今年は、昨年収穫分の古米と外国産米への需要が高まっている。福島原発事故で国内産米が放射能に汚染されているかもしれないとの不安が強まっているためだ。
兵庫県の米穀店、にしら米穀店の西羅寿和代表は、輸入米に高い関税がかかっているにもかかわらず、米国産の有機米のネットでの注文が急増していると 話す。8月の注文は、そのほとんどは東日本からだが、例年の20倍近くに膨れ上がった。昨年収穫分を見つけられなかった人々が輸入米を注文しているのだ。
30年近く店を営んでいる西羅さんは「日本人が国産のお米に対して不安を抱くというのは初めてのこと」とし、「このような状況がどのくらい続くのか、今後どうなるのか見当もつかない」と語った。
3月に放射能汚染に見舞われた福島県は日本で4番目のコメ生産県で、東京へも多くの量を供給している。日本政府のコメの放射能検査は来週には大部分が終了する見込みだ。
これまでのところ、暫定基準値に達したコメは1件だけだ。しかし、消費者団体などは政府の検査方法を批判している。
主婦連合会の佐野真理子事務局長は政府が認める許容量は高すぎるとし、その理由として、政府は米国人の7倍食べるコメについて、それよりも少ない量しか 食べない牛肉やその他の食品と同じ基準を用いている点を挙げた。同事務局長は「政府の対応は後手後手にまわっていて、問題がおきてから初めて規制を厳しく しているように見える。それが消費者の不信感につながっている」と述べた。
日本は原発事故以来、その他の食品の安全性をめぐる恐怖も経験している。特に、夏に汚染された牛肉が検査をすり抜け、至るところで消費されたことだ。し かし、銀や金、ダイヤモンド粉末を混ぜた、完璧な炊きあがりを保証する電気炊飯釜に1000ドルもの大金を支払う日本では、コメの安全性は特に重要なの だ。
福島県庁の水田畑作課でコメ検査を行っている菅野和彦課長は「お米は単なる食べ物ではない」とし、「文化的にも歴史的にも日本人にとって特別なもの」と話した。
菅野課長には、不安がる消費者からの問い合わせの電話が押し寄せてきており、例えば東京のある女性は、福島の義父が送ってきたコメを子どもに食べさせても大丈夫かと尋ねた。菅野さんは、福島県は高濃度の汚染地域からのコメの出荷 ―贈り物も― を禁止すると述べた。
日本の当局は4月に最初の水田検査を行った。まず、原発周辺地域の市町村ごとに1件ずつ調べ、次いで、放射性セシウムの濃度が高かった所で検査スポット を増やした。農水省はコメの基準値をキログラム当たり500ベクレルとし、そして ―土壌中のセシウムの最大10%が稲に入ると推定して― 土壌1キロ当たり5000ベクレルを超えた耕地での稲作を禁止した。
菅野さんの部署は現在、収穫されたコメの検査をしている。検査では、原発から54キロメートルほど離れた二本松で高セシウム濃度が検出された。ここのコメはキロ当たり500ベクレルを示した。
この検出は一部の専門家を悩ませており、専門家らはこれは政府の検査方法に疑問を起こさせるものだとしている。二本松の土壌の放射性セシウムは3000 ベクレルしかなかったのだ。放射線医学総合研究所の担当者は、このことは何か別のこと ―多分、汚染された水あるいは稲と汚染土壌の直接的な接触― が予想以上の濃度に押し上げたことを意味しているとし、政府は他のこのような例を見つけるべきだと述べた。