ヘムレンさん毎日ぼんやり -3ページ目

ヘムレンさん毎日ぼんやり

単なる個人的な覚え書き

サスペンデッズの芝居は、まずストーリーで語るべきなんだろうが、今回は配役が見事にはまっていたことに感心した。
登場人物はそれぞれにいろいろな事情をかかえている。でも、その事情が明らかになることは、ない。諸々のことがどうなったか分からないまま終わっていって余韻を残す。その余韻がよいと思う。
ただ、芝居内芝居、SMプレイの中途半端さはなんだか気持ち悪い。やるならちゃんとやってよと言いたくなるなあ。
いろんな予定が入っている狭間だったので、見ようかどうしようか悩んだのだが、見てよかった。傑作だと思う。普通の人からすれば相当な本数の芝居を見てる理由は、自分にとって面白い作品を見逃すのが恐ろしいからに他ならない。映画みたいに、上演前のレビューもなく、観劇後に他人のレビューを読んでも同意できないことのほうが多いのだから、自分にとって面白い作品をみつけるには見に行くしか方法がない。はっきり言ってギャンブルだ。
「ヒッキー・カンクーントルネードの旅」作・演出で出演している岩井秀人のひきこもりの演技は神がかりだ。彼以外にこの演技が出来るとはとても思えない。今回、配役を代えた「初めて組」「経験者組」に分かれていて、「初めて組」は見ていないのだが、この役をやるのはいやだろうなあ。それほどに岩井秀人の演技はすごい。
その引きこもりの兄を全面的に肯定して、周りから守りさらにプロレスごっこまでしてしまうかわいい妹。いろんな見方ができる芝居だと思うが、この妹を描きたかったと考えてみると、面白かったりする。
面白かった~。役者がみんな生き生きしている。役者自らの作演出ということで、鴻上尚史の呪縛から解き放たれて自由にやっているみたい。本公演は、物語は面白いし、役者もちゃんと演じているんだけど、どうもそれ以上になれない感じ。背後に鴻上尚史の影が見えて演技が縮こまってしまっているんじゃないかと心配してしまう。
で、今回は役者たちが好きなようにやった結果という感じ。
諸々未完成だったりするけど、それはそれで楽しい。時々はこんなのもやってくるといいなあ。1500円っていうのもうれしい。