ブロック病の進行した一六歳の少年が、最後の頼みの綱としてロンドンのクィーン・ヴィクトリア病院のA・A・メイスンのもとへ送られてきた。
少年の体は首から上を除いて全身、黒い角質の外皮で覆われていた。
「さわってみると皮膚は爪のように硬かった。そして柔軟性がまったくないために少しでも折り曲げようとすれば表面に割れ目ができ、次には血痕の混じった漿液がにじみ出てくるのだった。」その割れ目から感染が起こり悪臭を放つ。
そのため少年は学校へ行くこともできなかった。生まれたときからこの姿で、それまでの生涯をさまざまな治療に費してきた。最後には首から健康な皮膚を採って患部へ移植することも試みたが、皮膚が付くとすぐに同じ結果になってしまうのだった。
メイスンは催眠術にも優れていたので、少年が非常に催眠術にかかりやすいたちだということがわかるると、すぐ暗示による治療を始めた。一九五一年二月一〇日から始めた最初の治療期間は、左腕だけに注意を集中した。二月一五日になると硬い外皮がきれいに抜け落ちて、非の打ちどころのない柔かいピンクの肌が現われた。
「一〇日目には肩から手首にかけてすっかりきれいになった。」次にもう片方の手に進み、残りも同じ方法で治療を続けていった。数カ月後には症状はほぼ完全に消え、少年ははじめてふつうの生活を送れるようになったのである。そして電気技師の見習いとなり、「五年間の追跡調査では、患者はなお健在で、恐ろしい追伝形質の脅威から免れている。」
(『生命潮流』 ライアル・ワトソン)
詳しくは知りませんが、「シーターヒーリング」が同じ様な話をしていると思います。
意志の世界は思いのほか、奥が深いようです

