マルコ福音書12章13-17節
(マタ22:15-22,ルカ0:20-26)
〔新共同訳〕
13さて、人々は、イエスの言葉じりをとらえて陥れようとして、ファリサイ派やヘロデ派の人を数人イエスのところに遣わした。
14彼らは来て、イエスに言った。
「先生、わたしたちは、あなたが真実な方で、だれをもはばからない方であることを知っています。人々を分け隔てせず、真理に基づいて神の道を教えておられるからです。
ところで、皇帝に税金を納めるのは、律法に適っているでしょうか、適っていないでしょうか。納めるべきでしょうか、納めてはならないのでしょうか。」
15イエスは、彼らの下心を見抜いて言われた。
「なぜ、わたしを試そうとするのか。
デナリオン銀貨をもって来て見せなさい。」
16彼らがそれを持って来ると、イエスは、「これは、だれの肖像と銘か」と言われた。彼らが、「皇帝のものです」と言うと、
17イエスは言われた。
「皇帝のものは皇帝に、神のものは神に返しなさい。」彼らは、イエスの答えに驚き入った。
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(雑感)
「皇帝のものは皇帝に、神のものは神に」
とても印象深いことばです。
信じて聖書を読み始めた頃、
すぐに覚えた御言葉の一つでした。
「カイザルのものはカイザルに、神のものは神に」
聖書の世界を何も知らない者をも、なぜか肯かせます。
これによって、信ずる者が、「世」に引く「線引き」の境界線の姿を明確にイメージとして浮かび上がらせることができるように思えたものでした。とても明快で気持ちよいくらいです。
イエスさまの知恵に驚きます。
「世のもの」と「神のもの」を区別できる霊性、知恵。
信ずる者は、絶えずその選択の中で生きることになりますネ。
「見分けられる」という神の知恵に感謝です。
我らアダムとエバの子孫は、多分、狡猾な者の接近に弱い。
「神由来のもの」をしっかりと識別し選択できるようにと願います。その知恵を求めていくことができますように。
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解説を見て見ます。
■BIBLEnavi989P
神の信者として、私たちには神と政府の双方に対して正当な義務がある。しかし 優先順位を保つことが重要である。
2つの権威が衝突するならば、神に対する義務が常に政府に対する義務より重要でなければならない。
皇帝の肖像がある硬貨は皇帝に返されるべきであり、神の肖像を持つ私たちの生涯は神に属している。
あなたは、神のものを正当に神にお返ししているだろうか。
■新実用聖書注解1380P
<納めるべき>(14)と言えば。ユダヤ人の心はイエスから離れて行く、<納めるべきでない>と答えれば、ローマに対する反逆となる。口では敬い、陰では罠を仕掛ける<擬装(カムフラージュ)>(15)である。
(略)
ユダヤ人は、ローマの平和、経済、交通と、ローマの恩恵を受けていた。となれば、その通貨で社会的な責任を果たすことは妥当である。
ただ、貨幣に皇帝像が刻まれているように、人には神の像が刻まれている(創1:26-27)、そう考えると、<神のもの>(17)とは、人そのものである。
人は究極的に神の支配下にあり、その魂と忠誠は神にのみ属する。
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■clay解説全文
〔イエスを陥れるための質問〕
民衆の暴動を恐れた祭司長、律法学者、長老たちは、ローマ総督の力によってイエスを抹殺する計画を立てます。
税金問題を取り上げるなら、必ずイエスを陥れることができるはずです。そこで彼らは、パリサイ人とヘロデ党の者数人をイエスのところに送り、税金に関する質問をさせます。これは、奇妙な組み合わせです。
パリサイ人は政治的には反ローマ、ヘロデ党員は親ローマです。本来は敵対していた者同士が、イエスを共通の敵として協力しています。
彼らは、イエスにこのように質問しました。
「ところで、カイザルに税金を納めることは律法にかなっていることでしょうか、かなっていないことでしょうか」。
もし、「律法にかなっていない」という答が返ってくれば、ローマ総督に訴えることができます。
「律法にかなっている」という答であれば、イエスは完全に民衆の支持を失います。
どちらの答でも、イエスにとっては不都合な結果をもたらします。
〔イエスの知恵〕
イエスはこのジレンマを、知恵によって乗り越えます。
当時のパレスチナでは、数種類のコインが流通していました。ローマのコイン、ギリシヤのコイン、ツロのコイン、そして、ユダヤのコインなどです。
ローマの税金は、ローマのコインで納めるという規定がありました。
宗教的なユダヤ人たちは、ローマのコインを持つことを極力さけていました。それが必要になった場合は、自分でデナリ銀貨を鋳造し、ローマに税金を支払っていました。
イエスはまず、デナリ銀貨にカイザル(皇帝テベリオ)の肖像が刻まれていることを確認させた後、「では、カイザルのものはカイザルに返しなさい。そして神のものは神に返しなさい」とお答えになりました。
クリスチャンは、地上の市民権と天上の市民権を持っています。
神に従順であることが私たちの第一義的な使命ですが、地上の支配者への責務も無視してはなりません。
神への従順と、地上の権威への従順とは、必ずしも矛盾しません。
あなたは今、困難な問題に直面していますか。
もしそうなら、上からの知恵を求めましょう(ヤコブ1:5)。
神は必ず脱出の道を示してくださいます。
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きょうの祈り
天の父なる神さま。私が困難に直面する時、どうか天来の知恵で満たし、あなたが用意された道へと私をお導きください。主イエス・キリストの御名によって祈ります。アーメン。
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2023年12月25日(月)17℃☀&☁&☔?
さきほどまでは、
とても日射しが心地よく、
久しぶりに穏やかで気持ちのよい朝、
を満喫しておりましたが、
何やら曇ってまいりました。
風も冷たいです。
天気の変わりやすい一日となりそうですネ。
今年もあと1週間。
慌ただしい年の瀬。
でも、そこから逃れる道もある。
「責任」の一つ一つから解放される。
もしくは、手放していく。
「必要最小限」。
そう思うと、幾分
ゆとりっぽさがやってきて、
幸せな気分にもなる。
ささいな生活にも
幸せに浸るコツがあるのだネ。
それなりに。
「困難を知恵で乗り切る」
「知恵」って すごいんですネ。
神さまの「知恵」を求めていけますように。
尊き主イエスの御名によって感謝致します。
ハレルヤ
アーメン