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【とことんインタビュー】南川秀樹さん
2011年10月17日
◎環境事務次官 南川秀樹さん(61)◎
◇◆グリーンエコノミー推進◆◇
――福島第一原発事故の除染作業など、環境省の役割が重要性を増しています。
これまで放射能による環境汚染というのは、ある意味「ないこと」になっていました。原子力発電自体が安全だという「神話」の中で動いていたから、どの役所も環境中に放出された放射能を除去する必要はないという制度ができていました。
先の国会で、今回の福島第一原発の事故に関する一連の除染について環境省が中心になって行うという法律ができました。その法律を武器に、福島地域を中心とした放射能除染をしっかりやっていきたいです。
――環境省の外局に原子力安全庁も設置されます。
除染と、原発の安全性を担保して環境中に放射能を出させないということは、全然違う次元の話。経済産業省原子力安全・保安院の問題の時も、それが安全庁に統合されることになるとは想定していなかった。安全庁の設置は予期せぬ出来事でした。
不安もたくさんあります。各原発と本省を結ぶコンピューター管理が、実は大変難しい。サイバーテロなど国家の安全にかかわるので、緊張感を持ち続けなければいけないという戸惑いもあります。
――再生可能エネルギー法が可決されました。
原子力に依存しすぎていたので、これから再生可能エネルギーと省エネルギーを進めたい。再生可能エネルギーは風力や太陽光、地熱、中小水
力が主なものになるでしょう。省エネは、震災後に取り組んだ節電の中で、これからも継続的にできるものも結構あるというのが印象でした。
――役割が増す環境省の事務方トップとして、環境行政にどう取り組みますか。
単に環境を守るという受け身ではなく、環境を良くする設備投資、製造を通じて経済も良くしたい。「グリーンエコノミー化」と言いたいのですが、環境技術とそれによる製品の製造が日本経済を引っ張るリーディングインダストリーになってほしいです。
――具体的には。
車の場合、日本は断トツの環境性能で国際的にも強い立場にあります。ハイブリッド重機や家電、住宅の断熱化、そのほか風力や太陽光発電の装置産業も日本が得意とする分野です。
――来年、四日市公害訴訟の原告勝訴判決から40周年を迎えます。
私は菰野町出身で、通学時に四日市市近辺はよく通りました。スモッグで白く濁り、近鉄四日市駅で1番線から湯の山線のホームが見えないことも。判決当時は学生でしたが、感動して判決文を一生懸命読んだ記憶があります。
公害資料館としてデータを集めて残すだけでも、後世に役立ちます。データを整理して英語に翻訳すれば、四日市の長い闘いが国際的にみても途上国の大気汚染問題の解決に寄与できると思います。
――4月の知事選では、立候補が取りざたされました。
光栄でしたが、昨年は名古屋市で開かれた生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)やメキシコ・カンクンのCOP16があり、考え
る時間はありませんでした。現知事の鈴木英敬さんは三重にはないキャラクター。若くて元気が良くていいんじゃないですか。(聞き手・姫野直行)