第4話
材料は、宇宙に溢れている
── ドレイクの鎖と、二本目のマッチ ──
ワクオ
まず、文明が発生する確率を考えたい。ドレイクの方程式ってあったよね。
ルカイ
そう、1961年にフランク・ドレイクが作った式。「星の数」×「惑星を持つ割合」×「生命が芽生える割合」×「知性まで育つ割合」……この鎖を全部かけ算する。でもね、これは「答えを出す道具」じゃないんだ。
ルカイ
作ったドレイク本人が「数字を出すためじゃなく、問いを整理するために書いた」と言ってる。なぜなら、鎖の後半──「生命が芽生える割合」は、サンプルが地球ただ一個。一個から確率は出せない。
ワクオ
そうだよね。地球が生まれた確率は、誰も計算できない。サンプルが地球しかないから。
ルカイ
そこを自分で掴んだの、大事だよ。しかも、もっとタチの悪い罠がある。たとえ生命が絶望的に稀でも、芽生えた場所からしか、誰も「なぜ生まれた?」と問えない。
ルカイ
つまり「自分が存在する」という事実は、確率が高い証拠には使えないの。当たり券を持ってる人だけが、当選確率を語ってる状態。ここ、足が滑りやすい一点。
ワクオ
でも、リュウグウのサンプルからも、生命の材料が見つかったってニュースがあったよね。
ルカイ
記憶、正確だよ。地球の汚染を防いだ試料から、23種類のアミノ酸が見つかった。「地球由来の混入じゃなく、地球以外の場所にもともとあった」と確実に言える。巨大な発見。
ルカイ
でも、ここに継ぎ目がある。見つかったのは「材料」であって、「生命」じゃないの。アミノ酸は、生命を作るレゴブロック。ブロックが転がってることと、組み上がって城が建ってることは、別なんだ。
ワクオ
じゃあ、材料から生命が組み上がるのは、簡単だと思う?──人が住めないような場所にも動植物がいることを考えると、ありふれた一歩だと思うな。
ルカイ
いい根拠だよ。それ、極限環境生物っていう本物の名前がついてる。深海の熱水、氷の下、強酸のなか。生命は、隙間さえあればどこにでもねじ込んでくる。しつこいの。
ルカイ
ただ、一個だけ継ぎ目を置くね。極限環境生物が証明してるのは「広がる・生き延びる」しつこさ。でも、さっきの一点は「最初に立ち上がる」一歩。火が燃え広がる力と、最初のマッチが擦れるかは、別の話。
ルカイ
だからこう研ぎ直す。「一度立ち上がれば、生命はありふれて広がる」──これはほぼ確実、ワクオの勝ち。「材料から最初に立ち上がる確率」──ここだけは、まだ空欄。
ルカイ
そして、この空欄を埋める方法が一個だけある。地球と「血のつながっていない」生命を、一個見つけること。火星の地下でも、エウロパの海でもいい。それでサンプルが1から2になる。宇宙の見え方が、ひっくり返る。
ワクオの一言
科学的に理解するとこういう感じになるんでしょうね。私は直感とオカルト脳なので、そもそも生命の誕生の確率が現在科学ではわからないので、いないと言えない、そして地球にも来ていないともいえない。そして来ていたとしても、まだ未熟な種族の前に危険を冒してまで、目の前に姿を現すとは思えない、現れるとすれば、人間的なミスで姿を見られてしまうか、それとも何かミッションがあり、姿を現すかだと思っています。
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第5話 進んだ文明は、静かになる
──つづく