじらせたら無敵の頭脳派、工場経営者ノリ。

孫と娘の高校生コンビも手伝って、詐欺に痴漢に動物虐待…身近な悪を成敗。




三匹のおっさんが悪者を成敗する様子が痛快で面白かったです。


キヨの孫・祐希とノリの娘・早苗との淡い恋にヤキモキするノリが

あぁ・・・世も父親達はこんな風に娘を思っているのだろうか?と面白くもありました。


今回、イラストも多めにあったのですが2話の最後にイラストには

思わず笑ってしまいました。


今回、扱っていた犯罪が私達の生活から、そんなに遠くはない所にあるものだと思うので

色々と考えさせらえる物語でもありました。




前にも書いた事がありまますが、有川さん作品のキャラクター達は活き活きとしていて

本当に何処かに居るんじゃないかと思ってしまいますね。

三浦しをん『神去なあなか日常』





神去村の人たちはおっとりしている。

彼らの口癖は「なあなあ」で、「ゆっくり行こう」「まあ落ち着け」など、いろんな意味に使われているが、語尾にも「な」がつくので、のんびりした感じになる。

神去村には林業従事者が多く、百年単位んの作業をしているので、あくせくしてもしようがないと思っているみたいだ。

俺は平野勇気。高校卒業式の後、俺の行き先は、担任の先生と母親に決められていた。

この神去村で、林業の研修生として働くことになっていたのだ。

ローカル線の終点の駅に出迎えに来てくれたのは、髪を金髪に染めたヨキというガタイのいい男だった。

チェーンソーの使い方など教えられたところで、俺は「綠の雇用」というシステムの応募者にされたのだと知った。

しかし、「やっと神去村に若者が来た」と涙ぐんでいるおじいさんを前に帰るとは言えなかった。俺の山の生活が始まった。……。




2010年本大賞入選作品。



面白かったです!


普通に生きていれば、絶対に知る事のなかった林業という仕事についても少しは知る事が出来たのが

個人的には、大きな収穫でした。


自然を相手にするお仕事ってのは、技量や長年の感が必要で本当に大変なんだなぁ。と思ったのと

同時に、自然を感じられる仕事にはPCや人と向き合う仕事では絶対に味わえない

素晴らしさがあるだな、と思いました。


後は、神去村という架空の村ではありますが、その自然の雄大さやキレイさが凄く上手く表現されていて素晴らしかったですし

主人公の小さい恋心にも、ほっこりしました。


清一さんを想い続ける勇樹さんが切なかった。




神去村が本当にあるなら行ってみたいなぁ。。。


と、思いつつ・・・

私は絶対、田舎には住めないですが・・・。