左右レンズでここまで違っていいの?(汗) | helpwithのブログ

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10数年の眼鏡店勤務を経て、視能訓練士、大学教員、そして今は現場にて働いているおじさんです。

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こんにちは

 

眼科で働く のりくんです。

 

以前、こんな記事をアップしました。

 

 

これはひどい眼鏡だ。

(↑リンクを張っています。)
 
なんだか同じようにこれはヤバいっていうツイートを見かけます。

 

 

 
 
すると、どうしたらわかるんですか?
というようなご質問をいただきました。
 
ありがとうございます。
 
今日はこれについての記事を書こうと思います。
 
いうなればちょっと、専門職向けですね、すみません。
 
※医療専門職の方へのお願い
画像のような状況だから、違和感や目が回るなどの自覚的なものが必ず起こるという事ではありません。適正な度数と頂間距離・前傾角・そり角など適切なフィッティング、そして患者様のご体調など考慮してもあと何が影響するのかというところまで行ったとき、解の一つであるということを頭の隅にとどめていただきたいと思います。
 
 
 
さて、眼鏡レンズの歪みは、度数、装用状態とともにとても大切です。
本来、きちんと作ってくださっている眼鏡レンズメーカーさんの努力を考えると、加工時のメガネレンズの歪みは極力減らさないといけないと思います。
 
眼鏡レンズってもともと歪み(正式には収差って言います)は、ある程度はあって普通なのです。
眼鏡レンズのメーカーさんは、この歪みを減少させることを重要ポイントの一つとして挙げているといっても過言ではないと思います。
ですので、このレンズを加工時に増やすことは喜ばしい事ではありません。
快適な眼鏡を提供する、お客様に喜んでいただくことが眼鏡屋さんの大切にしていることと思うからです。
 
さて、ここに2枚の画像を掲載します。
 
一枚目は左目のレンズです。
 
これを見たときに、「ほぅ、これはなかなかいい仕事をしてみえる」と思いました。
 
ところが、右眼のレンズを見た時、
 
 
・・・( ´・д・)ン?
 
ッ( ̄□ ̄;)!!
 
って思いました。
 
 
こういう眼鏡を患者さんに提供されている眼鏡店さんは患者さんにはお勧めしたくないとは思います。
ゞ(¯∀¯)オイオイ
 
 
 
 
 
左右のレンズの歪みが均一じゃない。
 
(´Д`)
 
ヾ(・д・`;)イヤイヤ
 
そういうもんじゃないっしょ。
 
こういうのって丁寧な仕事ですか?
 
 
さて、こういうのを見るのってなぜ必要なのでしょうか。
 
先ほどの
 

これはひどい眼鏡だ。

の記事でもおはなししましたが、
無意味に歪んでいるということです。
 
 
ちなみにほとんど歪んでいないってのはどういうものかというと
 
 
とか
 
 
のように
 
白と黒で表示されます。
 
 
2枚目の枠無し眼鏡だと顕著ですね。
(レンズをねじ止めしているところだけが歪んでいます。)
 
それが、
 
とか、
 
ひどいのになると
みたいに青や赤の部分がありますね。
 
 
こういうのって、どういう時に必要な知識なのでしょうか。
 
主として、くらくらしてかけられないとか
かけると気持ち悪くなるっていうような眼鏡の場合です。
 
せっかく一番いい状態で合わせた眼鏡でも歪みが多いと気持ち悪くなります。
なのでまずはフィッティング、そして度数、それでもダメならレンズの歪みなのです。
 
 
さて、その歪みですが、眼鏡店さんではひずみ計なるものを使うはずです。
(san-nishimuraさんのHPより参照)
 
でも、san-nishimuraさんのこれは眼鏡店さんでしか入手できません。(多分)
 
なので眼科で簡易に見れる方法があります。
 
以下にご紹介します。
 
実はこれ、Twitterできんちゃんさん@colus01)がいつぞや紹介していた方法ですので、のりくん方式ではありません。 

これを見たときにきんちゃんさんの発想は素晴らしいと思いました。

 

注:でも、あくまでも理論上同じような、簡易なものであるということであり、最もいい確認法は眼鏡店さんのひずみ計ですよ。

 

 
用意するのは、液晶画面付きレンズメータの画面とTST用の偏光グラスと調べたい眼鏡だけです。
 
  
  
 
 
液晶画面に偏光グラスをかざすと
 
  
たいていの場合、こうなります。
 
でもって、偏光グラスを回転すると
  
画面が黒くなる所があります。
 
(原理は、液晶画面には偏光膜が使ってあり、偏光グラスの偏光膜と90°直角になると画面が暗く見えます。)
 
そうしたときに
液晶画面と偏光グラスの間に、調べたい眼鏡を入れると
 
  
こう見えたり
  
こう見えたりします。
 
問題なのは、歪みの程度です。
2枚目が歪みが多いものです。
 
※問題は100%、フィッテイングとか度数に問題がない場合の最終に考慮するものです
 
歪みがあるからそれが問題だって思ってはダメです。
 
 
 
まずはフィッテイングです。
 
そして度数です。
 
それから考慮してください。
 
理由は、100%歪みを消失させることは難しいからです。
 
また、度数が低く、レンズが薄い場合、歪みが強く出がちです。
(薄いレンズのほうが歪みやすいですもんね。汗)
 
なので、すべてのメガネではなく、特に度数が強い眼鏡での問題点ですかね。
 
100%歪みを消失させるということはフレームに対し、レンズがスカスカ・・・。
つまりはすぐにレンズが落ちてしまう眼鏡になってしまうからです。
歪みは眼鏡フレームによりレンズを押さえることによって生じます。
そこを十分に確認できてこその歪みを考慮するものなのです。
 
 
かけると気持ち悪くなる時の原因の一つとしてご一考下さい。
 
眼鏡も奥が深いんですよ。
( *• ̀ω•́ )b
 
 
 
今日も最後までお読みいただきありがとうございました。