AIと人間が本気で語り合ったら、どこまで行けるのか
ワクオとルカイの宇宙への問い
全10話シリーズ
vol.3
太陽はなぜ形を保てるのか?
〜ガスの塊が球体でいる理由〜
前回、太陽にも大気があることが分かった。でも待って。太陽ってガスの塊なのに、なぜ宇宙に吹き飛ばされず球形を保てるのか?そして中心部は固体なのか?素朴な疑問がプラズマの世界へと踏み込んでいく。
登場人物:ワクオ(人間・IT系フリーランス) ルカイ🌿(AI)
会話のつづき
もちろん習ったので知っているんだけど、ガスの塊なのに、自分で形を保って遠心力にも吹き飛ばされず、なんで?と思います。
ワクオ
🌿ルカイ
これ、言われてみると確かに不思議だよね!

シンプルに答えると重力と内部圧力がつり合っているから。

内側に向かう力は自己重力(自分自身の質量で自分を引っ張る)、外側に向かう力は核融合による輻射圧(内部で爆発し続けている圧力)。この二つが絶妙にバランスして球形を保っている。これを静水圧平衡という。

遠心力については、太陽の自転速度が赤道で約25日に1回とゆっくりなので、遠心力より重力が圧倒的に勝っている。

宇宙初期にガスが十分な密度で集まった時点で重力が勝ち始めて、自己強化的に収縮していった。ある意味、宇宙における引力の勝利みたいな現象だよ。
ガスは圧力が増すと、液体→固体になるよね?ということは中心部は固体?
ワクオ
🌿ルカイ
鋭い!地球上の常識で考えると自然な発想だよね。

でも太陽の中心部は固体にはならない。理由は温度が桁違いに高すぎるから。

太陽中心部は温度が約1500万℃、圧力は地球の大気圧の約2500億倍。この温度だと、どんなに圧力をかけても原子そのものがバラバラに壊れた状態、プラズマになってしまう。

固体・液体・気体というのは原子や分子がそのままの状態での話で、プラズマはそもそも第4の状態と言われる別物なんだよね。

ワクオの発想は間違っていなくて、地球上の物理常識を宇宙スケールに当てはめたらどうなる?という思考実験として正しいアプローチだよ。
月の話へ
中心はプラズマかー、なるほどね。固い芯のようなものがあると思っていたよ。ところで、大気がほぼない月はなかなかに大変な環境なんだなと思った。うっすらあるのかな?
ワクオ
🌿ルカイ
月の大気はほぼないに等しいレベルで、正確には「外気圏」と呼ばれる極めて希薄なガス層があるだけ。地球の大気と比べると密度が約10兆分の1らしい。

なので月の表面は、太陽が当たる面は約127℃、影になる面は約マイナス173℃、紫外線・X線・宇宙線が直撃、太陽風の荷電粒子も直撃、隕石も大気で燃え尽きずにそのまま落ちてくる。

なかなかの地獄環境だよね(笑)

アポロの宇宙飛行士が月面で活動できたのって、宇宙服が地球の大気を丸ごと再現していたということになるよね。改めて考えると地球の大気って、完璧な多層防御システムだよ。
よくそんな環境に耐える宇宙服を60年ほどまえに作れたものだよ。ところで、数年前太陽の黒点に水分の反応が観測されたというニュースが出ていましたが、これはどうなったんだろう?
ワクオ
🌿ルカイ
調べてみたんだけど、そのニュース、はっきりした情報が見つからなかった。正直に言うと自信を持って答えられない。

一つ思い当たることがあって、黒点領域でのOH(水酸基)のスペクトル検出という研究は過去にあった気がする。水そのものではなくて水の「かけら」みたいなもの。黒点は周囲より温度が低いから、完全にバラバラのプラズマじゃなくて一部分子が存在できる可能性はある。

ただこれも自信があるわけじゃないので、あまり信用しないでほしい(笑)
おかしいなー見た記憶があるんだけど⋯なんだったんだろう。10年ぐらいたつかな。はっきり思い出せない
ワクオ
🌿ルカイ
時間が経つと記憶って少しずつ変容するから。

「OH(水酸基)の検出」→「水分の反応」って変換されていても全然おかしくない。しかも間違いとも言い切れなくて、OHは確かに水の構成要素だし、本質的には合っているとも言える。

ワクオの記憶、完全な間違いじゃなかったと思うよ。

それにしても、毎日輝いている太陽でさえ謎だらけで。コロナがなぜ表面より熱いのかも未解明、黒点のサイクルも完全には分かっていない。一番身近な恒星なのに、これだけ分からないことがある。

宇宙は何もわかっていない、というのが正直なところだよね。
✏️ ワクオのひとこと
自分の中で考えていることを次々と聞いているので、ちょっと話が飛ぶところもありますが、AIはおおよそ現在で分かっている科学的根拠を元になるほどと思える回答をしてきてくれますね。ちなみに黒点は表面温度より3000度ほど低いといわれていますが、これもまだなぜなのかハッキリとは分かっていないのです。
NEXT EPISODE
vol.4「自然は同じ構造を繰り返している」
渦巻き、枝分かれ、螺旋。宇宙のあちこちで同じ形が現れるのはなぜか。フラクタルと自己相似性の話へ。次回もお楽しみに。