東京月光魔曲 | お役に立ちません。

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本・漫画・映画のレビューブログ。
本は月に10冊ほど、漫画は随時、
映画はWOWOWとTSUTAYAのお気持ち次第(笑)

東京月光魔曲

ケラリーノ・サンドロビッチ作・演出
主演 瑛太 松雪泰子


昭和初期、戦後の猥雑なる帝都。
謎の猟奇殺人を追う探偵と、
その捜査線上に上がる美しき美女と妖しき弟。

猥雑さとエロティシズムを散りばめた舞台…とのうたい文句だけど、
そこまでエロではなかったような。
設定は確かにセクシーだけども。

姉を溺愛する弟、秘密の春を売る美しすぎる姉。
グロテスクな猟奇殺人、
常に貧乏な探偵と、探偵に密かに恋する助手、その助手に恋する売れない小説家。

出稼ぎにきた田舎の兄弟、
次第それぞれ都会にかぶれていき、
無茶な商売に手を出す兄、兄への憧れと闘争心から、
女と共に宗教にかぶれていく弟…

更に、姉と関係する男たちが入り乱れて、群像劇が広げられる。

けして、とっちらかった話じゃないし、分かりやすいけれど。
演劇ならではの衝撃さをもうちょっと見たかったな。
猟奇殺人の現場はぐろかったけど、
松雪泰子が、今一歩のところでファムファタールになりきれていない感じ。
もうちょっとセクシーでも良かった。

意外と面白かったのが、探偵と助手と小説家の三角関係。
けして美形じゃなく、お金もない3人の関係がリアルで良かった。
甲斐性なしの探偵に惚れこみ、尽くす助手、
助手と仲がいいのに友達どまりで踏み込めない小説家。
それぞれがいい芝居していてよかった。

最後も綺麗にまとめらていたけれど…
こういう設定なら、京極夏彦ばりのもの見たかったな。