社内は綺麗になりましたが、その汚れがすべて自分が浴びているように感じ、幼稚園のお迎え前にシャワーを浴び、洗濯を一回しした私です。
今日の予定は幼稚園のお迎えのみだったので、そのためだけにメイクや服を着替えるのはかなり面倒くさかったですが、本当に自分の汚さに涙が出そうだったので、かなりスッキリしました。
車のシートには直接座りたくなかったので、コピー用紙を引いていましたが、帰って速攻で車内もファブリーズしました。
身支度を整えて、幼稚園にお迎えに行きましたが、本当に疲れすぎていて、園庭で遊びたがる子供を制して帰宅。
主人の帰りが遅いのをいいことに、子供にはオムライスとスープの一品料理の完全手抜きで、ソファーで横になっていました。
何で人の家の掃除を必死でやって、自分の家のことを疎かにしないといけないんだろう…。
と、妙なくやしさがこみ上げてきました。
早々に娘二人を寝かしつけ、テレビを見ながらソファーに沈み込んでいました。
23時ごろに主人から仕事終わりのLINEが入って、ハッと眠りから覚め、急いでお風呂に入りました。
その日はその後も、泥のように眠りました。
翌朝は疲れもまぁまぁ回復し、どちらかというと晴れやかな気持ちです。
今日からは、今までよりも綺麗な場所で仕事できる!
まだまだ完全な状態ではありますが、全然マシです。
子供を幼稚園に送り、会社に着きました。
社長はすでに出社済みです。
「おはようございます!」
いつも通り、挨拶をしに社長の汚い部屋をのぞきます。
「あ゛…」
終わりです…。
部屋は劇的に変化していましたが、本気で何も、一言もそのことについて触れられませんでした。
え?気づいてないの?バカなの?
本気で頭がおかしいんじゃないかと思いました。
昨日頑張った分、私の中で何かしらの期待値が上がりすぎていたようです。
まぁ確かに、労いの言葉をかけるタイプの方ではないので、
「すごい綺麗になったね!」
「すごいね!大変だったでしょ?」
なんて言っているところは想像もつきません。
それでも、この変化にもう少し何かあってもいいんじゃないの!?
と、心の中はかなり荒れていましたが、結局何事もなかったように今日の業務へと移りました。
社長からは何もなかったものの、私の心情は劇的に変化です。
綺麗な(まだまだですが…)なところで仕事ができるって、やっぱり幸せなことなんだなぁと実感です。
隅々まで掃除したことによって、商品がどこにあるかもわかるようになり、社長との接点も減らすことにも成功です。
仕事の効率も上がり、大満足(社長の反応以外)な今日の仕事も、あと数分で終わるなと思っていた頃、会社のチャイムが鳴りました。
だいたいチャイムが鳴るのは運送会社の方が多いので、基本的に私が出るのですが、そのチャイムには私を制し、社長自ら出ました。
玄関先で何か話して、社長が部屋に戻ったタイミングで、私は帰っていいと言われました。
でも玄関にまだ誰かいます。
社長が自室に戻り、私が身支度を整えた時に、その「誰か」が部屋に入ってきました。
ドアをガチャっと開けたその誰かは20代前半くらいの若い男でした。
顔は青白く、ヒョロヒョロ、大きめの黒のダウンを着ていても、細身なのが分かり、ダウンに着られている印象です。
私を見るなり
「あ…」と消えかけそうな声が漏れ、軽くお辞儀をしました。
私も戸惑いましたが、頭を下げました。
今思えば「あ…」は彼なりの「こんにちは!」だったのかもしれません。
ちゃんと私も「こんにちは」と言えばよかったです。
私は社長の部屋の前に行き
「ではお先に失礼します。」
と、またその男にも頭を下げ、会社を後にしました。
あいつは一体誰なんだ?
風貌は警察24時とかでよく見る出し子風です。
部屋がきれいになったとはいえ、私はこの会社にヤバさしか感じていなかったので、彼の登場にさらに不安感が募ります。
本気でやばいことしてんじゃないのかな…。
あいつは一体誰なんだ…。
なぜこんなに心乱れる毎日なのでしょう。
穏やかに働きたい。
それってそんなに贅沢なことなのでしょうか?