- 夢の守り人 (偕成社ワンダーランド)/二木 真希子
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精霊の守り人シリーズ第3弾。(これから読み始めたもんで)
都では、不思議な眠り病が流行っていた。
眠りについたまま目が覚めず、次第に衰弱していくのだ。
原因を探るうち、タンダが巻き込まれ
まず、発想がとても美しい。
人の夢を命として咲いて散る花、
その花を生かすため、種を体内に宿し漂う人間。
ある意味では悪、ある意味ではただ生きているだけ、生かされているだけの
吟遊詩人の造詣が、とにかく秀逸。
命は長いのに、感情や、人間として大切な部分があんまり儚くて。
一見とても優しく親切なのに、その感情に大きな”ずれ”があることが段々わかるくだりが好き。
あれ?このひと、なにか変だな??
と、読者に思わせておき、しかも過不足なくしっかり説明入れてくれるあたりが親切な作者。
骨太なメッセージがあって、けしてぶれない。
物語の幻影に酔えるし、
キャラクターの運命に感動できるし、
メッセージについて、しっかり考えさせられる。
守り人シリーズの3部作の中ではこれが一番好きだな。
眠り病、夢を命とする花、なんて、
センスのない人が使えばチープな話になってしまいそうなのに、
『凄い発想だ!』とか思ってしまうもんね。
児童文学なもんで、挿絵がつくのが個人的にマイナス。
文庫本は表紙で『理解していない!』とか叫んだけど、
中身は挿絵あるのかな(笑)
アニメ化、漫画化しちゃったせいで、
バルサが若く美人になってくのも嬉しいけどやだな(笑)
バルサの美しさは顔の造作じゃなくって、
生命力や、意思の強靭な美しさが表情や雰囲気に出てくるタイプだと思うんだよね。
って、どれだけ好きなんだっていう(笑)