崩壊した自民党の人権意識 | こけ玉のブログ

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不惑の年などもうとうに過ぎたのに、いまだに自分の道も確立できていない。
そんな男の独り言。

いつの頃からなのだろう。

小選挙区制で得られた多数派を頼りに、あまりにもひどい横暴が目立ち始めたのは第一次安倍内閣の頃からか。

元々世襲議員も多く、財界やアメリカの意に沿うばかりの自民党には庶民を大切にするという感覚はその軸に持ち合わせてはいない。

もちろん、選挙に勝たせてもらうには完全に無視はできないのでそれなりの受け答えはするが、やっていることはあまりにも人権感覚を欠く行動が多すぎる。



「自衛権」を口実に、イスラエルへの非難を避ける態度は国際社会の中でも異常である。

ウクライナ侵攻を行うロシアへは堂々と非難する一方で、イスラエルには言えないのではダブルスタンダードであるとのそしりは免れない。

1万人を超える犠牲者が出ている現状は明らかに「自衛権」を超えて「大量虐殺」の域に入っている。

アメリカに気を使いこれを見過ごすということは、結局人命よりも政略を優先させているということだ。

そういう意味ではウクライナ支援も純粋な人道主義というよりアメリカを意識した行動であると見ざるを得ない。



あれほどストレートにLGBTQやアイヌの人々を貶め、人権無視の発言を繰り返す杉田水脈氏の重用を繰り返すことなどは自民党の人権感覚を表す象徴である。



ウシュマさんが名古屋出入国在留管理局で亡くなられてからすでに2年半が経過したが、国としてそれらの経過をつまびらかにし、管理局内での人権侵害を改善しようという機運は全く見られない。



旧統一協会との癒着の問題は多くの国民に被害が出ていることを承知しながら、自分たちにとって邪魔な存在である共産党を陥れるためにはどんな組織とも手を結ぼうとする政党であることを表している。

そこには国民の苦しみに寄り添う姿はみじんも見られない。



数日前には新藤義孝経済再生担当大臣の記事も出た。

新藤氏の地元の埼玉県川口市は鋳物で有名らしい。

その鋳物工場で働く外国人技能実習生であるベトナム人が住む新宿舎が、約100社の鋳物業者で組織する「川口鋳物工業協同組合」によって2017年3月に建築された。

国際人材協力機構(JITCO)は何年も住み続ける実習生の寝室は『1人あたり4.8㎡以上』を指導していたが、それをクリアせず1人当たり3.1㎡で建築されたのだ(なんと1坪もない狭い部屋!)。

組合幹部はその問題を指摘された際、『アイツらは自国でもっとひどい環境で暮らしている』と言い放ったという。

実は前年に、あまりにも技能実習生を巡る問題が多発したことを受け、人権侵害防止策を盛り込んだ外国人技能実習適正化法が成立した。

その具体的な運用要領が2017年4月に公表されたところ、寝室は「1人当たり4.5㎡以上」と明記された。

これは既存の宿舎にも適応される。

あわてた組合は新藤氏に泣きついたところ、要領が発表されてからわずか3か月後には「共用スぺースを含めて4.5㎡あればよい」との記載に変わったという。

ちなみに組合から新藤氏へ総額400万円もの寄付があった、というのが記事の内容である。

国内の人手不足を外国人労働者で安価に補おうとしながら(しかも実習の名目で)、働いてもらう人間への思いやりはつゆほども感じられないのだ。



ウクライナやガザでの紛争が起き、世界では戦争辞めろの声が沸き上がっている中、日本では専守防衛の立場を投げ捨て、敵基地攻撃能力を持とうとしている。

確かに中国の横暴は目に余るものがあるが、何ら外交による努力が見られぬまま一足飛びに軍備増強を進めることは、戦争放棄の誓いに真っ向から反するものであり、結果的に人命軽視の政策であると言わざるを得ない。

それは単に自国民だけでなく、他国民に対してであっても同様のことが言えるだろう。

ましてや、武器の開発、輸出を進めようなどとは、日本で作られた武器が世界のどこかで人殺しに使われるということ。

これほどまでの究極の人権無視はないだろう。



今国内で起きている経済格差は規制緩和で不定期雇用を広く認めたところから始まっている。

その経済格差は国の体力を低下させ、大企業は史上最大の内部留保を更新しながら、国際社会の中では国力をどんどん弱めていっている。

医療保険、介護保険、生活保護等の社会保障はどんどん弱まり、生きていく根幹がぐらついてきている。

経済格差は少子化に拍車をかけ、未来への先細りを予見させるばかりである。

国民の健康状態そのものもこの経済格差によって悪化しつつあるのだ。

この生きる根幹を揺るがせる政治とはいったい誰のための政治だろうか。



昨今は全国的にクマ被害が広まり、それに応じて殺処分を行った自治体に苦情の電話が殺到しているという。

実際の被害を受けたことのない人間からの苦情であろう。

里に下りてくるクマが増えていること自体は確かに人間の活動に伴って生息域が狭くなっているとか、温暖化の影響で餌が十分に供給されなくなっていることが原因となっていることは確かだろう。

しかし、そのことをもって今現実に生命の危機に陥っている地域住民の存在を無視し、短絡的な論理で一方的に苦情をぶつけるというのは自分勝手というべきだろう。

中には「武器を使うのは卑怯だ」「素手で対応しろ」という理不尽なものもあるという。

そういう輩に限って名を名乗ることもせず、匿名のまま言いたい放題なのだ。

これだけ全国的な問題になっている中で、この問題を放置し、国としての明確な声明や方針を打ち出さないというのも当該自治体を無視したものでしかない。

クマ問題だけではない。

軽薄で短絡的な誹謗中傷の言動のひどさは最近目に余るものがある。

数年前の女子プロレスラーの木村花さんの死があったが、先日はジャニー氏による性被害問題で、当事者である男性が誹謗中傷を苦に自殺を図ったとみられている。

国としての直接的な責任とはいいがたいことかもしれないが、こうした社会問題化していることへの対応の遅さ、関心のなさに人権意識の薄さが見えてくるのだ。

まるでバレなければ何してもよい、気に食わないものに対しては統一教会やDappiなどとも手を組み陥れようとする自民党の人権意識の低さが、知らず知らずのうちに国民にも蔓延していっているようである。



日本の文化は素晴らしいと言って外国人が観光に訪れてくれるのは誇らしいことだと思う。

だが、一方で実際に暮らすことは難しいとの声もよく聞かれる。

美しの国ニッポンと自民党やそれらの応援政党、応援団は誇らしげに言うが、彼ら自身が日本の根本を壊しているのではないだろうか。

彼らが国の行く末を担うことに非常に不安を感じるのである。