http://mainichi.jp/area/fukushima/news/20110928ddlk07040140000c.html
東日本大震災:福島第1原発事故 奈良の小3男児「安心のため科学者になる」 /福島
◇自由研究で「お墓にひなんします」記事を新聞に
南相馬市で6月、原発事故に苦しむ93歳の女性が「お墓にひなんします」と書き残して自ら命を絶ったことを、奈良県の小学男児が自由研究の手作り 新聞で学校のみんなに紹介している。男児は「未来の安心のために科学者になってがんばる」と誓う。遺族は女性の無念さが子どもたちに届いたと感じている。 【井上英介】
女性は福島第1原発事故の直後に長男夫婦と別々に避難し、帰宅して再び同居を始めて間もない6月22日、「老人は(避難の)あしでまといになる」 「毎日原発のことばかりでいきたここちしません」と遺書を残し、命を絶った。毎日新聞はその経緯や遺族の思いを7月9日朝刊で報じた。
手作り新聞を作ったのは奈良県天理市の私立天理小3年、瀧本駿君(8)。夏休みの自由研究の課題に原発事故を選び、経過や影響を模造紙3枚にまと めた。最後に「みんなに伝えたい出来事」として女性の記事(大阪本社発行)の切り抜きを張り、「日本を作ってきた大人の人たちが安心してくらせるように、 ぼくたちががんばらなければいけない」と書いた。見出しには振りがなをつけている。
新聞は優れた自由研究として市の施設に展示された後、今も校内に張られている。瀧本君は「原発事故のニュースを聞いて調べてみると、原発は怖いと 思った。おばあさんの話を知って悲しくなった」。製作を手伝った母親で看護師の奈奈さん(38)は「難しいからテーマを変えたら、と忠告したが考えを曲げ なかった。女性の記事は読んで聞かせ、息子と2人で胸を痛めた」と振り返る。
奈奈さんから送られてきた手作り新聞のコピーを見て、南相馬市の女性の長男(72)は「よくできている」と感心。妻(71)は「ばあちゃんの思いが届いたね」とうなずいた。
毎日新聞 2011年9月28日 地方版