ABARA下巻 | お役に立ちません。

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弐瓶 勉
ABARA (下) ヤングジャンプコミックス

というわけで下巻。

BLAME!以降、というよりBLAME!以外の作品が長続きしない。

この上下巻も、打ち切りなのか、予定されてたことなのかひやひや。

でも結構纏まってるし…本屋で山積みされてたし…

予定内?


物語は加速して崩壊と絶望のクライマックスへ。

世界を壊す力=白奇居子(しろがうな)は街の人々の大半を喰らい尽くし、

世界を保つ鍵でもある恒差廟をも喰らわんと向かう。

敵と化した阿由多と対決する駆動、

暴走する白奇居子をとめようとする刑事と古代企業の生き残りは。


人間より、非人間(どころか非生物)の方がえらい人間らしく見えるのは

弐瓶さんだけです。

ガイコツ、鳥のガイコツ、なんか器具。

この3つ、表情なんか無いのにすっごい生き生きしている。

ナイスがいこつ。

ガッツがいこつ。

なんか器具は男前!兄貴!


どこか無表情な人間キャラクタ群よりずっと、

台詞の感情表現も豊かなんですよね。

ナイスがいこつ。


過去話もあり、

ストーリー的にはとてもわかりやすい。

分かりにくいとするなら単純に、言葉や世界観に惑わされてるだけ。

ビジュアル重視の物語と了解してください。


あと、弐瓶さん、宮崎駿超好きよね。BLAME!時代から思ってたけど。

ナウシカの影響を感じます。

かつての栄光を失ったローテク世界背景に。

そこから邪推して、アブラノ養殖も千と千尋の油屋なんじゃないかと思うくらいだ。


あ、最後にDIGIMORTALという読みきりも入ってますがナイスです。

ヨーロッパダークファンタジー調世界観&ビジュアルながら、

ストーリーはアメコミ。

たとえばトライガンのひとはアメコミに憧れ、

アメコミ調を狙いながらもやっぱりジャパニーズコミックなわけですが、

弐瓶さんは存在自体がアメコミ。

実際、XーMEN(のスピンナウトもの)を描いてたわけですが。

アメコミ企業と契約して。


すてきだ。