2度目の身近に起こった洗脳は
1度目のすぐ後でした。
大学生活のために、実家を離れ
私も兄妹もみんな実家を離れて
それぞれ1人暮らしをしていたの
ですが、ある日、母から電話が
ありました。
妹が母にお金の無心をして
きたというのです。
大学生活を送り始めた妹は
仕送りだけでも十分暮らして
いけるはずなのですが、
時間もあって暇だから・・・と
ファーストフード店でアルバイト
をしていました。だから、少しは
貯金があるはずでした。
なので、母は何に使うのか
妹に聞いたそうです。
そうしたら、「セミナーに参加する
お金が足りないから」という
返事だったとのこと。
「まじで?!このタイミングで?!」
とビックリしました。
私は母にすぐ、かつての高校時代の
友人に同様の自己啓発セミナーに
勧誘され、危なかった件を話しました。
それほど、妹とは離れた場所では
なかったので、早速私が妹を
セミナーから救い出す作戦に。
私も勧誘された話をして、
洗脳されると怖い集団だということを
説得しました。
幸い妹は、セミナーで行われる
内容に関して、不信に思っている
ことも多少あったようで・・・
全く話を受け付けないということ
なく、きちんと聞いてくれました。
ただ・・・セミナーで知り合った
仲間たちに対しては、とても
信頼していて、良い人たちだと
友達とは縁を切りたくない様子
でした。
でも、結局、そこの人たちと
つながっている限りは、また
引き戻されてしまう危険がある
と思い、携帯も家の電話も
番号を変更して、今後一切
セミナーの人たちとは誰一人
連絡を取らないように!と
きつく言いました。
そして、妹はそれを忠実に
守ってくれて、セミナーから
足を洗うことが出来ました。
こんなに簡単に抜け出せたのは
奇跡だったと思います。
妹の話では、最初、その
自己啓発セミナーの勧誘は
大学の近くの道で、一人の
おばさんから声をかけられて
付いていき、喫茶店で話を
聞いたことが始まりでした。
もともと妹は優秀な兄や姉に
比較されて育ってきた
劣等感を持っていました。
勉強がそれほど好きでもないし
成績も良くない・・・
大学もいくつか受けたのが
全部不合格だったけど、
補欠枠で入学辞退者が出た
ので入れたという状態でした。
実家を離れて大学に入学
したばかり、友達もいなくて
自分に自信がなかった状態で、
「自己啓発」して生まれ変わる
というのに興味を持ったそうです。
最初の1回目のセミナーは
5~6万円だったそうです。
支払って参加すると、
大きな広間のような場所で
同様の参加者たちと
お互いに罵倒し合ったり、
大声で叫んだり、
客観的に見ると滑稽な
セミナー内容だったそうです。
その時点で、どっぷりと
ハマってしまわずに、どこか
俯瞰的な視点から見ること
ができたので、完全に洗脳
されることがなかったのかも
しれません。
ただ、そこで知り合った人たち
がとても親切で、優しく接して
くれるので、それについては
ハマったみたいです。
2回目のセミナーに参加するのに
十数万円支払い、バイトで
貯めた貯金も底をつきました。
3回目のセミナーが20万円近く
かかるということで、お金が
欲しい・・・と母に言ったので
今回、発覚して救うことが
できました。
どこかから借りてきてしまったり
嘘をついてお金を工面できて
しまっていたら、完全に洗脳されて
しまうまで、家族も気づくことが
できなかったかもしれません。
私が直前に同様の勧誘を
受けていたことや、早めに
発覚したことで、救うことができました。
自己啓発セミナーは洗脳詐欺の
典型です。勧誘されたら、絶対に
入らないように、ご注意ください。
ちなみに・・・たった2回のセミナー
参加でしたが、妹はその後
少し性格が変わったように思います。
本質的には変わってはいないとは
思いますが、性格が少しきつくなり
悪い意味で自信をつけたような、
私の好きだった妹の良いところが
失われてしまったような、印象を
受けました。
救うことはできましたが、後遺症
的な影響は少なからずあったと
思います。
これが私にとって、身の回りでの
2回目の洗脳体験です。