漫画で知っていましたが、

映画は初めて見ました。


ちょっと心理戦の部分や、
負けたときの敗者の様子の迫力にかけましたが、
面白かったです。


見ていて思ったのですが、


映画の中で、
お金持ちの為の地下施設を作る地下作業現場で働く
場面があるのですが、


その現場の状況は、たくさんの借金を抱えて作業している人達、
ただ借金を返す為に働く日々、


そこでは独自の通貨(ペリカ)があり、10ペリカ=1円


それを給料として、
地上にいる時に作った借金とそれの利息、
地下作業現場での施設使用料などを引かれて、
一日3万5千ペリカ支給される。


まー多そうに見えますが、3500円ですからね・・・


そして、ここからが巧妙、
脱出しようという考えを持った者を脱出できないように
仕向けるトラップがあります。


肉体労働作業で疲れてくたくたになった作業員のところに
売店が来ます。


キンキンに冷えたビール5000ペリカ、
おつまみ類3000ペリカ、焼き鳥7000ペリカ。


もらっているお金は少ないのに、
値段は普通よりちょい高い目です。


ろくな者を口にしていない人達は、

もうそれが喉から手が出るほど欲しい。


主人公は早く自分がここから脱出するために、
折角もらったお金なので使わずに、そのまま寝ようとする。


そこへ班長が来て、
新入りにおごりで一本ビールを渡す。

そしてそれを飲んでしまう、もうそのうまさは殺人的。

脱出するという考えは吹っ飛び、どんどんお金を使ってしまう。

あっという間に使い切ってしまう。


周りをみると、みんな同じように
地下作業現場で唯一つの娯楽のビールやおつまみをむさぼり食っている。


そのうちに感覚が麻痺して、

いつのまにか
お金を貯めて脱出するという気持ちもどこかに行ってしまい、

足りない分を給料前借りとして、借りる人も出てくる。

もちろん借りた分には金利がつきますよ。


そして、脱出することができなくなる。二度と。


唯一つ脱出する道はあるのですが、
それは命をかけないと脱出できない過酷な道、


さー主人公はその道を選ぶのでしょうか?
果たして脱出できるんでしょうか?


こんな感じだったんですが、


これって・・・・・


このまま社会の縮図になっていませんか?


僕たちは、お金を得ないと生活出来ないようになっています。

社会がそういう構造になっています。

お金が無くても、成り立っている世界を考えることすら困難なほど、

すり込まれています。


お金が必要な社会なのに、貰える額は雀の涙ほど、


それにもいろいろ税金がかかって、
どんどん引かれてどんどんなくなる。


でもそこでは娯楽もあって、
それが楽しいように出来ている、


現実の不満をそらせるために、娯楽があって、
いろんなものが、買えるようになっている。


もっと欲しいものはさらにお金を求める。


自分のお金がどこに流れているか?どういう構造になっているか
そんなことは面倒で考える事もしなくなる。


それよりも娯楽が楽しいですからね。
そのままでもいいと思えるぐらいに。


みんなそちらに夢中で真の構造には目を向けない。


一生そのループから抜け出すことはない。


お金の価値の基準は、
今となっては何を基準にしているかはもう曖昧になっています。


元々通貨はゴールドと変換できる価値がある券という意味でしたが、


今世界中に出回っているお金を全てゴールドに換金できる
ほどのゴールドはないんですよ。


ということはお金の価値は何によって決められているんですかね?

世界中で発行されている通貨はもう天文学的な数字になっています。


だれが決めているか?

答は一部の権力者ですよ。


なんの裏付けもないただの紙切れを、
さも価値があるように思わされているんです。


まさに地下作業現場で使える”ペリカ”同様です。


そして一部の権力者がそれを支配している。


そのループから抜け出したと思っているエリートも実は、

さらなる上部構造のエリートに支配されている。


結局エリートも奴隷。明日は我が身。


少しでもミスをすれば、
いつ地下作業現場へ落ちるか分かりません。


なんだかちょっと衝撃を受けましたね。
これは今の社会そのままだと思いました。


でも上部構造が無限に続くわけではありません。
ちゃんと頂点がいます。


そして数は少ない。


我々は数は多い。


そうなると、この体制をひっくり返すには

我々が一人一人が気付く(目覚める)ことが一番の近道です。


まーそれをさせない為のトラップが世の中を見渡せば
たくさんありますけどね。


僕たちは目覚めないといけない。


そういうメッセージを含んだ映画だったんですねー。


最近、少しづつ、
僕を含めみんな目覚めつつあるのではないかと思います。


さーこの現実社会の構造とカイジの地下作業現場の類似性、


信じるか信じないかはあなた次第です。